RACE REPORT

ツアー・オブ・ジャパン(東京ステージ)

日付:
2024年06月15日
開催地:
大井埠頭周回コース
距離:
112.0km 獲得標高:50m SP×3回(周回コース4,8,12周目)
天候:
晴天 気温30℃
出走:
ホセ ビセンテ トリビオ, フランシスコ マンセボ, 吉田 隼人, 安原 大貴, 小林 海

UCIアジアツアー CLASS2.2
2021年5月28日(金)~5月30日(日)
3ステージ(富士山・相模原・東京) 総距離299.3KM
出走選手:5名 フランシスコ・マンセボ(パコ)、ホセ・トリビオ、吉田隼人、安原大貴、小林 海(マリノ)

第3ステージ東京

“アタックをし続けた小林 海が逃げ切りのステージ2位!マトリックスパワータグはTOJチーム総合優勝!!”

最終ステージ東京、しかし今回の東京ステージはいつもとは違う。個人総合はほぼ確定的としてステージ勝利狙いが大半となるが、3日間という短縮が影響する要素は様々でツアーの疲労がさほど無く、全員全力戦えるであろうことで平坦ステージでも大差逃げ切りの可能性もある。そして平坦ステージならでのスプリンターによるステージ勝利への争いも当然出てくる。各賞のうち山岳賞は増田成幸(宇都宮ブリッツェン)で確定、ホセが得ているポイント賞や総合時間についてはレース展開次第で変わってくる。

マトリックスは個人総合の逆転は難しくも望みはまだ捨てていない。チーム総合、そしてホセのポイント総合、ステージ勝利など幾つものチャンスを含み、チームは奮い立ちながら最終ステージへ臨む。タイム差の逆転は難しいと思われる平坦ステージだが、ここ最近は逃げ切りパターンも多くレース展開次第で結果は大きく変わる。スプリンター隼人でのゴール勝負、または逃げ切り展開の勝負の両面でチームは作戦を立て、スタートラインへ立つ。

当日は朝から気温は上昇し夏日の晴天。東京ステージはやはりこの天候がTOJらしくウェアの鮮度が増してより一層華やか。街中パレードは無く大井埠頭の周回コースのみとはなったが選手たちの彩で観客が少なくても賑わっているように感じる。パレード周回を経ていよいよ東京ステージがスタートした。

スタートから散発的アタックが続き、いつものように先頭の顔ぶれば目まぐるしく変わる。最後のお披露目でもあるため序盤のエスケープでPRする目的もあるのだが、今回は本気度が少々違う。やはりヤングライダーが多いこともあるのか渾身の動きに集団は容赦せず捕え吸収していく。3回設けられているスプリントポイントはタイムボーナスもあり、1秒でも多く稼ぎたい意図もある。やがて3周目、マトリックスはマリノが飛び出し、反応した矢萩悠也(京都産業大学)の2名で逃げる。1回目のスプリントポイントへ向けて追う集団はマリノら先頭を吸収し、スプリンター達が狙い出てくる中、割ってスプリントしかけたパコが1位通過。
パコ→岡本 隼(愛三工業レーシングチーム)→柴田雅之(那須ブラーゼン)
この3名がポイントを獲り、再び集団で進行する。

集団は落ち着かない、次々と日本ナショナルチームを含む飛び出しが続き、アタック⇄吸収が繰り返される。その度に残るメインではリーダーを擁する宇都宮ブリッツェンがしっかり前を固め、逃げるメンバーを確認しながらタイムコントロールをする。4周回ごとのスプリントポイントが動きの山、次のポイント周回へ向けての動きに再びマリノが乗る。この日のマリノは最後までこの動きを続けることになる。アタックの始まりは日本ナショナルチームから、幾度も幾度もしかけるヤングライダーの動きは見る側も走る側にも活力を注ぐ。

2回目のスプリントを前にマリノを含む逃げグループは吸収、そして再び集団でのスプリントにパコが出てくるが1回目にも出てきた仮屋に先取され2位通過。
仮屋→パコ→小石佑馬(チーム右京相模原)で2回目のポイントを重ねていく。

再び集団はアタック戦、またもや飛び出す日本ナショナルチームから、今度は早々にマリノもしかけていく。各チーム逃げに動くメンバーは徐々に固定化しはじめマリノ含む5名が抜けた。

小林 海(マトリックスパワータグ)
岡本 隼(愛三工業レーシングチーム)
横塚浩平(チーム右京相模原)
渡邊翔太郎(那須ブラーゼン)
川野碧己(弱虫ペダルサイクリングチーム)

