RACE REPORT

おおいたアーバンクラシック

日付:
2021年10月10日
開催地:
大分県大分市松岡5717 大分スポーツ公園周辺 11.6km/1周コース 
距離:
150.8km(11.6km×13周回)
天候:
快晴 32℃
出走:
ホセ ビセンテ トリビオ, 小林 海, 小森 亮平, 安原 大貴, 吉田 隼人

UCIアジアツアー 1.2

“フランシスコ・マンセボ(パコ)が優勝!!剛強見せた独走勝利!!”

いよいよ本戦、昨日逃した勝利を何としても獲りたい、そして希少なったUCIレースはでのUCIポイントを獲ることも目的。チームは好い流れできている、前晩のミーティングで改めてしっかりと意思を固め合う。
このコースはアップダウンを繰り返す周回、距離よりも周回数が脚にくるため時間経過とともに集団はどんどん小さくなり人数が減っていくパターンが多い。そのまま残ることすらきついサバイバルレースとなるであろう。

当日も朝から気温が高くかなり暑い。隼人を含む前日の上位者が前列に並びおよそ4時間のレースがスタートした。スタートからかなりのハイペースでラップタイムは12分6秒、散発的なアタックが続いて集団は縦長状態。よくあるスタートから序盤のこの状態が、予想外に続いていくことになる。

先頭の逃げ打ちは1名程度、集団は大きな反応は見せずともじわじわとペースを上げてその動きを飲み込んでいく。

そして別の動きが続き・・・といった状況。この“脚にくる”と言われるコースだけに早く逃げが決まって欲しいところだが決まらないまま、そしてペースが落ちないまま、ラップタイム16分前後でレースは中盤まで進行する。

意図的なのか偶然なのか、この状況はチームにとって悪くない。集団は自然に人数が減っていきメンバーも安定することで落車などのリスクも減ってくる。

しかしパコは業を煮やしているのか定期的に揺らしをかける。が、反応してくるのは一部、キナンサイクリングチームのトマ・ルバなど。全体に緩んできた6周目にはペースも落ち、ラップタイムは17分10秒を超え1分以上落ちた。

7周目へ入るところで2名が飛び出し、マトリックスも小森、大貴が反応していく。

この動きで各強豪チームも反応しペースアップ、集団が割れ始め人数がごっそりと減っていく。マトリックスはパコ、ホセ、大貴、小森、マリノが前方で隊列している。抜けた人数は50名ほど、そしてパコが先頭に立ち牽き始める。

パコが先頭を牽くことで更にペースは上がった、上り区間などで揺らしをかけて人数を減らしにかかっている。
そして、パコを筆頭にとうとう7名が抜けた。

フランシスコ・マンセボ(マトリックスパワータグ)
山本大喜(キナンサイクリングチーム)
小野寺 玲(宇都宮ブリッツェン)
小石祐馬(チーム右京相模原)
岡本 隼(愛三工業レーシングチーム)
西尾勇人(那須ブラーゼン)
風間翔眞(シマノレーシング)

国内上位チームが揃った、あとはチームの思惑次第だが先ずは協調して回していく。マトリックスはパコに託し後続を抑える、各チームも同調し一気にペースダウン。ようやく訪れた集団の落ち着きだが、既に人数は41名となっていた。後続は前に入れていないシエルブルー鹿屋を中心にシマノレーシングも牽いているが、パコの誘導するペースは早くタイム差はどんどん開いていく。

10周目には先頭からのタイム差は3分40秒、残り3周ほどで詰めるには難しいタイム差、勝負はほぼ逃げ8名に絞られてくる。そして補給地点の登りをパコはアタックしながら11周目へ。更に絞りをかけていく。


パコに即反応したのは小石、パコに追いつき先頭2名。そして、山本、小野寺、がそれぞれ単独で追っている状況。この動きで西尾、風間、そして岡本が脱落。パコは快調に先頭を行く。

パコ、小石←山本、小野寺←…互いが見えている範囲ではこの4名での展開。やがて、山本が単独へ前を追いパコたちにジョイン、先頭は3名で残り2周へ。先頭はほぼパコ固定、我が道を行く・・・といったところ。その後ろに前日のスプリンター達、小野寺、岡本がそれぞれ単独で追い続けている。パコらのラップタイムは17分30秒、メイン集団とは4分40秒もの差、勝負はパコら先頭の3名に絞られた。

3名は協調しながらついにコース最後の登り区間へ、先頭を行くパコは落ち着いて後ろを確認しながら3名でいよいよラストラップへ入った。まだ大きな動きは見せず落ち着いて3名で繰り替えずアップダウンを消化していく。残り8㎞地点の登りでパコがアタックをしかけ一気に2名を離した。2名も必死で追うが離されていく、やがて山本、小石の順にバラバラとなり、山本は猛追をかけている。しかしパコは更にペースアップ、どんどん後続から姿が離れていく。

残り6㎞、もうパコは後ろを振り返らない。ひたすら前を見続けペースを上げていく。そして後続へ53秒もの大差をつけてゴールに戻ってきた。両手を大きくチームアピールを入れて力強いガッツポース!まさに見せつけたレジェンドの走りだった。

後続は山本、小石がそれぞれ単独でゴールしトップ3。その後ろは集団でマリノが7位、小森が10位でUCIポイント獲得、パコは久しぶりのUCIレース勝利にかなり嬉しそう、そしてチームにとっても嬉しい快勝だった。

そして重要なレースが続く、殆どラストになるであろうJプロツアー、そして頂点となる全日本選手権。
この最高の好い流れを最高の結果に繋げるよう、総力挙げて戦います。

Photo by Satoru Kato,Itaru Mitsui

【結果】
1位 フランシスコ・マンセボ(マトリックスパワータグ) 3時間30分48秒
2位 山本大喜(キナンサイクリングチーム) +00’53”
3位 小石祐馬(チーム右京相模原) +02’03
4位 孫崎大樹(スパークル大分) +05’01”
5位 阿曽圭佑(ヴィクトワール広島)
6位 伊藤雅和(愛三工業レーシングチーム)
7位 小林 海(マトリックスパワータグ)
8位 トマ・ルバ(キナンサイクリングチーム)
9位 谷 順成(那須ブラーゼン)
10位 小森亮平(マトリックスパワータグ)
11位 安原大貴(マトリックスパワータグ)
18位 ホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ)
DNF 吉田隼人(マトリックスパワータグ)