RACE REPORT

ツアー・オブ・ジャパン(富士山ステージ)

日付:
2024年04月14日
開催地:
富士スピードウェイ西ゲート~東京五輪タイムトライアル周回コース~小山町須走支所~ふじあざみライン
距離:
78.8km 獲得標高:2602m SP×2回(周回コース2、4周目) KOM(超級:フィニッシュ順位)
天候:
晴れ時々曇り 気温:スタート19℃、フィニッシュ12℃
出走:
ホセ ビセンテ トリビオ, フランシスコ マンセボ, 吉田 隼人, 安原 大貴, 小林 海

ツアー・オブ・ジャパン
UCIアジアツアー CLASS2.2
2021年5月28日(金)~5月30日(日)
3ステージ(富士山・相模原・東京) 総距離299.3KM
出走選手:5名 フランシスコ・マンセボ(パコ)、ホセ・トリビオ、吉田隼人、安原大貴、小林 海(マリノ)

第1ステージ富士山

“フランシスコ・マンセボ4位がチーム最高位でチーム総合トップに立つ”

ツアー・オブ・ジャパン(TOJ)が2年ぶりに開催。日に日に緊迫するコロナ禍で昨年は全日本選手権までもが中止となりUCIポイントに接する機会が皆無となった日本国内のロードレース。2019年以来、待ち望んだUCIレース、そしてステージレースの再開は希望への光道。厳しい状況下で開催にご尽力いただきました皆様へは感謝しかなく、与えていただいたこの機会を全力で大切に競技することを強く誓う。

短縮版とは言え、これまでツアーの決め手となってきたクイーンステージ“富士山”からのスタート。総合タイムに大きく影響するのは間違いなく、いきなり勝負がかかるステージとなる。コースは前半のスピードコースから後半は厳しい登坂のあざみラインとの二面を持ち動きも極端に異なる激しいレースになる予想。
マトリックスはパコ、ホセを筆頭に登坂勝負からの総合狙い、今大会の優勝候補チームとして注目を浴びている。しかしオリンピック代表の増田成幸(宇都宮ブリッツェン)や、登坂強いトマ・ルバ(キナンサイクリングチーム)は、その手強さをよく知っている重要マークの選手。前夜はじっくりと丁寧にチームミーティングを行い、整える。

前日激しく降り続いた雨は深夜に止み、日が昇る頃には路面も乾きすっかり天候は回復。心配されていた梅雨は祈り通じたか中休み、大会中は穏やかな天候が続きまるで大会を見守り支えているようだった。
すっきりと富士山が見える会場、バブル方式で括られるため観客はおらず人は少ないが、来てみればやはりそこはTOJ会場、選手たちの表情も鮮やかで華がある。チームプレゼンでお披露目し、パレード走行から2年ぶりのTOJがスタートした。

パレードから周回コースに入り、リアルスタートが切られても集団は全く動こうとはせずペースもあまり変化がない。今回は国内チームのみの参戦、その影響もあるのか主導するチームの動きを待っているかのよう。7㎞ほど進行した登り区間で大貴が飛び出し、名物のファーストアタックをしかけた(ペースの遅さに業を煮やしたパコが嗾けたとの話もある)。直ぐに反応したのは愛三、他数名が反応し、ようやく集団に変化が出る。大貴含む6名の先行グループが形成された。

安原大貴(マトリックスパワータグ)
大前 翔、草場啓吾(愛三工業レーシングチーム)
渡邉翔太郎(那須ブラーゼン)
孫崎大樹(スパークル大分)
小出 樹(京都産業大学)

大貴は積極的に先導しガンガン牽いていく。6名は協調しメインとのタイム差は1分近くへ広がっていく。
大半が初日ステージでのポディウム狙い、前半サーキットコースでは2回のスプリントポイントが設けられており、獲れば本日のポイントリーダーとなる。愛三工業レーシング、スパークル大分はスプリント強いメンバーであり、明らかにこのポイント賞を狙っている。しかし、1回目のスプリントポイントを前に小出がメカトラで離脱、5名での勝負を連携よく2名入れている愛三の大前、孫崎、草場の順で獲る。


一方でメインは宇都宮ブリッツェンがしっかり前を固めてタイム差コントロール。このステージ登坂でエース増田成幸の総合優勝へ狙いを定めた明確なチームの姿勢を見せている。マトリックスはメイン前方で落ち着いている。
3周目になると先頭から大前、孫崎が離脱し先頭は3名。前半のコースもきついアップダウンもあり消耗するのと、後半登坂勝負へ向けてのチームアシストとして戻るのと、理由は様々。大貴は果敢に先行しながらも登坂勝負へのアシストも担っている。

2回目のスプリントは草場、渡邉、大貴で通過し、ポイント賞は草場で確定。そして先行3名はいよいよ登坂区間へと入っていく、メインは宇都宮ブリッツェンコントロールのまま徐々にタイム差を詰めて30秒を切り始めた。メインでは登坂へ向けての各チーム位置取りが始まり、先頭にはチーム右京相模原も隊列しペースアップに加わる。その後ろはキナンサイクリングチーム、日本ナショナルチーム、そしてマトリックスも隊列する。

