RACE REPORT

南魚沼ロードレース

日付:
2024年04月24日
開催地:
新潟県南⿂沼市清⽔瀬、舞台付近 三国川ダム周回コース 12km/1周(左回り)  メイン会場・S/F地点︓しゃくなげ湖畔開発公社   〒949-6743 新潟県南⿂沼市舞台745­48
距離:
132.0km(12.0km×11周回) スプリントポイント×3回(3、6、9周回完了時の1位に優勝ポイントの10%) 
天候:
晴天 気温35℃
出走:
アイラン フェルナンデス, ホセ ビセンテ トリビオ, フランシスコ マンセボ, オールイス アルベルト アウラール, 佐野 淳哉, 小森 亮平, 安原 大貴, 向川 尚樹

Jプロツアー第17戦 

レースレイティング:ゴールド

“フランシスコ・マンセボが圧巻の独走勝利!!”

昨年は経済産業大臣旗ロードチャンピオンシップとして開催されたこの大会、パコとホセでワン・ツーを決め、チームとして大きな目標としている輪翔旗を手にし最高の勝利を収めた大会である。チームにとっては過去より勝率高いこの大会だが、これまで日本人選手が勝利したことがなくコースや設定も厳しいレベルであることが窺える。

例年より1ヶ月ほど早い南魚沼は残暑厳しく気温30℃超えの真夏日。コースも逆回りとなり、これまでふるい落としポイントとなっていたゴール前のきつい勾配区間がテクニカルな下りとなり、長い下り区間が長い上り区間へ替わりアップダウンが間延びする終始ハードなコースへと転じた。

前週の群馬2Daysでリーダーとの差を逆転可能範囲まで一気に詰めたオールイス、チームはリーダー奪還を掲げこのレースへ臨む。

トップを追う側となるマトリックスは展開主導をとりスタートから積極的に動く。2周目にはサム・クローム(TeamUKYO)に織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)が付き2名先行、メインは反応鈍い様子であったがパコが猛追し一気に追い付き先頭を牽く、そのハイペースで織田はドロップするが替わって追い付いたのは石橋学(TEAM BRIDGESTONE Cycling)、メンバーはこの3名となり先行し続け、メインに1分強の差をつけて3周目に入る。

しかしパコはその勢いを緩めずどんどんペースを上げていく…序盤早々のこのペースにサムも石橋も躊躇混じりの様子で付き切れ、ついにパコは独走状態へ。サムはメインへ戻るが石橋はひとり追走の状態を続けている。

メインは沈静し、リーダーの岡篤志を擁する宇都宮ブリッツェンがコントロールに徹する。マトリックスも狙いはこの中でのリーダー争い、オールイスを護りながらその後ろに隊列して睨みを効かせる。

一方のパコは落ち着かない。むしろスイッチが入ったかのようにペースは落ちず、その差3分を超えていく…

粘るは単独追走を続ける石橋、パコから2分差、そして後続メインとはついに5分超え…パコは独走ながらもラップ18分台を継続しスプリントポイントも獲っていく。この驚異的な逃げはメイン内での消耗を促すことにはらず、リーダー争い直接勝負への展開となっていく。

7周目、コントロールに徹する宇都宮ブリッツェンに対し各チームも先頭の動きに加わり始める。TEAM BRIDGESTONE Cycling、そしてマトリックス。

ペースも徐々に上がり始め粘っていた石橋はメインに吸収、パコとの差は3分差で9周目へ。その上り区間で大貴がアタックをかけ、続いてオールイスも自ら動きメインを揺らす。

オールイスの動きは徹底マークの宇都宮ブリッツェンが許さずオールイスを捕らえるとメインは一気に活性。

次々とこのレースでの有力選手がアタックをかける。この動きでその差2分まで縮まるもパコは同ペースで10周目へ。残り2周、メインからのアタックはリーダー争いも含まれ潰し合いとなり決まらない。パコはメインへ1分30秒差でラストラップへ。

メインからはロビー・ハッカー(TeamUKYO)が飛び出し、続いて全日本チャンピオンの入部正太朗(シマノレーシング)がそれを追いながらラストラップへ入る。メインは小さくなり10名ほど、マトリックスは残るチームメンバーでオールイスをひとつでも上位ゴールへ繋ぐべくホセ、佐野、小森が動く。

しかし宇都宮ブリッツェンも岡をしっかり護る体制は崩れずオールイスと岡はぴったり並走、睨み合いの状況が続いている。

大声援を浴びながらパコ・マンセボは後続へ1分27秒差で逃げ切り、両手を広げ天を仰ぎ神々しいポーズでの堂々ゴール!

パコはスプリントポイントも全て獲りこの大会連覇、その圧巻の走りで敢闘賞にも輝いた。

続いて追走を続けていたロビー・ハッカー、入部正太朗が単独でゴールしトップ3の大きなポイント順位は埋まった。残る10名ほどから岡とオールイスのゴールスプリント争い、先着は岡で4位、オールイス5位でそのポイント差は僅かとは言え広がることとなってしまったが、チームランキングはかなりトップへ差を縮めている。

残るツアーは3ラウンド5レース、次戦は最高レイティングのロードチャンピオンシップ、チームはこの熱いテンションで執拗に狙っていきます

【結果】
1位 フランシスコ・マンセボ(マトリックスパワータグ) 3時間26分4秒
2位 ロビー・ハッカー(TeamUKYO) +1分24秒
3位 入部正太朗(シマノレーシング) +1分38秒
4位 岡 篤志(宇都宮ブリッツェン)
5位 オールイス・アウラール(マトリックスパワータグ) +1分39秒
6位 孫崎大樹(チームブリヂストンサイクリング) +1分40秒
16位 ホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ)
18位 佐野淳哉(マトリックスパワータグ)
19位 小森亮平(マトリックスパワータグ)
37位 安原大貴(マトリックスパワータグ)
DNF アイラン・フェルナンデス(マトリックスパワータグ)
DNF 向川尚樹(マトリックスパワータグ)

【ツアー個人総合】
1位  岡 篤志(宇都宮ブリッツェン) 3,618pts
2位  オールイス・アウラール(マトリックスパワータグ) 3,166pts
3位  ホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ) 2,216pts
4位  今村駿介(TEAM BRIDGESTONE Cycling) 2,085pts
5位  横山航太(シマノレーシング) 1,830pts
6位  フランシスコ・マンセボ(マトリックスパワータグ) 1,770pts

【ツアーチーム総合】
1位  TEAM BRIDGESTONE Cycling  11,108pts
1位  マトリックスパワータグ  10,447pts
3位  宇都宮ブリッツェン  8,553pts

photo by Satoru Kato