RACE REPORT

JBCF南魚沼ロードレース(経済産業大臣旗ロードチャンピオンシップ)

“フランシスコ・マンセボ優勝!ホセ・トリビオ2位でマトリックスがワン・ツー!!団体戦も優勝し2年連続勝利!!!”

Jプロツアー第22戦(レイティングAAAA)

出走選手:8名 ホセ・ビセンテ・トリビオ、アイラン・フェルナンデス、佐野淳哉、土井雪広、安原大貴、向川尚樹、田窪賢次、フランシスコ・マンセボ・ペレス

ついにJプロツアーは最終戦。ツアーを締め括る頂上決戦、経済産業大臣旗ロードチャンピオンシップにあたり唯一の団体戦でもある。マトリックスは昨年このレースを個人・団体とも勝利し、佐野淳哉がチャンピオンの証“ヴィオラジャージ”を纏い、団体優勝の証”輪翔旗”を掲げた2018年はここで締めて返還となる。苦戦を強いられた今シーズンだがこの輪翔旗は手放したくない。チームは再び持ち帰るべく固い結束でスタートラインに立つ。

前戦よりスポットで迎え入れたマンセボは来季の活動拠点候補を前提にテスト&トライアルでの来日参戦。UCI移籍期間は既に終了しているため日本で走る機会が得られない。オフに入ったタイミングが何とかJプロツアー終盤に間に合った・・・というところである。これは長いシーズン設定のJプロツアーだからこそ得た機会。群馬ロードレースの中止を残念がっていたが、今回がチャンピオンシップだと伝えると122kmという距離の短さにかなり驚き何度も聞き返す。一般的にはチャンピオンシップという響きから200km以上はある感覚だと言う。「122kmならば122kmの走り方がある」彼は言い切りスタートラインに立った。

またもや台風の到来に翻弄されながらも難を逃れて今大会は決行されることとなり、中止となった前戦で設定されていた「高木秀彰メモリアル」もこの大会へ持ち越されての開催となった。このコースは上部のテクニカルなダム周回に極端な勾配の上り1km山頂で締めくくりのゴールという、とてもストロングな設定。過去3回の実績も外国人が上位を占める結果からレースのハードさが窺える。過去2回の優勝を獲っているマトリックスには縁起よいレースでもある。

2014年エドゥ・プラデス  ⓒHideaki TAKAGI

2015年ベンジャミ・プラデス  ⓒHideaki TAKAGI

台風の影響からは逃れることはできず当日は朝から冷たい雨。気温も低く更に下がりつつある昼過ぎからレースはスタートした。マンセボがスタートから激しくアタックをして揺さぶりをかけ、早々からの人数絞りに動く。1周目この誘いに乗ったのは増田成幸(宇都宮ブリッツェン)、しばらく2名で先行するもさすがにこのメンバーは許さず次々と追走が出る、マトリックスもチェックの動きで2周目には11名の先行グループとなる。

ホセ・ビセンテ・トリビオ、アイラン・フェルナンデス、フランシスコ・マンセボ・ペレス(マトリックスパワータグ)
増田成幸、雨澤毅明、岡篤志、鈴木龍(宇都宮ブリッツェン)
入部正太朗、横山航太、中田拓也(シマノレーシング)
山本元喜(KINAN Cycling Team)

強いメンバーが揃い先行、人数ではやはりブリッツェンが上手となっている。この状態を良しとせず、マンセボの引きでスタートからのペースは更に引き上がりラップ18分。マンセボは執拗にアタックをかけて更に揺さぶり敵方の消耗を促す。
メインもこのままで容認できない危機感で追走の動きは後を絶たない。4周目には先行は7名となる。

ホセ・トリビオ、フランシスコ・マンセボ(マトリックスパワータグ)
雨澤毅明、岡篤志(宇都宮ブリッツェン)
湊 諒(シマノレーシング)
山本元喜(KINAN Cycling Team)
米谷隆志(LEOMO Bellmare Racing Team)

