RACE REPORT

ツアー・オブ・イラン

日付:
2023年08月27日
開催地:
イラン タブリーズ周辺地域
距離:
全5stage 1000km
天候:
快晴
出走:
フランシスコ マンセボ ペレス, ホセ ビセンテ トリビオ, エドガー ノハレス ニエト, ゲオルギオス バグラス, 小林 海, 安原 大貴

◆Grand Prix Kandovan

“プロローグは登坂から 小林海が4位”

ステージレースの前に開催された1dayレース。レース詳細があまり明らかにされず情報は標高に関してのみで、とにかくひたすら上ることは理解でき、また参戦メンバー互いの力量を窺えるレースとなる。ヒルクライムレースのようにレースは徐々に絞られていく展開であったようだが、直登的なコースで早めに絞り込まれた様子。

「謎に距離が短いレースで、イメージは昨年までの富士山ステージの周回から全開で走ったイメージ。最後の15kmの麓で既に6人になっていた。」ーマリノのTwitterよりー

最後は先頭3名に絞られ、カザフアルマティチーム(ALT)のアントン・クズミン、トレンガヌのアナトリー・ブディアック、ROIタイチームのアリヤ・フウンサヴァスがトップ3。20秒ほどの差でマリノが4位ゴール。

80名ほどの出走だったがメンバー全員が30位内でゴールし先ず先ずのリザルト、チームは翌日からのステージレースへ燃えている。


◆ツアー・オブ・イラン:st1 Tabriz ► Urmia

“ゲオルギオス・バグラスが大集団スプリントで3位!”

ツアー・オブ・イラン初日はタブリースからウルミエまでの平坦基調158.3㎞。標高を徐々に下げていくイメージのようで、途中イラン最大の湖ウルミエ湖という塩湖上の橋(全長1709m)を渡る。世界的にも有名な観光スポットらしいが長い湖上は風の影響も大きいと思われる。レースは集団を崩すことなくラストは大集団でのゴールスプリントへ向けて進行していくが、マトリックスは前方での位置を上手くキープしながら最終勝負へ持ち込んだもよう。公式のphotoにも前方固めるマトリックスの様子がよく取り上げられている。そして激しい大集団でのゴールスプリント、ガチ勝負で制したのはカールステンセン・ルーカス(ROI)、ストラバース・ジャリ(UNI)に続いてのバグラス惜しい3位!

総合はそのままトップ3…のところ、途中2回のスプリントポイントでは最終着順争いとは全く別のメンバーでボーナスタイムを獲得していたイランのソフラビ・メディ(ICP)が上回り、バグラスは4位。しかし幸先良いスタートと全てが僅差、第2ステージも平坦基調、再び同様の勝負になる可能性が大きくたけしのステージか。熱いテンションで次へ進む。


◆ツアー・オブ・イラン:st2 TABRIZ ► ARAS FREE ZONETabri

“絶え間ないアタック続きからの集団スプリント、ゲオルギオス・バグラスが7位”

第1ステージに続き平坦基調ではあったが、スタートからアタックがかかり続け終盤まで集団が落ち着くことはなかったもよう。ハイスピードな上に止まないアタックに脱落者も出始め、ようやく集団がまとまったのは残り30㎞ほど。

「本当に厳しかった。先日の1デイレースに続き、辛過ぎて泣きそうだった。」ーマリノのTwitterよりー

それでもマトリックスはバグラスのスプリントへ持ち込むため一丸で前方での位置を取り耐え続けた。ラストはまた非常に激しい大集団スプリント、バグラスがガチ勝負するも先頭中央を抑えた数名からリーダージャージのカールステンセン ルーカス(ROI)が獲り2連勝、強い。バグラスは7位、しかし決死で前方位置取ったメンバーはそのまま前方でゴールしチーム順位は6位へジャンプアップ。

次のステージから山岳、いよいよ本格的な総合争いが始まる。


◆ツアー・オブ・イラン:st3 ARAS FREE ZONE ► SHABESTAR

“今日もバグラスの豪脚炸裂!バグラス・ゲオルギオスが2位!!”

上る上るコースマップであったが実際には前半/後半でタイプが異なった様子。「レース真ん中のKOMを過ぎるとセカンドグループが一気に出てきた」ーバグラス談ー

KOMを越えれば平坦ステージ、このステージも大集団での激しいゴールスプリントとなった。チームは上手くバグラスを乗せて本日もいざ勝負、しかしゴールを獲ったのはトレンガヌのサインバヤル・ジャンバルジャムツ、バグラス惜しい2位!今日は本当に悔しそう。

表彰台のてっぺん凸へはあと少し、てっぺん獲りに次のステージへ!!


◆ツアー・オブ・イラン:st4 TABRIZ ► ARDABIL

“4名逃げ切り総合変わる、バグラスが7位”

ツアー最長210.3㎞、総合への決め手はKOMかと思われたが集団は許さずアタック⇆吸収を繰り返しながらも終盤までひとつ。コースもマップでは読めない細かなアップダウンがゴールまで続き、常にアクティブできついレースであったもよう。残り10㎞地点では集団との情報だったが、2つ目のKOM争いをしていた山岳リーダーのサファルサデを含む4名がエスケープ。集団は追い切れず上手く逃げられ、ウクライナのブディアク(TGN)、カザフのマルヒン(VSN)、イランのサファルザデ(TYD)、カザフのクズミン(ALT)が20秒ほどの差をつけてゴールし、総合順位はこの4名をトップに入れ替わる。マトリックスは集団内でゴールし、バグラス7位、個人総合も7位につけている。

これまで毎ステージ集団ゴールであったため皆僅差、残る最終ステージで総合順位はどのようにでも入れ替わる。ポイント圏内20位以内を狙いいよいよ最終ステージへ進む。


◆ツアー・オブ・イラン:st5 SAREIN ► TABRIZ

“最終勝負を制したのはイランのサファルザデ、力強い逃げでパコがスプリントポイントを獲得!”

最終ステージはパコが大逃げを見せた。序盤から4名で逃げ続け2回のスプリントポイントを3位通過でボーナスタイム獲得、レース終盤まで力強い牽引を見せる。後続は集団で進行、最終勝負は最終ゴールへ向けての上りとなる。キツい上りに集団はバラバラになり個々の登坂勝負、登坂での力を見せていた山岳リーダー、地元イランのサファルザデ(TYD)が後ろを大きく引き離して優勝、決定的タイム差で総合優勝も決める。同様に前日に逃げたメンバーでのトップ3。その中でしっかり順位を上げていたマリノが15位、パコが16位でゴールし、総合順位もジャンプアップ!

結果、パコ15位、マリノ17位、バグラス18位と3名が20位以内に入りUCIポイント獲得。表彰台凸てっぺんに立てなかった悔しさはあるが、チーム連携よく戦えた。士気高く次のレースへ進みます。


DigestMovie(Official)全ステージUpされています。ぜひご覧ください。

http://www.tourofiran.ir/fa/video/1

photo by Official、IRNA、Airan