RACE REPORT

ジャパンカップサイクルロードレース

UCIアジアツアー 1-HC(オークラス)

本戦ロードレースはアジアのワンデーレースで唯一のUCIレースカテゴリー最高位、超級・オークラスに認定された大会。2018年度のUCIアジアツアーはこの大会をもって終了となるが、この結果は来シーズンのジャパンカップ選考の対象ともなる。前日のクリテリウムでの世界トップクラス達の走りはやはり圧巻、この相手にどれだけ太刀を浴びせることができるか、今一度奮い立たせ引き締めレースへ臨む。

2015年から14.1kmコースから現在の10.3kmコースへ変更されたことで周回数が増え、きつい勾配で定評のあるこのコースは更にアップダウンが凝縮されレース展開はより厳しさを増している。3周回毎にKOMポイントに設定されている計4回の山岳賞がレース展開の鍵、これまでも最後の山岳賞前後から終盤へ向けて動き変わるパータンが多く、また前半の山岳賞は見せ場目的を容認するのもお約束となっている。
クリテリウム直後に降った雨は深夜には上がり、当日は雲ひとつない爽やかな晴天で汗ばむほど。ステージサインを終えて華やかに熱いレースがスタートした。

スタートからすぐにKOMへの上りへ向けてアタックがかかる。今季で引退を表明している山岳スペシャリストのオスカル・プジョル(チーム右京)のラストレース、予想どおりスタートからプジョルがアタック。ここに反応した同じく山岳強いTOJ覇者のリカルド・ガルシア(キナンサイクリングチーム)と共に強烈な逃げを打つ。ラップタイムは15分とかなりのハイペース、メインとは20秒の差で1周回を完了すると既に後ろは置いていかれるパックが出来ている。

マトリックスは集団内後方、前方は地元の宇都宮ブリッツェンが固めている。ハイペースのプジョルとガルシアにクーン・ボーマン(オランダ、ロットNLユンボ)が単独で追いつき先頭3名、メインとは1分をつけて3周目1回目の山岳賞へ。獲ったのはガルシア、先頭の3名は山岳賞を争いながらそのペースを落とさず先行、メインは容認としているがそのペースは休めるほどの余裕は持てない様子。メインは宇都宮ブリッツェン、ミッチェルトン・スコット、ロットNL・ユンボが固めている。例年、前半の逃げに日本人ライダーが入るのだが、いきなりのストロングな逃げ打ちに乗ることができず、山岳賞へ絡むのは難しくなってしまった。宇都宮ブリッツェンが先頭に立ち総勢でメインを引きその差1分30秒ほどでコントロール、マトリックスは集団内後方。

やがて6周目2回目の山岳賞をボーマンが獲り、先頭3名は滞りなく回している様子。メインは宇都宮ブリッツェンが粘り続けタイム差も変わらず。しかし容易なペースではないのか集団は徐々にその人数を減らしている。少しずつ先頭のペースが落ちてくるがメインも落ち着き8周目にはその差2分まで広がる。そして9周目3回目の山岳賞へ。ここはプジョルかと思われたがボーマンが獲ったとの情報に協調ムードではない様子が窺える。ボーマンはそのまま単独走へ、そしてメインはまたペースが上がり1分30秒をきってくる。この動きで集団からは離脱する者が出てくる中、マトリックスは佐野が遅れてしまう。

ボーマン単独のまま11周目に入る。プジョル、ガルシアは集団に吸収されるがここでメインはワールドチームを中心に一気に動く。ボーマンを先行させていたロットNL・ユンボがロバート・ヘーシンクを筆頭にペースアップをかけKOMへの上り区間で集団は崩壊。この時の位置取りが全てとなり、機に備えていた選手が前に残ることとなる。マトリックスはホセと大貴が粘るが、ワールドチーム主導の中で前位置を上手くとることができず国内チームの殆どは後ろのグループへ置いていかることとなってしまう。ロットNL・ユンボを中心に崩壊した集団から抜けた20名ほどがKOM手前でボーマンをキャッチし、アタック戦を続けながら先頭16名に絞り込まれる。

