RACE REPORT

JBCF石川サイクルロードレース

Jプロツアー第13戦(レイティングAAAA)

自転車競技部の名門、学法石川高校からスタートする伝統的な公道レースで今年で17回目。これまで幾多のトップ選手が競技してきたレースで、アップダウンが続きながらもスピードが緩まないハードなコース。レイティングはAAAAと高設定、個々の実力差がしっかりと出る。そして海の日連休に辺りの開催が多く、夏本番の猛暑との戦いも伝統的である。全国的に熱中症警報などが出されている当日、石川町では午前中から30℃を超えレース中は35℃に達する猛暑日となった。

スタートから強豪トップチームでのアタック戦となり、早々からの互いの消耗を誘い合う。マトリックス、宇都宮ブリッツェン、シマノレーシング、KINAN Cycling Team、チームブリヂストンサイクリング、那須ブラーゼン。マトリックスはホセが積極的にアタックをかけ、2周目に入る頃にはホセと向川を含む8名の逃げができる。

ⓒSatoru Kato

ホセ・ビセンテ・トリビオ、向川尚樹(マトリックスパワータグ)
木村圭佑、中田拓也(シマノレーシング)
雨乞竜己、山本大喜(KINAN Cycling Team)
堀孝明(チームブリヂストンサイクリング)
柴田雅之(那須ブラーゼン)

ⓒSatoru Kato

メンバーに各強豪チームが入っていることからメインは容認するが、宇都宮ブリッツェンが入っていない。メインはブリッツェンがコントロールすることとなり前面を固める。通常であればもう少しタイム差をつけて前後ともに緩むところだが、ホセが入っている警戒を含むのか1分程度で睨みを利かせながら緩みきらないコントロールを続ける。これは強豪宇都宮ブリッツェン自らの消耗を促すことにもなり、マトリックスにとっては有利な先攻でレースが進行することになる。

ⓒShizu Furusaka

ⓒShizu Furusaka

しかし酷暑とハードなコース周回に徐々に脱落者が出始め、メインは少しずつ人数が減っていく状況だが宇都宮ブリッツェンがコントロールを継続し続ける。順調に先行するメンバーにも疲労の色が見え始め、少しずつドロップしていき残り2周回にはホセを含む4名に。ホセ、木村、堀、柴田の4名になり、それまで温存させながら回していたホセも脚の消費頻度が増えることになっていく。

ⓒShizu Furusaka

やがて残り2周回、ここまで粘りコントロールし続けた宇都宮ブリッツェンは機を逃さずメインを引き上げ、ホセらを吸収しながらラストラップへ。

ⓒShizu Furusaka

激しいアタック戦が始まる中、そのまま前を固め続けていた宇都宮ブリッツェンから次々に抜け出し、雨澤毅明、続いて鈴木龍。ここに対応できたのはシマノレーシングのみで、横山航太、入部正太朗が追走、そこへ宇都宮ブリッツェンから岡篤志がつき、前は5名が抜けた。まさに形勢転じた瞬間、マトリックスはこの動きを逃し完全に置いていかれ不利な立場へ転じてしまう。

ペースが上がったメインも崩壊し、残るのは15名ほど。ここには地元でもあるリーダーの窪木一茂(チームブリヂストンサイクリング)も入っており、マトリックスは佐野、土井が残る。このメンバーで懸命に追うが届かず、先頭は1分先行で雨澤、鈴木、入部の3名でのゴールスプリントへ。圧倒的有利となった宇都宮ブリッツェンから鈴木龍が勝利、続いて粘りきった入部、そして雨澤。そしてまだ続く宇都宮ブリッツェンから岡・・・
メインはリーダー窪木を含む7名に絞られマトリックスは佐野のみが残りゴールへ、佐野は8位でゴールしチーム最高位。

ⓒShizu Furusaka

チームは勝負に全く絡めず惨敗を喫することになった。

「敗因などなく単にウチが弱く、宇都宮ブリッツェンやシマノレーシングが強かった、ただそれだけだ」と監督のコメントは厳しい。不利かと思われる形勢を見事有利へ変換した宇都宮ブリッツェンは素晴らしい戦いぶりだったと語る。先攻有利から不利へ転じ苦杯をなめる今回の結果、整え引き締め直します。

【結果】
1位 鈴木 龍(宇都宮ブリッツェン) 2時間42分34秒
2位 入部正太朗(シマノレーシング) +0秒
3位 雨澤毅明(宇都宮ブリッツェン) +6秒
4位 岡 篤志(宇都宮ブリッツェン) +28秒
5位 才田直人(LEOMO Bellmare Racing Team) +59秒
6位 窪木一茂(チームブリヂストンサイクリング) +1分1秒
8位 佐野淳哉(マトリックスパワータグ
39位 アイラン・フェルナンデス(マトリックスパワータグ)
40位 ホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ)
60位 土井雪広(マトリックスパワータグ)
DNF 安原大貴(マトリックスパワータグ)
DNF 向川尚樹(マトリックスパワータグ)
DNF 田窪賢次(マトリックスパワータグ)

