RACE REPORT

かすみがうらタイムトライアル

日付:
2021年10月16日
開催地:
茨城県かすみがうら市 坂・田伏 特設コース(4.0㎞周回コース) 茨城県かすみがうら市坂4784
距離:
8.0km(4.0km×2周回)
天候:
曇り 22℃
出走:
ホセ ビセンテ トリビオ, 安原 大貴, レオネル アレクサンダー キンテロ

Jプロツアー第18戦
レースレイティング:ブロンズ

“己と戦うタイムトライアル、ホセ5位で堅固のリーダーキープ”

コロナ不安の中でもツアーカレンダー終盤までこなしてきた今季、ここまでツアーを開催し続けていただいたことに先ず感謝。しかし、なかなかゴールの見えないままで総合争いは僅差もつれ込み、チームそしてリーダーのホセのプレッシャーは計り知れない。ここ数戦はなんとか早期決定打を決めたいと思い戦ってきたが、追う敵方も凄まじい勢いで追い込んでくる。今回のレースを前に、ようやくJプロツアーは10月いっぱいでのシーズン確定を発表。この新規大会の霞ヶ浦が最終決戦地に決定した。

ゴールが見え少し見通し立てて戦い整える反面、最後まで逆転の可能性を抱えることになった最終戦。
総合2位の岡本隼(愛三工業レーシングチーム)はリーダーのホセに260p差まで迫っている。
総合上位は以下のとおり↓

【個人総合】
1位 ホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ) 2995p
2位 岡本 隼(愛三工業レーシングチーム)    2735p
3位 今村駿介(TEAM BRDGSTONE Cyclimg) 2445p

【チーム総合】
1位 マトリックスパワータグ       8560p
2位 TEAM BRDGSTONE Cyclimg 7311p
3位 愛三工業レーシングチーム    6397p

今回は新規開催、霞ヶ浦の美しい湖岸沿いを含むコースでの2連戦は、ホセ自身が戦わねばならぬ個人タイムトライアル(TT)と、チーム皆で戦うロードレースの2連戦。そしてポイント格付けはTTがブロンズ、ロードレースがシルバー。着順で最終順位はまだまだ入れ替わる可能性があり、どのチームも総力挙げて狙ってくると思われる。
ポイント表は以下のとおり

先ずは1日目、ホセ自身が戦うタイムトライアル、TTの強さでは定評あるホセだが岡本もTTの速さで定評がある。究極のプレッシャーの中で迎えた個人タイムトライアル、チームはホセを信頼し静かに見守る。

当日はどんよりとした曇り、美しい湖岸沿いではあるが霞ヶ浦は面積220㎢もの巨大湖。海沿いと変わらぬ風景に変わらぬ勢いの風が吹くが午前はまだ穏やか。午後のスタート時間へ向けて風向きが変わり始め風は強くなっていく予報となっている。
全7ヒートでのスタート時間は前半/後半で2時間もの差があり、ホセらランキング上位者は最終7ヒート。スタート時の環境差が大きく影響すると思われる。

午前エリートクラスで1周4.0㎞をラップ5~6分以内、最終10分30秒前後が好タイムの目安と見る。午後にいよいよJプロツアーがスタートすると、いきなり第1ヒート1番スタートの川崎三織(EQADS)が10分7秒の高タイム。そして5番スタートしたオープン参加の石原悠希(セレクションチーム、チーム右京)が9分56秒を出し、目安タイムは大きく上がっていく。石原の抜きんでたタイムにはなかなか後続及ばず、しばらくホットシートに座り続けることになる。

こうなるとラップタイムのボーダーは5分をきることが目標となってくる。マトリックスは今季初参戦となるレオが第2ヒートでスタート、まだまだ及ばずで終えたが徐々に感覚は戻りつつあるようだ。そして第3ヒート、有力視されている松田祥位(EQADS)が期待以上のトップタイムを叩き出した。9分50秒、大きく更新されたトップタイムに後続は次々と挑むが10分のボーダーもなかなか切れない。風も出始めた第4ヒートでは兒島直樹(TEAM BRIDGESTONE Cycling)が9分54秒と高タイムも出すも、松田のタイムには及ばない。

第5ヒート、香山飛龍(弱虫ペダルサイクリングチーム)が9分51秒を出したが惜しい、僅か届かず。風は更に強くなり湖岸のストレートは完全に向かい風になった。この後、タイム10分を切る者は出て来ず、風との戦いの中でタイムを出すことになる。大貴もシーズン総括を懸けて挑むがこの向かい風にかなり苦しんだ。

いよいよ最終ヒート、未出走もあり、入部正太朗(弱虫ペダルサイクリングチーム)、岡本 隼(愛三工業レーシングチーム)、ホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ)の3名で戦う。風は更に強くなり、トップタイム更新は先ず難しいが、総合ランキングを懸けての争いになる。

1周目、入部が5分12秒、岡本5分14秒、やはりこの面々のタイムが落ちるのは風がかなり強くなっていると思われる。続いてホセがやってきたが向かい風ストレートをスムーズに走行、タイムは5分2秒でかなり好いペース。明らかに強い風の中での2周目、入部はかなりタイムを上げてきたが、岡本は上がらず。ホセも風の影響を受けてペース保てるか…と思いきやホセなんとペースを上げてきた。ラップ4分57秒、10分00秒という凄いタイムでゴール!


ホセは5位ゴールしポイント獲得、自らの脚で岡本へのアドバンテージを広げた。強風を跳ね返す勢いの強靭な肉体と究極のプレッシャーを跳ね返す強靭な精神に感服である。そして翌日の最終戦はひとりではない、チーム共に総力挙げて最後まで戦う!

Photo by Satoru Kato,Shizu Furusaka,Itaru Mitsui

【結果】
1位 松田祥位(EQADS)  9分50秒
2位 香山飛龍(弱虫ペダルサイクリングチーム) 9分51秒
3位 兒島直樹(TEAM BRIDGESTONE Cycling) 9分54秒
4位 石原悠希(セレクションチーム※オープン) 9分56秒
5位 山本哲央(TEAM BRIDGESTONE Cycling)
6位 ホセ ビセンテ トリビオ(マトリックスパワータグ)10分00秒
28位 レオネル キンテロ(マトリックスパワータグ)
32位 安原大貴(マトリックスパワータグ)

【個人総合】
1位 ホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ) 3145p
2位 岡本 隼(愛三工業レーシングチーム)    2755p
3位 今村駿介(TEAM BRDGSTONE Cyclimg) 2445p

【チーム総合】 ※TTポイントは個人のみ、変更なし
1位 マトリックスパワータグ       8560p
2位 TEAM BRDGSTONE Cyclimg 7311p
3位 愛三工業レーシングチーム    6397p