クーン・ボーマン、ロバート・ヘーシンク、アントワン・トールク、ダーン・オリヴィエ(ロットNL・ユンボ)
中根英登、マルコ・ティッツア、イヴァン・サンタロミータ(NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ヨーロッパオヴィーニ)
ロブ・パワー、ジャック・ヘイグ(ミッチェルトン・スコット)
クーン・デコルト、ファビオ・フェッリーネ(トレック・セガフレード)
ニコラス・ロッシュ(BMCレーシング・チーム)
マッティ・ブレシェル(チーム・EFエデュケーション・ファースト・ドラパック)
タデイ・ポガチャル(リュブリャナ・グスト・ザウラム)
トマ・ルバ(キナンサイクリングチーム)
増田成幸(宇都宮ブリッツェン)

始めの逃げ打ちから流れを繋いだロットNL・ユンボが有利に進める。後続グループでも激しいアタックが続いており幾度もシャッフルされる状態が続く。12周目、最後の山岳賞へ向けて後続からの追走も加わり入れ替わりながらの上り区間、最後の山岳賞を獲ったのはロットNL・ユンボのアントワン・トールク。ホセは3つ目10名ほどのグループに位置し前に上がるのは難しい。最後の山岳賞争いから更に6名が抜け先行し13周目へ。

アントワン・トールク、ロバート・ヘーシンク(ロットNL・ユンボ)
ロブ・パワー(ミッチェルトン・スコット)
ニコラス・ロッシュ(BMCレーシング・チーム)
イヴァン・サンタロミータ(NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ヨーロッパオヴィーニ)
マッティ・ブレシェル(チーム・EFエデュケーション・ファースト・ドラパック)

国内代表する強者の増田成幸(宇都宮ブリッツェン)や追走をかけた大分アーバンクラシック勝者の石上優大(ジャパン・ナショナルチーム)も粘ったが入れず20名ほどのセカンドグループへ。ホセはその後ろ20名ほどのグループで先頭から2分で通過する。先頭は2名を残し有利に進めているロットNL・ユンボのヘーシンクが巧みにコントロールをする。後続は協調がとれずペースが上がらない、そこから昨年の覇者マルコ・カノラ(NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ヨーロッパオヴィーニ)が単独飛び出し追走を開始、そしてラストラップヘ。

先頭はヘーシンクがしっかり抑えたままKOMへの上りへ入っていく、追走の情報を受けてかサンタロミータは後方でカノラを待つ様子を見せる。カノラまでは40秒、そしてその後ろ20名のグループまでは先頭から1分。勝負は先頭6名に絞られた。ホセはその次20名弱のグループで2分以上、UCIポイント圏内の40位以内を目指す。

先頭では上り区間でのアタック戦が激しくなり、パワーとトールクが仕掛け合いながら最終KOMを通過し2名で抜ける。残る3名は追うことができず2名先行のままゴールへのマッチスプリントへ。制したのはロブ・パワー、ここまで有利にレースを進めてきたロットNL・ユンボは最後に勝利を逃す悔しい結果となった。

残る後続から国内は中根英登の12位が最高位、日本人ライダーは10位以内に入ることができず今年のジャパンカップのレースレベルの高さが窺える。マトリックスはホセの38位が最高位で何とかUCIポイント圏内でゴールした。来年のジャパンカップは更なるレベルアップが予想されているが堂々チャレンジしていきたい。残るUCIレースはツール・ド・おきなわ、最後まで引き締めレースをしていきます。

【結果】
1位 ロブ・パワー(ミッチェルトン・スコット) 3時間44分00秒
2位 アントワン・トールク(ロットNL・ユンボ)
3位 マッティ・ブレシェル(EFエデュケーションファースト・ドラパック) +40秒
4位 ニコラス・ロッシュ(BMCレーシングチーム)
5位 イヴァン・サンタロミータ(NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ヨーロッパオヴィーニ) +42秒
6位 マルコ・カノラ(NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ヨーロッパオヴィーニ) +2分02秒
7位 ロバート・ヘーシンク(ロットNL・ユンボ) +2分07秒
8位 ロバート・スタナード(ミッチェルトン・スコット) +2分26秒
9位 クーン・デコルト(トレック・セガフレード)
10位 ロビー・ハッカー(チーム右京)
11位 タデイ・ポガチャル(リュブリャナ・グスト・ザウラム)
12位 中根英登(NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ヨーロッパオヴィーニ)
13位 ファビオ・フェッリーネ(トレック・セガフレード)
14位 ベンジャミ・プラデス・レヴェルテル(チーム右京)
15位 フレディ・オヴェット(BMCレーシングチーム)
16位 雨澤毅明(宇都宮ブリッツェン)
17位 石上優大(ジャパン・ナショナル・チーム)
18位 トマ・ルバ(キナンサイクリングチーム)
19位 サルバドール・グアルディオラ(キナンサイクリングチーム)
20位 ダーン・オリヴィエ(ロットNL・ユンボ)
38位 ホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ)
51位 安原大貴(マトリックスパワータグ)
DNF アイラン・フェルナンデス(マトリックスパワータグ)
DNF 佐野淳哉(マトリックスパワータグ)
DNF 向川尚樹(マトリックスパワータグ)