【個人総合】
1位 窪木 一茂 2021p
2位 アイラン・フェルナンデス 1610p
3位 岡 篤志 1601p

photo by Satoru Kato、Shizu Furusaka

JBCF広島クリテリウム

Jプロツアー第12戦(レイティングAc)

これまで中央森林公園での連戦で開催されていた広島大会は新たに出走5名に絞ってのクリテリウム。街中での華やかな会場内でのレースとなる。初回にも関わらず多くの人々が観戦に集まり賑わいを見せている。

レースは非常に短いコースであるが、那須クリテリウムと同様のTの字、そして更にショートであり周回数が多い。これも那須と同様“100回はもがく”に相当する。更に前日から天候が一変し気温が極端に上昇、30℃を超え非常に蒸し暑く、じっとしていても汗が流れるような灼熱日の真昼時間にレースがスタートした。

心配されていた佐野の体調も落ち着き、マトリックスはアイラン体制へ繋ぐため集団前方に位置する。ハイペースながらも強豪チームが前方を固め落ち着いた様子で周回を重ねる。散発的なアタックがかかるも影響の有無を冷静に確認する様子、大きく乱れることなる淡々と吸収する。しかしペースは緩まず一列棒状、後尾から人数を減らしていく。

大きな動きが決まらないままペースも緩まない。前方に位置しながら各チーム様子見的にアタックをかけている。マトリックスは大貴、佐野、ホセが幾度も前に出る。はっきりと決まらないままレースは折り返し17周目、ここで出た3名の逃げ、タイミングとメンバーに対し集団は容認。やっと3名の逃げが形成され集団は沈静した。

雨澤毅明(宇都宮ブリッツェン)
山本大喜(KINAN Cycling Team)
谷 順成(VICTOIRE広島)

集団は10秒前後の差を保ちながら各チームが代わる代わるコントロール、終盤に備え前方は譲らずそれぞれ構えて位置している。マトリックス、シマノレーシング、チームブリヂストンサイクリング。21周目になると先頭から谷がドロップし2名。残り5周、今度は雨澤が先頭での協調を止めて集団に戻ると、集団では宇都宮ブリッツェンが前に上がってくる。

尚も単独で逃げ続ける山本だったが、残り2周で同チームの兄、山本元喜がアタックをかけて一気に吸収。集団はひとつ、ここをマトリックスが先頭を獲り、破壊神の佐野が鬼引きを始める。
佐野、土井、アイランとのトレインに鈴木 譲(宇都宮ブリッツェン)が入るもこのまま最終コーナーへ繋げれば勝機。しかし少し早かったか、最終コーナーからの流れを作るチームは立たず、位置取りしていたスプリンター達の直線ゴールスプリントへ。アイランは立ち上がりストレートでの位置がとれず苦しい位置、横広がりのスプリントをひときわ中央を伸びてきたのはまたしてもルビーレッドの窪木、周囲をしっかり押さえつけての堂々ゴール。アイランは9位に沈んでしまった。

2日間、リーダー窪木の強さを見せつけられる結果となった。マトリックスは表彰台に立つことができず今回は悔しい惨敗、整えて次戦の石川での挽回を図る。

【結果】
1位 窪木一茂(チームブリヂストンサイクリング ) 1時間22分26秒
2位 中島康晴(KINAN Cycling Team) +0秒
3位 黒枝咲哉(シマノレーシング)
4位 大久保陣(チームブリヂストンサイクリング)
5位 横山航太(シマノレーシング)
6位 織田 聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)
9位 アイラン・フェルナンデス(マトリックスパワータグ)
19位 ホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ)
26位 佐野淳哉(マトリックスパワータグ)
30位 土井雪広(マトリックスパワータグ)
36位 安原大貴(マトリックスパワータグ)

【個人総合】
1位 窪木 一茂 1906p
2位 アイラン・フェルナンデス 1580p
3位 岡 篤志 1421p

photo by Satoru Kato

JBCF西日本ロードクラシック広島

Jプロツアー第11戦(レイティングAAAA)

伝統的なレース、コースも競技者であれば誰もが馴染みある広島、そしてレースのきつさも定番。今年は9周回という過去にない距離の設定、通常は昨年の12周、きついレースとなるだけにこの微妙な周回数変化の影響は考えられる。
この大会は最高設定のAAAA、翌日のクリテリウムはポイントが低い。マトリックスは僅差の3位までつけたアイランを何とかここでリーダーの位置に届かせたい。