メインとは1分30秒で周回を重ねる。保たれたタイム差は一見沈静しているかのように思えるが、ラップタイム19分は緩くないペース。先行グループのペースはマンセボとホセが作りペースを緩めない。雨も激しさを増し、気温も下がり、力尽きた選手が徐々に脱落していく。先行グループはマトリックスペースのまま、ひとり、またひとりと後退しつつある者を見逃さず7周目辺りからホセとの連携で更に人数削りの動きを見せる。残り2周、執拗なマトリックス勢の揺さぶりにブリッツェンの2名がドロップするのを見計らい、山頂でマンセボとホセがアタック。山本と湊が粘り食らいつくも振り切り、2名でペースアップし逃げ始める。後続はやがてメインに吸収、宇都宮ブリッツェンを中心に先頭を追う。

しかし快調に先行するマンセボとホセはペース変わらず1分差でラストラップへ。この2名に追いつくのはかなり厳しいタイム差、しかし団体成績は上位3名のポイント、マトリックスも3人目の順位をかけてメイン内で様子を窺う。
ラストラップへ入る山頂でメインから抜けたのは増田成幸、入部正太朗、横山航太の3名。メインへ30秒差をつけて先行するが、残るメインも13名。マトリックスはアイラン、土井、大貴、向川が残っている。

マンセボとホセは後続を近づけることなく1分もの大差でワン・ツー、フィニッシュ!
1位マンセボ、2位ホセでの圧勝ゴールを決める。残る後続は先行した3名から入部、横山、増田の順でゴール。残るメインの頭は木村が獲り、シマノ勢の上位占めは脅かされる結果。マトリックス3人目はアイランが10位でゴールし、見事団体優勝!昨年に続き2年連続での輪翔旗を獲る。そして、ヴィオラジャージは佐野からマンセボへ・・・チームで繋いだ。

苦戦が続いていた今季Jプロツアー、最終戦を久方の気持ちよい勝利で締め括ることができた。ツアー結果は個人総合でアイランが2位、そしてチーム総合は最後にシマノレーシングを逆転し2位で確定しツアー終了となった。
残りシーズン僅か、これよりUCIのビッグレースが続く。よい結果を出せるよう、引き締めて次戦へ進みます。


【監督コメント~Jプロツアーを終えて~】
マンセボは偶然のタイミングでこのレースに参戦できただけ、契約を前提に話してるけど、なんぼ強かったと言っても今やオッサンがどんだけ走れるかわからんからテストするって言ったらこのタイミングで来た。まぁ向こうがオフになってからやとこのくらいの時季になるし。でもやっぱりホントに強かった。Jプロツアー走ってみて面白かった、エキサイティングやったと言うてたけど、実際契約する気かどうかはまだわからん。
けど、いなかったとしてもウチは執念で旗は獲りに行ってた。
今年は赤いやつらにボコボコにされてたけど、最後にボディーブローをかますことができた。来年はやり返してやる!
でも青いやつらは油断ならん。

【結果】
1位 フランシスコ・マンセボ・ペレス(マトリックスパワータグ ) 3時間14分20秒
2位 ホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ ) +0秒
3位 横山航太(シマノレーシング) +1分3秒
4位 入部正太朗(シマノレーシング) +1分7秒
5位 増田成幸(宇都宮ブリッツェン) +1分13秒
6位 木村圭佑(シマノレーシング) +1分40秒
10位 アイラン・フェルナンデス(マトリックスパワータグ)
11位 安原大貴(マトリックスパワータグ)
16位 土井雪広(マトリックスパワータグ)
24位 向川尚樹(マトリックスパワータグ)
DNF 佐野淳哉(マトリックスパワータグ)
DNF 田窪賢次(マトリックスパワータグ)

【団体成績】
1位 マトリックスパワータグ 720p
2位 シマノレーシング 520p
3位 宇都宮ブリッツェン 145p

【敢闘賞】
山本元喜(KINAN Cycling Team)

【ツアー個人総合】
1位 窪木一茂(チームブリヂストンサイクリング) 2654p
2位 アイラン・フェルナンデス(マトリックスパワータグ) 2164p
3位 岡 篤志(宇都宮ブリッツェン) 1902p


【ツアーチーム総合】
1位 宇都宮ブリッツェン 7315p
2位 マトリックスパワータグ 5095p
3位 シマノレーシング 5047p


photo by Satoru Kato

JBCFまえばしクリテリウム

Jプロツアー第20戦(レイティングAc)