【山岳賞】
3周目 マルコス・ガルシア・フェルナンデス(キナンサイクリングチーム)
6周目 クーン・ボーマン(ロットNLユンボ)
9周目 クーン・ボーマン(ロットNLユンボ)
12周目 アントワン・トールク(ロットNLユンボ)


photo by Satoru Kato

ジャパンカップ・クリテリウム

UCIアジアツアー クリテリウム

Jプロツアーが終わりいよいよシーズンの締め。国内最大に熱くハイレベルなレース、ジャパンカップをもってUCIアジアツアーの年度シーズンは終了となる。UCIレースカテゴリー超級・オークラスに認定されたこのレースはUCI最高ランクのワールドチームが参戦し、普段は映像でしか見られない世界トップクラスの選手たちの走りをリアルに見ることができる最高の機会。そして併催されるようになったこのクリテリウムはまさにファンへのお披露目を伴う華やかなレース。宇都宮市街地中央の大通りで行われ、その華やかさを最大に演出する。

前夜に行われるチームプレゼンテーション

今季からのUCI規定変更に伴い参加人数が大幅に拡大、例年1チーム5名で70名ほどだったが1チーム6名へ変更され今年は126名。そしてファンたちが待ち望むワールドチーム5チームを含みとても大規模でハイレベルなレースとなる。先ずはその大人数でのクリテリウム。更にクリテリウムスペシャルチームが加わるため129名での出走となる。規模拡大は喜ばしいが大人数クリテリウムだけによりレベルは上がる。
そして必ず1日は雨。。。とジンクスになっていた天候は奇跡のような2日間とも晴れ予報。秋の夕暮れ近く、街路樹のようにぎっしりと大通りを囲む観客と歓声の中、パレードランを経て華やかにレースがスタートした。

コースは大通り1直線の折り返し。スタート/フィニッシュ側は上り基調、バック側は下り基調、下りついて折り返しUターンからゴールまでは上り基調600mと短く、立ち上がりの位置取りが全てとなるコース。
マトリックスはアイランを筆頭に上位を狙う。UCIポイントはつかないが20位までが賞金圏内、そして4周回ごと3回設定されているスプリント賞も見せ場。TV中継も入り最大のアピールの場であるこのレースでは各チーム様々にアピールも思考する。

スタートから目の覚めるようなハイペース、大人数の集団は引き伸ばされ長く長く棒状となり端から端へ繋がるかと思われるほどだが、トップクラスの集団は横への広がりがなくコンパクトに収まり大人数には見えない。散発的なアタックが入れ替わりかかる中、メインはトレック・セガフレードがしっかり固めてコントロール。マトリックスは縦長集団の中後方、前に上がるのも容易ではない。やがて1回目のスプリント賞への動き、3周目から飛び出したタデイ・ポガチャル(リュブリャナ・グスト・ザウラム)にビッグネーム、ロベルト・ヘーシンク(チーム・ロットNL・ユンボ)が反応、そこへ武山晃輔(チーム右京)が加わり大歓声の中スプリントポイントへ、獲ったのはポガチャル。集団は直ぐにトレックが隊列を整え落ち着きを見せる。

再びトレックがコントロールのまま2回目のスプリントへ、今度は日本人ライダーでの争いとなり新城雄大(キナンサイクリングチーム)と大久保陣(チームブリヂストンサイクリング)での競り、獲ったのは大久保。
すぐさまトレックのコントロールに戻る。集団の動きやストーリーそのものを支配するかのような緩急で、スプリントポイントに限って緩めた動きのようにも見える。それ以外は各チーム前方へ上がろうとする動きを見せるがなかなか許されない。マトリックスも佐野、向川、大貴がそれぞれ前へ上がろうとするが引き戻される。