当日は80%以上の雨予報だがスタート前には小康状態となり、回復の希望を持たせながらもスタートの号砲とともに音を立てて雨が降り出した。スタートから1~2周はふるいかけのハイペースがいつものパターン。雨が激しくなり前も見づらいほどの状況の中をラップ17分で1周を終えると集団は既に幾つかに分断されている。

ⓒSatoru Kato

先頭38名のグループにはホセ、アイラン、佐野、土井がしっかり入るが、宇都宮ブリツェンは全員が入り強豪チームもしっかりと人数を入れている。早い段階からジャージの色が揃ってくることが予想される中、後ろから向川、大貴、田窪も追いつきマトリックスも全員が先頭位置。

ⓒShizu Furusaka

この時点で乗れないメンバーはこの後置いていかれることとなる。

2周目に入るとシマノレーシングの入部正太朗がアタックし、同じくシマノの湊 諒、そして宇都宮ブリッツェンから雨澤毅明、マトリックスからは佐野淳哉が入り4名で先行を始める。

ⓒSatoru Kato

メインは50名ほどでコントロールが入り沈静、4名を先行させたまま3周目へ。このまま落ち着く状況の中、なんと佐野が体調不良で離脱。マトリックスはメインをコントロールする側になり、先頭とは1分以上の差に開いてくる。

ⓒSatoru Kato

やがて4周目に入りメインはマトリックスと那須ブラーゼン。先頭との差を1分20秒以内に抑えコントロールを続け、この状況を終盤まで重ねていく。

雨はより一層激しくなり、ペースを一定しつつも消耗していく。メインは後尾から少しずつ減っていき、7周目には40名をきってくる。

ⓒSatoru Kato

8周目残り2周、終盤へ向けて前後一斉に動き始めた。
先頭では雨澤に対し2名と優勢のシマノの波状攻撃が始まる。雨澤も応戦、その激しい動きでメインの差はまた1分ほどに開きながらメインも8周目へ。

ⓒSatoru Kato

コントロールし続けるマトリックスも疲れが出始め、残るのはホセ、アイラン、土井、大貴。チームブリヂズトンサイクリング、KINAN Cycling Teamもコントロールに加わるも終盤へ向けての備え、宇都宮ブリッツェン、シマノレーシングも前方に固まってくる。

ⓒShizu Furusaka

徐々に先頭に迫るメイン、先頭3名もペースが上がっていくが湊が落車で離脱。ここで先頭の形成は崩れ入部と雨澤の2名でラストラップへ。メインも30秒ほどまで差を詰めてラストラップへ入るが既にその人数は19名。マトリックスは土井を中心に隊列を組んで備えている。残り3km地点辺りでメインは先頭2名を吸収、カウンターを狙って激しいアタック戦が始まる。

ⓒShizu Furusaka

上り区間でアタックした中西健児(KINAN Cycling Team)に同じくKINANの山本元喜、リーダーの窪木一茂(チームブリヂストンサイクリング)が反応し先行、そこへ木村圭祐(シマノレーシング)が合流、最後のホームストレートで追いついた小野寺 玲(宇都宮ブリッツェン)、そしてアイラン・フェルナンデス(マトリックスパワータグ)。
6名でのゴールスプリントを先駆けていた窪木一茂がその横線を全く許すことなくゴール。一列となって、木村、小野寺、アイラン。アイランは4位となり残念ながら表彰台を逃した。

この結果、アイランはランキング2位へ上昇。高ポイントを得たリーダーの窪木が2位以下を突き放すこととなる。そのスプリントの強さから翌日のクリテリウムもかなり手強い存在となるであろう。チーム力で勝ちを狙う。

【結果】
1位 窪木一茂(チームブリヂストンサイクリング) 2時間46分39秒
2位 横山航太(シマノレーシング) +0秒
3位 小野寺玲(宇都宮ブリッツェン)
4位 アイラン・フェルナンデス(マトリックスパワータグ)
5位 中西健児(KINAN Cycling Team)
6位 山本元喜(KINAN Cycling Team) +4秒
7位 ホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ)
28位 土井雪広(マトリックスパワータグ)
34位 安原大貴(マトリックスパワータグ)
38位 田窪賢次(マトリックスパワータグ)
39位 向川尚樹(マトリックスパワータグ)
DNF 佐野淳哉(マトリックスパワータグ)

【個人総合】
1位 窪木 一茂 1716p
2位 アイラン・フェルナンデス 1500p
3位 岡 篤志 1379p

photo by Satoru Kato、Shizu Furusaka