出走選手:7名 ホセ・ビセンテ・トリビオ、アイラン・フェルナンデス、佐野淳哉、土井雪広、安原大貴、田窪賢次、フランシスコ・マンセボ


群馬県での2連戦。初日はクリテリウム、2日目は昨年まで赤城山のヒルクライムだったが今年は群馬サイクルスポーツセンターでのハードなロードレース。そして、チームを応援し続けてくれた故高木フォトグラファーのメモリアルレースとして設定され深い想いを抱いての群馬入り。しかしまたもや大型台風の襲来で2日目のロードレースは中止、1日目のクリテリウムも距離を短縮し14周回→12周回でのレースとなった。

もうJプロツアーは終焉となるが、ここで監督はロードレース界のレジェンド“フランシスコ・マンセボ”をサプライズでメンバーに加え突然の前橋入り。当日のスタートリストとチームピット内の様子に来場者は驚きを隠せない様子。
生憎の台風接近の雨天、距離短縮と波乱含みの中、レースがスタートした。

今回もマトリックスはコントロール徹底作戦。スタートから先頭奪取にトレインを組むが、なんとリーダーの窪木一茂(チームブリヂストンサイクリング)自らもアタックをかけて3名が先行。マトリックスはメイン先頭でのコントロールとなる。

窪木一茂(チームブリヂストンサイクリング)
小野寺玲(宇都宮ブリッツェン)
入部正太朗(シマノレーシング)

強豪チームのエースを担うメンバーでのいきなりの先行、街頭クリテリウムにしては人数も多く雨レースのリスクなどから出た作戦か。動きは異なれど思惑は各チーム一致、メインはマトリックストレインを先頭に、宇都宮ブリッツェン、チームブリヂストンサイクリイング、シマノレーシング・・・と、早々にカラーが揃う。

いずれもペースを上げ、先頭とメインは30秒内の差を保ちながら周回を重ねていき、後尾から少しずつ人数を削っていく。しかし先行と雨天の動きでまだまだ人数は多い。6周目、窪木は先行を止めてメインへ戻ると小野寺も戻る。しかし入部は止めずペースも変わらず単独で逃げ続ける。メインはペースを上げて入部との差を縮め始めその差12秒。このペースアップで集団は分断され始め人数を絞り込めそうとなってきた8周目、集団中後方で大落車が発生、レース中断となってしまう。

中断待機の後、これまでのレースは無しとみなされ残り5周回、たった5周回での超短クリテリウムでレース再スタートとなる。コントロールし続けたマトリックスの動きは残念ながら無となり、先行し続けていた入部のみ再現として残り一斉スタート。超短レースの位置取りに各チーム猛烈なスタートダッシュ、佐野が先頭奪取しマトリックストレイン形成、隊列は中断前と変わらない状況となる。

入部の先行はまだそのまま、するとメインから同チームの木村圭祐が抜け、シマノレーシング2名で先行する。
メインは睨みを利かせながら15秒内での差を保ちながらも、集団内の位置取り争いが激しくなっていく。
マトリックスと宇都宮ブリッツェンとの位置取り争い、残り2周回でメイン先頭はブリッツェントレインへ変わる。尚も位置取り争いを繰り返しながらメインはペースアップしラストラップへ。終盤に先行のシマノレーシングを吸収し、最終コーナーを取ってきたのはリーダーの窪木が単独、後続を寄せ付けない勢いと伸びで堂々の大勝利。そして、自らの勝利を持って今季Jプロツアーの総合優勝を決めた。

アイランはゴール勝負で4位、今季総合2位の座は最終戦まで持ち込まれる。次はついに最終戦、佐野のヴィオラジャージもここで区切り、ツアー唯一の団体戦は勝利の証“大臣旗”を今年も掲げたい。

【結果】
1位 窪木一茂(チームブリヂストンサイクリング) 22分51秒
2位 小野寺玲(宇都宮ブリッツェン) +1秒
3位 大久保陣(チームブリヂストンサイクリング )
4位 アイラン・フェルナンデス(マトリックスパワータグ)
5位 横山航太(シマノレーシング)
6位 織田 聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)
7位 ホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ)
16位 田窪賢次(マトリックスパワータグ)
18位 フランシスコ・マンセボ(マトリックスパワータグ)
20位 土井雪広(マトリックスパワータグ)
DNF 佐野淳哉(マトリックスパワータグ)


photo by Satoru Kato