やがて3回目のスプリントへ、ここまでも大きな逃げは許されず集団前方でのスプリント。獲ったのは孫崎大樹(チームブリヂストンサイクリング)、3回のチャンスのうちチームで2回を獲り大功績。スプリントポイントを終えると残り2周、ここからゴールへ向けて一気に動き出す。マトリックスはアイランとホセがこれまでずっと集団後方位置で様子を窺っていたが、少しずつ前方へ移動し始める。集団はトレックが再びコントロールで固めたが、ミッチェルトン・スコットや大分クリテリウムでも活躍したオーストラリアン・サイクリング・アカデミーが隊列を組んで重ねて上がってくる。集団前はこの3チームの隊列が入れ替わりながら激しい位置取り争い、その間にアイランとホセは更に前へ位置を上げラストラップへ。

先頭を固めているのはミッチェルトン・スコット、そしてオーストラリアン・サイクリングアカデミー。トレック・セガフレードは一旦後退したかのように見えながらのバックストレート。先頭はトップクラス達の隊列で固められ前方への隙を与えない、そして最後の折り返しUターン。ここを絶妙な捌きで頭をとったのはトレック・セガフレード。その隊列は見事に後方を押さえ直線を立ち上がる。その後ろは隊列崩れた個々の争いでカオス、アイランも危険回避で一旦位置を下げてしまうが立ち上がりゴールへの一斉スプリントへなんとか位置を上げていく。先頭では昨年完全勝利を収めたマルコ・カノラ(NIPPO・ヴィーニファンティーニ)とスプリンター揃いのチームからキャメロン・スコット(オーストラリアン・サイクリング・アカデミー)でのスプリントへ。その後方からかけてきたのは世界的スプリンター、ジョン・デゲンコルプ(トレック・セガフレード)。先行する二人を捲り車身差でのゴール、2位スコット、3位カノラ。国内ではJプロツアーチャンピオンの窪木一茂(チームブリヂストンサイクリング)の8位が最高位。マトリックスの最高位はアイランの21位、惜しくも賞金圏内へ届かず。

ゴール直後に狙ったかのような大粒の雨が降り出した。しかし翌日本戦は快晴の予報、雨とともに悔しさも流し翌日の本戦へ備える。


【結果】
1位 ジョン・デゲンコルプ(トレック・セガフレード) 0:42:38
2位 キャメロン・スコット(オーストラリアン・サイクリング・アカデミー)
3位 マルコ・カノラ(NIPPOヴィーニファンティーニ)
4位 ロバート・スタナード(ミッチェルトン・スコット)
5位 レイモンド・クレダー(チーム右京)
6位 ローガン・オーウェン(EFエデュケーションファースト・ドラパック)
7位 サムエル・ウェルスフォード(オーストラリアン・サイクリング・アカデミー)
8位 窪木一茂(チームブリヂストンサイクリング)
9位 鈴木龍(宇都宮ブリッツェン)
10位 アルベルト・ベッティオール(BMCレーシング)
11位 小野寺玲(宇都宮ブリッツェン)
12位 黒枝咲哉(シマノレーシング)
13位 マッティ・ブレシェル(EFエデュケーションファースト・ドラパック)
14位 マヌエーレ・モーリ(クリテリウム・スペシャルライダーズ)
15位 シャルル・プラネ(チームノボノルディスク)
16位 別府史之(トレック・セガフレード)
17位 サラウト・シリロンナチャイ(タイランド・コンチネンタル・サイクリングチーム)
18位 中島康晴(キナンサイクリングチーム)
19位 プーチョン・サイウドンシン(タイランド・コンチネンタル・サイクリングチーム)
20位 下島将輝(那須ブラーゼン)
21位 アイラン・フェルナンデス(マトリックスパワータグ)
40位 佐野淳哉(マトリックスパワータグ)
48位 ホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ)
66位 安原大貴(マトリックスパワータグ)
87位 向川尚樹(マトリックスパワータグ)


photo by Satoru Kato

おおいた アーバンクラシック

UCIアジアツアー クラス1-2

昨年までJプロツアーの舞台であった大分のレースは今年からUCIの国際レースへ、日本でのUCIレースが増えることは喜ばしいことである。距離は同じだがコースレイアウトが逆周りの新ルート。昨年1-2-3-4でフィニッシュしたマトリックスにとって想い深いレースだが、この変化はどのようにレースへ影響するか。そして昨年の覇者である土井が体調不良でチームとしてのコンディションに陰りが出る。

