RACE REPORT

東日本ロードクラシック群馬大会

日付:
2024年04月20日
開催地:
群馬サイクルスポーツセンター 6㎞サーキットコース 群馬県利根郡みなかみ町新巻3853
距離:
150m(6.0km×25回) スプリントポイント10%×3回(2、8、16周回完了時)
天候:
晴天 気温20℃
出走:
アイラン フェルナンデス, ホセ ビセンテ トリビオ, フランシスコ マンセボ, 吉田 隼人, 安原 大貴, 小森 亮平, 狩野 智也, 小林 海

Jプロツアー第5戦
レースレイティング:ゴールド

“ホセ・ビセンテ・トリビオのリーダー、チームランクトップは共にキープ。チームはトラブル多発で波乱の一日”

東の聖地、群馬CSCでの今季初レース。今シーズンも幾度か戦地になるであろうこのコースは、誰もが知慣れたコースが故に勝利するのは容易ではない。そしてゴールドレイティングという高ポイント設定だけに獲らねばならないレースでもある。チームは昨シーズンの完全勝利を決めたこの地で改めて勝利を決めたい。

毎年この時季に開催されるここ群馬の地は春の到来も遅く満開の桜、そして冬が残り雪がちらつく年もある。今年は暖かくとても気持ち良い晴天、桜舞う中でのスタートとなった。

4時間ほどの長丁場レースは展開がひとつではなく幾度もドラマが編成される。スタートからハイペースの中、先頭が目まぐるしく入れ替わりながらラップタイム8分台で周回する。

マトリックスはリーダーのホセを守りながらもレース牽引すべく前方に位置しているが、いきなり2周目で大貴がトラブルで離脱。ニュートラルバイクでメインを追い3周ほどで追いつくが序盤から要らぬ脚を使ってしまう。

入れ替わりに今後はパコにもトラブル、再びニュートラルバイクのお世話になりパコも復帰に脚消費。

いきなりのトラブル続出で何とか体制を整えていきたいチームは、8周目に小森含む7名の逃げが決まり救われる。メインはようやく落ち着き始めた。

小森亮平(マトリックスパワータグ)
原田裕成、當原隼人(愛三工業レーシングチーム)
河野翔輝(TEAM BRIDGESTONE Cycling)
井上文成(弱虫ペダルサイクリングチーム)
風間翔眞(シマノレーシング)
平井光介(JCF強化指定選抜チーム)

小森は8周目のボーナスポイントを獲り他チームの獲得を防ぐ。メインとの差は1分まで開きいつもの展開ならばここでしばらく落ち着くところだが、ヤングライダーを多く含む今季のJプロツアーは落ち着かない。

9周目には追走の動き、マトリックスは大貴がチェックで入るがこの動きで再びメインも活性し始める。メインではパコが先頭を抑えながらも少しずつペースを上げて追走吸収。10周目を過ぎ間もなくレースは折り返し後半へ入っていく。

13周目には小森ら先頭を吸収、集団ひとつで14周目に入り下り区間へ向けてパコがアタックをかけていく。ここでできた15名の逃げ、マトリックスはパコ、マリノ、そしてリーダーのホセを入れ、好いメイバーでのグループ形成。そしてオリンピック代表の増田成幸の他、各チームの強者が揃った。

ホセ・ビセンテ・トリビオ、フランシスコ・マンセボ、小林 海(マトリックスパワータグ)
草場啓吾、岡本隼、伊藤雅和、大前 翔、鈴木 譲(愛三工業レーシングチーム)
木村圭祐、風間翔眞(シマノレーシング)
今村駿介(TEAM BRIDGESTONE Cycling)
大町健斗(eNShare Racing Team)
増田成幸、山田拓海、平井光介(JCF強化指定選抜チーム)

これから面白くなるであろうという時に、なんとパコに再びトラブルが発生し離脱。そして信じられないことにマリノにもトラブルが…悪夢のような15周目、マトリックスは突然2名を失い先頭にはホセのみとなってしまった。

その影響か先頭のペースが緩み消沈、後続が追いつき人数も増えていく状況から1名のみで入っていたBS今村が単独アタックで抜け出し独走で逃げ始める。アワーレコードでも素晴らしい実績を出している今村はその強靭な独走力で一気に後続へ1分以上の差をつけていった。
残り周回はまだあるが、この今村の逃げは危険、すぐさまできた追走にアイランが入り3名で追走をかける。

アイラン・フェルナンデス(マトリックスパワータグ)
入部正太朗(弱虫ペダルサイクリングチーム)
石橋 学(CIEL BLEU KANOYA)

心強いメンバーでの追走、今村との差は1分。そしてメインでは愛三工業レーシングチームが隊列でペースアップし追走を吸収、全ては今村キャッチへの動きでペースを上げる。

しかし今村との差はなかなか縮まらず、22周目でようやく1分をきる。先頭でコントロールし続けるのは愛三工業レーシングチーム、残り周回が僅かになりマトリックスも限られた人数でペースアップに加わっていく。メイン内で落ち着くBS勢が圧倒的優勢となっていく。

ようやく今村をキャッチし集団ひとつで23周目へ。残り3周、集団内では激しいアタック合戦が始まる。マトリックスは残るアイラン、小森、隼人、大貴でホセを守りながらも勝機を窺う。

残り2周、アタック戦で人数は激減し30名弱、残るはホセと隼人。増田が果敢に動くなどアタック戦はなおも続き、更に20名ほどに絞られた先頭はついにラストラップへ。マトリックスはホセと隼人が残っている。

激しいアタックを繰り返しながらも決定打が出ないまま最後の心臓破りへ。ここで増田がアタックで抜け出すとすぐに反応したのは窪木一茂(TEAM BRIDGESTONE Cycling)。後続はついていけず2名抜け出す状態で上り終えるが更に引き離して抜け出たのは窪木、上りきりバックストレートには単独で姿を現す。窪木はそのまま逃げ切り力強さを見せつける堂々のゴール。続く後続は集団でのスプリント、ここでホセが何とか自力で4位に入りリーダーを死守。

マトリックスは散々なレースとなってしまったが、最後まで出来ることを尽くし、ホセのリーダー、そしてチームランクトップの座も守り抜いた。


走り以外の要因が多く悔しい結果となってしまったがこれもまたレース、高ポイントレースを落とし2位との差が縮まってきている。次戦はまたここ群馬、整え勝利狙います。

Photo by Satoru Kato, Itaru Mitsui

【結果】
1位  窪木一茂(TEAM BRIDGESTONE Cycling) 3時間40分19秒
2位  岡本隼(愛三工業レーシングチーム) +5秒
3位  中井唯晶(シマノレーシング)
4位  ホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ)
5位  入部正太朗(弱虫ペダルサイクリングチーム) +6秒
6位  横山航太(シマノレーシング)
21位 吉田隼人(マトリックスパワータグ)
26位 小森亮平(マトリックスパワータグ)
27位 アイラン・フェルナンデス(マトリックスパワータグ)
36位 安原大貴(マトリックスパワータグ)
DNF  狩野智也(マトリックスパワータグ)
DNF  小林 海(マトリックスパワータグ)
DNF  フランシスコ・マンセボ(マトリックスパワータグ)

【個人総合】
1位 ホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ) 1405p
2位 フランシスコ・マンセボ(マトリックスパワータグ) 941p
3位 岡本 隼(愛三工業レーシングチーム) 850p

【チーム総合】
1位 マトリックスパワータグ 2820p
2位 TEAM BRIDGESTONE Cycling 2291p
3位 シマノレーシング 2071p