レースも折り返しとなりそれぞれのチーム戦略か、スプリンターの岡本が幾度も逃げの動きに加わっている。
ここでメインは総合上位チームの判断が一致、宇都宮ブリッツェン、キナンサイクリングチームがしっかりと集団にフタをした。タイムは徐々に開きマリノら5名の逃げが決まった。

タイム差は40秒前後のままマリノら5名は先行し続ける。やがて最後のスプリントポイントをマリノが1位通過。
マリノ→川野→横塚 の順で3名がポイントを獲る。
そしてレースは残り4周、あっという間に終盤に入っていく。

メインでは完全に集団ゴールを想定しタイムコントロール、終盤までこの状況を続ける意思で完全に落ち着いて周回を重ねていく。マトリックスは集団後尾、ホセ曰く「眠たいレース」状態であった。


残り2周を前に、ペース上がらない先頭に業を煮やしたか川野がアタックしペースを上げていく。他メンバーは集団ゴールを想定してそろそろ戻ろうとの意図なのか乗ろうとしない。マリノは追って川野に合流、先頭は2名になり残り2周となる。

メインは各チーム隊列が揃い始め終盤へ向けて位置取りし始める。マトリックスも前方へ上がり始めるが、逃げ切りへ強い意志を見せる川野のペースが想定外であったのかタイム差が1分10秒まで開いてしまう。

そのままラストラップへ、メインは逃げ切らせたい総合上位勢が壁を作っているが、壁を破り追走が出た。しかしこの追走に勢いがなくこの動きが更に先頭との差を広げてしまうことに。コース上で確認しづらい域で離れてしまった先頭のマリノはこの状況が確認できず、集団キャッチを想定して渾身牽きペースを上げ続ける。残り1㎞、メインとのタイム差はまだ30秒以上ありもう追いつかない。逃げ切りを悟った2名はいよいよマッチスプリントへ。この時点では共に逃げている川野の脚質などについてマリノもチームもデータを持っておらず、祈る思いでゴール勝負をマリノへ託すが、始まったスプリントを見て川野の脚質を知る。

マリノは先行したまま、ぴったりとつく川野がマリノをかわしゴールラインを切る。見事なスプリント勝利だった。
メインは26秒差で集団ゴールとなり、増田成幸(宇都宮ブリッツェン)が個人総合優勝。増田選手の強さだけなくリーダーを守り抜いた宇都宮ブリッツェンの完璧なタイムコントロールに完敗する結果となった。

悔しい2着となったが、レース中アタックに次ぐアタックに乗り続けたマリノの姿は一番目立ったと言える、この日の最多アタッカー。そして後続の集団スプリントで隼人が5位に入り、マトリックスパワータグはチーム総合優勝を決めた。TOJでの総合表彰を受けるのはチーム初、東京で立つポディウムの格別感に「次こそ個人総合を」という思いが強く湧いてくる。今回のTOJにありがとう、そして次回のTOJ開催を祈り、明日へ進みます。

Photo by Satoru Kato, Itaru Mitsui, TOJ official

【ステージ結果】
1位 川野碧己(弱虫ペダルサイクリングチーム) 2時間16分44秒
2位 小林 海 (マトリックスパワータグ) +0’00”
3位 沢田桂太郎(スパークル大分)  +0’26”
4位 ⿊枝咲哉(スパークル大分)
5位 吉田隼人(マトリックスパワータグ)
6位 大前 翔(愛三工業レーシングチーム)
28位 安原大貴(マトリックスパワータグ)
29位 フランシスコ・マンセボ(マトリックスパワータグ)
32位 ホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ)

【個人総合】
1位 増田成幸(宇都宮ブリッツェン)   7時間33分21秒
2位 トマ・ルバ(キナンサイクリングチーム)        +11”
3位 山本大貴(キナンサイクリングチーム)        +44”
4位 フランシスコ・マンセボ(マトリックスパワータグ) +1’19”
5位 小石佑馬(チーム右京相模原)           +1’30”
6位 伊藤雅和(愛三工業レーシングチーム)      +2’02”
7位 小林 海(マトリックスパワータグ)          +2’03”
8位 ホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ) +2’14”
26位 安原大貴(マトリックスパワータグ)        +10’58””
37位 吉田隼人(マトリックスパワータグ)        +18’30”

【ポイント賞総合】
1位 川野碧己(弱虫ペダルサイクリングチーム)    35p
2位 小林 海(マトリックスパワータグ)          29p
3位 ホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ) 25p

【山岳賞総合】
1位 増田成幸(宇都宮ブリッツェン)     15p
2位 トマ・ルバ(キナンサイクリングチーム) 12p
3位 山本大喜(キナンサイクリングチーム) 10p

【チーム総合】
1位 マトリックスパワータグ   22時間46分03秒
2位 キナンサイクリングチーム      +0’31”
3位 チームブリヂストンサイクリング  +13’14”