ⓒSatoru Kato


前日に続く爽やかな秋晴れで気温は更に高くなる予想、ここ最近雨に濡れることがないレースは殆どなかったが、久方ぶりの全く不安のない天候下での開催となった。

スタートからなかなか決まらないアタックが続く

ⓒSatoru Kato

。昨年までの周り方向に比べると若干全体の勾配が下がるか、アタックポイントはフィニシュライン手前の残り1km直線に集中する。

ⓒSatoru Kato

幾度もアタック⇔吸収を繰り返しながらの10周目、アタック熱い先行屋ダミアン・モニエ(愛三工業レーシングチーム)をきっかけにホセを含む10名の逃げができる。

ⓒMaki Yasui

ホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ )
トビー・オーチャード、ジョナサン・ノーブル(オーストラリアン・サイクリング・アカデミー・ライド・サンシャイン・コースト)
ロビー・ハッカー、小石祐馬(チーム右京)
ダミアン・モニエ(愛三工業レーシングチーム)
入部正太朗(シマノレーシング)
新城雄大(キナンサイクリングチーム)
鈴木龍(宇都宮ブリッツェン)
石上優大(日本ナショナルチーム

メインは沈静、先頭と1分30秒差を保ち周回を重ねる。この状態がしばらく続きメインを引くのは前に入っていないプリスベン・コンチネンタル・サイクリングチーム、マトリックスはこの後方で落ち着いている。

ⓒSatoru Kato

レース後半残り5周辺りからペースが上がらない先頭では業を煮やしてのアタックが散発し始める。

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ホセ、トビー、鈴木・・・いずれも吸収されるがペースは上がらずメインとの差は同じ。

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しかしこのコースのアップダウンは徐々に疲労していくため、互いに消耗度を窺いながらの状況から小石がドロップ。残り4周回、幾度もペースアップを促そうとするホセが再びアタック、反応した入部と抜け出す。

ⓒSatoru Kato

一報で静観していたメインも徐々に活性、キナンサイクリングチームもコントロールに加わりタイム差を縮め始める。先頭ではホセが単独先行となり後続と30秒差、

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メインからはアイランがアタックをかけ反応した木村圭祐(シマノレーシング)と抜ける。

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更に活性したメインはこれを吸収、そしてペースアップで集団は散り散りとなり人数が激減、先頭も活性しホセは吸収される。

残り3周、先頭からはダミアン、ノーブルがドロップし7名。

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ホセ吸収のカウンターで石上がアタック、単独逃げ始める。残り2周で石上はホセらに吸収、しかし迫るメインから抜けた20名ほどが先頭に合流し先頭グループ再編。

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するとその中から松田祥位(日本ナショナルチーム)がアタック、反応した雨澤毅明(宇都宮ブリッツェン)に続いて石上も再びアタックをかけて追いつく。抜けた3名は20秒差をつけてラストラップへ。残るメインにはホセと佐野を含む20名ほど、佐野が幾度もペースアップを図るが互いの疲労もあるのか一向にペースが上がらない。
先頭3名は勢いがあり、その差は徐々に開いていき30秒に。逃げ切りが濃厚となりメインは諦めムードも重なり益々ペースが上がらない。残り3kmで先頭から松田がアタックをかけ、同チームの石上とで雨澤への攻撃を仕掛ける。応戦する雨澤だが松田先行のまま残り1km、更にアタックする松田、そして残り500mで石上もアタック。雨澤を振り切り先行する松田に追いつき2名揃ってのワン・ツー、フィニッシュ。このコースはやはり消耗戦、戦略的に動こうとするチームが機を窺う間に動きに勢いのあるヤングライダーが覆した展開となった。

マトリックスはホセ19位が最高位、UCIポイント圏内には入れず来シーズンへの課題を残す結果となった。

ⓒMaki Yasui


続くUCI高ランクのジャパンカップへ引き締めて進みます。


【結果】
1位 石上優大(日本ナショナルチーム) 3時間48分49秒
2位 松田祥位(日本ナショナルチーム) +0秒
3位 雨澤毅明(宇都宮ブリッツェン) +11秒
4位 岡 篤志(宇都宮ブリッツェン) +30秒
5位 ベンジャミ・プラデス・レヴェルテル(チーム右京)
6位 横山航太(シマノレーシングチーム)
19位 ホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ)
30位 佐野淳哉(マトリックスパワータグ)
32位 安原大貴(マトリックスパワータグ)
34位 アイラン・フェルナンデス(マトリックスパワータグ)
DNF 土井雪広(マトリックスパワータグ)


