RACE REPORT

おおいた いこいの道クリテリウム

日付:
2021年10月09日
開催地:
大分県大分市金池南1丁目5番1号 大分いこいの道周辺 1.0km/1周コース
距離:
40km(1.0km×40周回) スプリント賞×3回(10、20、30周回)
天候:
快晴 30℃
出走:
ホセ ビセンテ トリビオ, 小林 海, 小森 亮平, 安原 大貴, 吉田 隼人

UCIアジアツアー クリテリウム

“大迫力のスプリント勝負、吉田隼人が2位!安原大貴がスプリント賞”

今季2度目のUCIレースは大分、1日目にクリテリウム、2日は本戦ロードレースの2連戦。海外チームの参戦はないがTOJと同じく国内コンチネンタルチームが揃い、Jプロツアーとは異なる舞台にテンションは上がる。


大分駅前の賑やかな街中クリテリウムはやはり華がある。マトリックスはもちろんチームの“華”となる隼人で勝負、決して容易ではないが、この危険度高いコースとレース主動のポリシーからコントロールに徹する戦法を選択した。

当日雲一つない快晴、10月とは思えぬ夏日となり気温は朝から高い。今年は併催イベントなど会場の賑やかさは無いが駅前の華やかさは十分に漂い、そしていつもと異なるウェアの彩も鮮やかで選手たちの表情も明るい。穏やかな雰囲気の中でスタート号砲が鳴ると、同時に一変する選手たちの表情、ピリピリと張り詰める緊張感のクリテリウムが始まった。

4周目辺りからマトリックスが前方に揃い始め5周目にはトレイン形成、大分の街中をグリーン列車が駆け抜ける。強豪チームも徐々に隊列をとり始め、カラーが揃った棒状の一団はより一層美しく人々の目を惹きつける。

その中で10周回ごとに設けられたスプリント賞を争い、1回目は地元スパークル大分の孫崎大樹が獲る。マトリックストレインは先頭を固めたまま淡々とハイペースで周回を重ねていき、2回目のスプリント賞は安原大貴が獲る。尚も変わらず淡々とハイペースで牽くマトリックストレインだが、この戦法が吉と出た。

2回目のスプリント賞を経て21周目、集団の中後方辺りで落車が発生、縦長の集団は完全に分断される。前に抜けたのは19名、トレインで固めていたマトリックスは全員が残り尚もトレインを組み続けている。残された集団は30秒ほど離れてしまい、この短いコースで追いつくことは難しい。まだレースは中盤、レースは前方メンバーに絞られる。

フランシスコ・マンセボ、ホセ・トリビオ、吉田隼人、安原大貴、小森亮平、小林 海(マトリックスパワータグ)
増田成幸、小野寺 玲、堀 孝明、西村大輝、中村魁斗(宇都宮ブリッツェン)
中島康晴、畑中勇介(キナンサイクリングチーム)
岡本 隼(愛三工業レーシングチーム)
小石祐馬、石原悠希、宇賀隆貴(チーム右京相模原)
阿曽圭佑(ヴィクトワール広島)
本多晴飛(VC福岡)

マトリックス同様に強豪チーム、そしてスプリント勝負を背負うライダーはしっかりと前に残っている。人数をしっかりと残しているのはマトリックスパワータグと宇都宮ブリッツェン、この流れでいくとこの2チームのトレイン戦は免れない。トレインキープにかかっている。残り15周をきってくると、宇都宮ブリッツェンが前に出てトレインを崩そうとしてくる。マトリックス粘りながらその中での30周目、3回目のスプリント賞も大貴が獲った。

残り10周、先頭の位置獲り争いが激しくなってくる。割ってくるのは頭数が互角の宇都宮ブリッツェン、マトリックスも粘るが徐々に合間に入ってくる。後続はシマノレーシングが牽き続けているがもう追いつかない。
残り2周、先頭はマトリックスが抑えているが合間にブリッツェンも入り、そしてキナンも上がってきた。カラー入り交じりながらラストラップへ。激しい先頭争いでカラーは緑、赤、白で入れ替わる。マトリックスはパコが先頭を獲り最終コーナーへ入るがチーム分断されてしまい隼人もパコから離れ周囲に包まれてしまう。

立ち上がり直線300m、パコを抑え出てきたのは宇都宮ブリッツェン。そしてキナンとしっかり連携組んできた中からそれぞれのスプリンターが発射。宇都宮ブリッツェンの小野寺 玲、キナンサイクリングチームの中島康晴。しかし隼人も自力で出てきた、マトリックスパワータグの吉田隼人、そして孤軍奮闘で残っていた愛三工業レーシングチームの岡本 隼。
役者揃った大迫力のスプリント、絶好の位置から駆け伸びてきたのは小野寺、並ぶ中島、その後ろから上手く上がってきたのは隼人。好位置の小野寺へは届かずだったが、直前の中島をかわし隼人は2着にねじ込んできた。
優勝は小野寺、そして隼人、中島、岡本

悔しいがチームとしてコントロールしきった達成感はあり、翌日の本戦こそポディウムの頂上を狙う。チームの結束力は固い。

Photo by Satoru Kato.Itaru Mitsui

【結果】
1位 小野寺 玲(宇都宮ブリッツェン) 54分51秒
2位 吉田隼人(マトリックスパワータグ) +00’00”
3位 中島康晴(キナンサイクリングチーム)
4位 岡本 隼(愛三工業レーシングチーム)
5位 本多晴飛(VC福岡)
6位 安原大貴(マトリックスパワータグ)
12位 フランシスコ・マンセボ(マトリックスパワータグ)
13位 ホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ)
20位 小林 海(マトリックスパワータグ)
DNF 小森亮平(マトリックスパワータグ)