登坂道“あざみライン”手前、残り19km地点でついに大貴ら3名は吸収、大貴は落ち着いて隊列するチームの位置へ戻っていく。勝負どころ、あざみラインまで残り2km、先頭は宇都宮ブリッツェンが譲らず固めたまま進行する。

まるでゴール前の集団内のように各チーム登坂発射へ向けて隊列が整い、互いの動きを窺い合う。じわじわと勾配は上がり始める中、先頭を固める宇都宮ブリッツェンが少しずつペースを引き上げ、後尾では脱落する選手も出始める。集団は長く伸びた状態でいよいよあざみラインへ。先頭はチーム右京左相模原へ変わり、マトリックスも大貴を先頭に前へ出てきた。レースは後半体制へ、動く面々もがらりと変わる。

真っ先に飛び出したのは日本ナショナルチームの留目夕陽、今季このヤングライダー勢のとにかく積極的な動きはチーム間攻防とは異なりレースは惑わされることが多い。今回のTOJは大学生チームも入りヤングライダーが多く含まれるためパターン通りにはいかないハードな展開となるであろう。まだ序盤であるが、大貴の牽きでチームは隊列で先頭へ上がる。並んで上がるのはキナンサイクリングチーム、主軸選手を発射させるためペースアップを図る動きで先頭は揺らいでいる。

残り8km辺りから勾配が上がり、勝負はここから。大貴はパコ、マリノ、ホセを誘導して役目を終えていき、マトリックス残るのは3名。そして先頭の人数は30名ほど、パコ、そしてキナンサイクリングチームのトマ・ルバが先頭に立つと増田成幸も出てきた。

この有力選手たちの動きに先頭は縦に伸びどんどん人数が減り始め、残り7㎞を過ぎると15名ほど。マトリックスはパコ、ホセ。そして再び留目がアタックをしかけて先行する。

この動きは有力選手にとってもまた番狂わせか、残り6㎞をきるとトマが追い始めここに増田、那須ブラーゼンの柴田雅之が追いつき留目をかわして先行、この動きで後続は完全に置いていかれることになり、パコ、ホセも残されてしまう。

残り5㎞をきると先頭は増田とトマ、後続は追っているパコと山本大貴(キナンサイクリングチーム)の2名、しかし先頭2名とは10秒を超えてきた。ホセは不調によりついてくことができず、そしていつになくパコも辛そうな表情を見せている。

残り4㎞、先頭2名とパコとは20秒を超えていき、山本のペースアップにパコが遅れて4位後退、やはりパコも本調子ではないのか…マトリックスは厳しい状況になっていく。先頭2名は力強く後続との差は更に広がっていく。残り1㎞辺りで増田がアタック。トマは反応できず増田そのまま単独先行、快走の増田は更にペースを上げ、トマに11秒の差をつけて堂々のゴール。その実力を見せつける結果となった。

粘り続けたパコはチーム最高位の4位ゴールしたが増田とは1分24秒もの大差、チームは個人総合争いに加わるにはかなり難しい結果となった。しかし、ここでマリノが6位と好順位、不調のホセも粘り11位でゴールした結果、チーム総合はトップに。まだまだ望みをかけて次のステージを戦う。

Photo by Satoru Kato, Itaru Mitsui, TOJ official

【ステージ結果】
1位 増田成幸(宇都宮ブリッツェン)  2時間35分52秒
2位 トマ・ルバ(キナンサイクリングチーム)       +0’11”
3位 山本大貴(キナンサイクリングチーム)       +0’44”
4位 フランシスコ・マンセボ(マトリックスパワータグ) +1’24”
5位 伊藤雅和(愛三工業レーシングチーム)      +2’02”
6位 小林 海(マトリックスパワータグ)          +2’38”
11位 ホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ)+3’59”
28位 安原大貴(マトリックスパワータグ)        +10’39””
41位 吉田隼人(マトリックスパワータグ)        +17’16”

【個人総合】
1位 増田成幸(宇都宮ブリッツェン)  2時間35分52秒
2位 トマ・ルバ(キナンサイクリングチーム)       +11”
3位 山本大貴(キナンサイクリングチーム)       +44”
4位 フランシスコ・マンセボ(マトリックスパワータグ) +1’24”
5位 伊藤雅和(愛三工業レーシングチーム)      +2’02”
6位 小林 海(マトリックスパワータグ)          +2’38”
11位 ホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ)+3’59”
28位 安原大貴(マトリックスパワータグ)        +10’38””
41位 吉田隼人(マトリックスパワータグ)        +17’16”

【ポイント賞総合】
1位 草場啓吾(愛三工業レーシングチーム)   6p
2位 大前 翔(愛三工業レーシングチーム)    5p
3位 孫崎大樹(チームブリヂストンサイクリング) 3p

【山岳賞総合】
1位 増田成幸(宇都宮ブリッツェン)     15p
2位 トマ・ルバ(キナンサイクリングチーム) 12p
3位 山本大貴(キナンサイクリングチーム) 10p

【チーム総合】
1位 マトリックスパワータグ   7時間55分37秒
2位 キナンサイクリングチーム     +0’36”
3位 チームブリヂストンサイクリング +11’42”