photo by Satoru Kato、Maki Yasui

おおいた いこいの道クリテリウム

UCIアジアツアー クリテリウム

昨年までJプロツアーだった大分のレースが今年からUCIレースとなった。設定は1日目クリテリウム、2日目ロードレスで距離なども殆ど同じ。しかし異なるのは海外チームの参戦と1チーム5名の出走人数であること。計20チーム100名でのレースとなる。
昨年、高木フォトグラファーの急逝に悲嘆し、ロードレースでチーム快挙となる1-2-3-4をきめたこのレースへの想いは格別。昨年の覇者として今年も上位を狙っていきたい。

クリテリウムはお披露目を伴う大分駅前での開催で多くの観客で賑わい華やかなステージ。

ⓒSatoru Kato

20位までの賞金目指して臨んだマトリックスはアイランを軸に獲りにいく。

ⓒSatoru Kato

天候にも恵まれカラリと爽やかな青空の下、レースがスタートした。

ⓒSatoru Kato


昨年までは予選→決勝で人数を絞っていたが今年は100名一斉スタート。

ⓒSatoru Kato

国際レースとはいえ短い周長でのこの人数はカオス、危険回避のためにもチーム揃って前方に位置しようとするが思惑はどのチームも同じ。前方狙いの位置取りもスタートから激しいヒートの要素となる。

ⓒSatoru Kato

危険度にピリピリしながら重ねる周回は序盤からシマノレーシングが積極的にコントロールをしてペースを上げる。

ⓒSatoru Kato

チームPRのとおり地元選手のスプリンター黒枝咲哉で勝利するためチーム一丸での動き。併せて兄弟である黒枝士揮を擁する愛三工業レーシングも前を獲りに動くがシマノレーシングが先手。大集団での周回は常に一列棒状で後方に下がると前に上がるのは困難、後尾から少しずつ人数を減らしていく。

マトリックスは中央よりやや前方位置、ホセが幾度か先頭に上がろうと動きを見せる。

ⓒSatoru Kato

5周毎に設定されたスプリント賞になると平坦強いと定評があるオーストラリアン・サイクリング・アカデミーが出てきて積極的にスプリントを仕掛け、4回中3回のスプリント賞をトビーオーチャードが獲る。春先のツールドとちぎでその強さを見せつけたマイケル・ポッターを含む強豪チームは出てくる時の迫力は凄まじいものがあるが、スプリント周回を終えると集団内で静かになり不気味さを感じる。

ⓒSatoru Kato

スプリント賞の激しい動きの後も直ぐに建て直しコントロールに徹するシマノレーシング。最後のスプリント周回を終えて残り5周、徐々にチームカラー毎に隊列が揃い始めマトリックスも中前方で窺う。

ⓒSatoru Kato

残り3周辺りからオーストラリアン・サイクリング・アカデミーが一気に前に出てきてシマノの主導を奪う。シマノも決死で奪い返し先頭獲り合いながらのラストラップ。

ⓒMaki Yasui

アイランもいい位置で上がり最終コーナーから残りゴールへの直線。

ⓒSatoru Kato

ⓒSatoru Kato

サミュエル・ウェルスフォード(オーストラリアン・サイクリング・アカデミー・ライド・サンシャイン・コースト)、ダミアーノ・チーマ(NIPPOヴィーニファンティーニ・エウロパオヴィーニ)、黒枝士揮、黒枝咲哉が姿を現し激しいスプリント。その後ろにアイランと中島康晴(キナンサイクリングチーム)。獲ったのは黒枝咲哉、コントロールし続けたシマノレーシングのチームワークで故郷に錦を飾る。続くウェルスフォードとチーマはゴール直後の接触で落車、それを回避しながらのアイランは6位でゴールした。

ⓒMaki Yasui


後続ではホセが19位に入り、マトリックスはアイラン、ホセが賞金圏内に入り、アクシデントにも遭わず先ず先ずの1日目。翌日の本戦ロードレースに備える。


【結果】
1位 黒枝咲哉(シマノレーシング) 40分59秒
2位 サミュエル・ウェルスフォード(オーストラリアン・サイクリング・アカデミー・ライド・サンシャイン・コースト) +0秒
3位 ダミアーノ・チーマ(NIPPOヴィーニファンティーニ・エウロパオヴィーニ)
4位 中島康晴(キナンサイクリングチーム)
5位 黒枝士揮(愛三工業レーシングチーム)
6位 アイラン・フェルナンデス(マトリックスパワータグ)
19位 ホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ)
26位 安原大貴(マトリックスパワータグ)
51位 佐野淳哉(マトリックスパワータグ)
DNF 土井雪広(マトリックスパワータグ

photo by Satoru Kato、Maki Yasui

JBCF南魚沼ロードレース(経済産業大臣旗ロードチャンピオンシップ)

“フランシスコ・マンセボ優勝!ホセ・トリビオ2位でマトリックスがワン・ツー!!団体戦も優勝し2年連続勝利!!!”

Jプロツアー第22戦(レイティングAAAA)

出走選手:8名 ホセ・ビセンテ・トリビオ、アイラン・フェルナンデス、佐野淳哉、土井雪広、安原大貴、向川尚樹、田窪賢次、フランシスコ・マンセボ・ペレス

ついにJプロツアーは最終戦。ツアーを締め括る頂上決戦、経済産業大臣旗ロードチャンピオンシップにあたり唯一の団体戦でもある。マトリックスは昨年このレースを個人・団体とも勝利し、佐野淳哉がチャンピオンの証“ヴィオラジャージ”を纏い、団体優勝の証”輪翔旗”を掲げた2018年はここで締めて返還となる。苦戦を強いられた今シーズンだがこの輪翔旗は手放したくない。チームは再び持ち帰るべく固い結束でスタートラインに立つ。

前戦よりスポットで迎え入れたマンセボは来季の活動拠点候補を前提にテスト&トライアルでの来日参戦。UCI移籍期間は既に終了しているため日本で走る機会が得られない。オフに入ったタイミングが何とかJプロツアー終盤に間に合った・・・というところである。これは長いシーズン設定のJプロツアーだからこそ得た機会。群馬ロードレースの中止を残念がっていたが、今回がチャンピオンシップだと伝えると122kmという距離の短さにかなり驚き何度も聞き返す。一般的にはチャンピオンシップという響きから200km以上はある感覚だと言う。「122kmならば122kmの走り方がある」彼は言い切りスタートラインに立った。

またもや台風の到来に翻弄されながらも難を逃れて今大会は決行されることとなり、中止となった前戦で設定されていた「高木秀彰メモリアル」もこの大会へ持ち越されての開催となった。このコースは上部のテクニカルなダム周回に極端な勾配の上り1km山頂で締めくくりのゴールという、とてもストロングな設定。過去3回の実績も外国人が上位を占める結果からレースのハードさが窺える。過去2回の優勝を獲っているマトリックスには縁起よいレースでもある。

2014年エドゥ・プラデス  ⓒHideaki TAKAGI

2015年ベンジャミ・プラデス  ⓒHideaki TAKAGI

台風の影響からは逃れることはできず当日は朝から冷たい雨。気温も低く更に下がりつつある昼過ぎからレースはスタートした。マンセボがスタートから激しくアタックをして揺さぶりをかけ、早々からの人数絞りに動く。1周目この誘いに乗ったのは増田成幸(宇都宮ブリッツェン)、しばらく2名で先行するもさすがにこのメンバーは許さず次々と追走が出る、マトリックスもチェックの動きで2周目には11名の先行グループとなる。

ホセ・ビセンテ・トリビオ、アイラン・フェルナンデス、フランシスコ・マンセボ・ペレス(マトリックスパワータグ)
増田成幸、雨澤毅明、岡篤志、鈴木龍(宇都宮ブリッツェン)
入部正太朗、横山航太、中田拓也(シマノレーシング)
山本元喜(KINAN Cycling Team)

強いメンバーが揃い先行、人数ではやはりブリッツェンが上手となっている。この状態を良しとせず、マンセボの引きでスタートからのペースは更に引き上がりラップ18分。マンセボは執拗にアタックをかけて更に揺さぶり敵方の消耗を促す。
メインもこのままで容認できない危機感で追走の動きは後を絶たない。4周目には先行は7名となる。

ホセ・トリビオ、フランシスコ・マンセボ(マトリックスパワータグ)
雨澤毅明、岡篤志(宇都宮ブリッツェン)
湊 諒(シマノレーシング)
山本元喜(KINAN Cycling Team)
米谷隆志(LEOMO Bellmare Racing Team)

メインとは1分30秒で周回を重ねる。保たれたタイム差は一見沈静しているかのように思えるが、ラップタイム19分は緩くないペース。先行グループのペースはマンセボとホセが作りペースを緩めない。雨も激しさを増し、気温も下がり、力尽きた選手が徐々に脱落していく。先行グループはマトリックスペースのまま、ひとり、またひとりと後退しつつある者を見逃さず7周目辺りからホセとの連携で更に人数削りの動きを見せる。残り2周、執拗なマトリックス勢の揺さぶりにブリッツェンの2名がドロップするのを見計らい、山頂でマンセボとホセがアタック。山本と湊が粘り食らいつくも振り切り、2名でペースアップし逃げ始める。後続はやがてメインに吸収、宇都宮ブリッツェンを中心に先頭を追う。

しかし快調に先行するマンセボとホセはペース変わらず1分差でラストラップへ。この2名に追いつくのはかなり厳しいタイム差、しかし団体成績は上位3名のポイント、マトリックスも3人目の順位をかけてメイン内で様子を窺う。
ラストラップへ入る山頂でメインから抜けたのは増田成幸、入部正太朗、横山航太の3名。メインへ30秒差をつけて先行するが、残るメインも13名。マトリックスはアイラン、土井、大貴、向川が残っている。

マンセボとホセは後続を近づけることなく1分もの大差でワン・ツー、フィニッシュ!
1位マンセボ、2位ホセでの圧勝ゴールを決める。残る後続は先行した3名から入部、横山、増田の順でゴール。残るメインの頭は木村が獲り、シマノ勢の上位占めは脅かされる結果。マトリックス3人目はアイランが10位でゴールし、見事団体優勝!昨年に続き2年連続での輪翔旗を獲る。そして、ヴィオラジャージは佐野からマンセボへ・・・チームで繋いだ。

苦戦が続いていた今季Jプロツアー、最終戦を久方の気持ちよい勝利で締め括ることができた。ツアー結果は個人総合でアイランが2位、そしてチーム総合は最後にシマノレーシングを逆転し2位で確定しツアー終了となった。
残りシーズン僅か、これよりUCIのビッグレースが続く。よい結果を出せるよう、引き締めて次戦へ進みます。


【監督コメント~Jプロツアーを終えて~】
マンセボは偶然のタイミングでこのレースに参戦できただけ、契約を前提に話してるけど、なんぼ強かったと言っても今やオッサンがどんだけ走れるかわからんからテストするって言ったらこのタイミングで来た。まぁ向こうがオフになってからやとこのくらいの時季になるし。でもやっぱりホントに強かった。Jプロツアー走ってみて面白かった、エキサイティングやったと言うてたけど、実際契約する気かどうかはまだわからん。
けど、いなかったとしてもウチは執念で旗は獲りに行ってた。
今年は赤いやつらにボコボコにされてたけど、最後にボディーブローをかますことができた。来年はやり返してやる!
でも青いやつらは油断ならん。

【結果】
1位 フランシスコ・マンセボ・ペレス(マトリックスパワータグ ) 3時間14分20秒
2位 ホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ ) +0秒
3位 横山航太(シマノレーシング) +1分3秒
4位 入部正太朗(シマノレーシング) +1分7秒
5位 増田成幸(宇都宮ブリッツェン) +1分13秒
6位 木村圭佑(シマノレーシング) +1分40秒
10位 アイラン・フェルナンデス(マトリックスパワータグ)
11位 安原大貴(マトリックスパワータグ)
16位 土井雪広(マトリックスパワータグ)
24位 向川尚樹(マトリックスパワータグ)
DNF 佐野淳哉(マトリックスパワータグ)
DNF 田窪賢次(マトリックスパワータグ)

【団体成績】
1位 マトリックスパワータグ 720p
2位 シマノレーシング 520p
3位 宇都宮ブリッツェン 145p

【敢闘賞】
山本元喜(KINAN Cycling Team)

【ツアー個人総合】
1位 窪木一茂(チームブリヂストンサイクリング) 2654p
2位 アイラン・フェルナンデス(マトリックスパワータグ) 2164p
3位 岡 篤志(宇都宮ブリッツェン) 1902p


【ツアーチーム総合】
1位 宇都宮ブリッツェン 7315p
2位 マトリックスパワータグ 5095p
3位 シマノレーシング 5047p


photo by Satoru Kato