RACE REPORT

ツール・ド・くまの 第3ステージ 太地半島

日付:
2024年04月26日
開催地:
和歌山県東牟婁郡太地町 太地半島10.5km周回コース
距離:
9.8km+10.5km×9周回=104.3km HP×2回 KOM×2回
天候:
曇りのち雨 22℃
出走:
ホセ ビセンテ トリビオ, フランシスコ マンセボ, オールイス アルベルト アウラール, 佐野 淳哉, 小森 亮平, 安原 大貴

UCI Asia Tour 2.2 
5/30(木)~6/2(日) 全4日間 プロローグ+3ステージ 
総走行距離 = 314.0km 
出走選手:6名 フランシスコ(パコ)・マンセボ、ホセ・ビセンテ・トリビオ、オールイス・アウラール、佐野淳哉、小森亮平、安原大貴

第3ステージ 太地半島 
日付:2019年6月2日(日)
開催地:和歌山県東牟婁郡太地町 太地半島10.5km周回コース
距離:9.8km+10.5km×9周回=104.3km HP×2回 KOM×2回
天候:曇りのち雨 22℃ 

“オールイス・アウラールがリーダー守りきり個人総合優勝!!ポイント賞獲得!
マトリックスパワータグ チーム総合優勝!!“

ついに最終ステージ、本日決死で守ったリーダーだがライダー3名を失いその代償は大きかった。非常に厳しい状況に現在のトップを素直に喜べない、残る武力でやれるだけのことをやるしかないと“背水の陣”と覚悟し緊張の前夜を過ごす監督・スタッフだが…ライダーは非常に元気でポジティブにミーティングを進める。走りのみでなく人格的にも大きく構え受け止めるパコ、彼の支えはライダー達のパワー源ともなっている様子。揺るがないチームワークで明日を思いっきり戦い、そして勝利する。

平坦基調ではあるがアップダウンも勾配あり、ペース緩まずきついコース。このステージも激しく動く予想、最後の勝負を懸けてハードレースとなるだろう。けれど、オールイスの持ちタイムは9秒、様々な展開にも有利に進めるタイムを持っている。ライバルとの差を入念にチェックして互いに確認し合う。

当日は今にも泣き出しそうな重い曇天の下スタート。ほぼ同時に雨は降り出し路面はウェット、細い曲路の多いコースはかなり滑りやすくリスクを伴う状態。
スタートからアタックかかりハイペース、早くも2名が抜けて先行が始まる。

マルコス・ガルシア(キナンサイクリングチーム)
入部正太朗(シマノレーシング)

逃げ打ちでは定評あるメンバー、早々に逃げが決まりマトリックスとしては都合良い展開。このまま逃げ切られとも総合は守れる可能性がある。抜けた先行を行かせ、マトリックスはメインのタイム差を保ちながら先頭でコントロールし続ける。しかしマルコスはKOMを決めると目的達成、メインはじっとしてくれず、次々を総合上位勢も動こうとする。

やがて先頭は吸収された3周目、再び入部がアタックして抜けると数名が反応し4周目には7名の先行グループが形成、ここで少しメインが落ち着く。

入部正太朗、中井唯晶(シマノレーシング)
鈴木龍(宇都宮ブリッツェン)
ロビー・ハッカー(チーム右京)
トマ・ルバ(キナンサイクリングチーム)
孫崎大樹(チームブリヂストンサイクリング)
フェデリコ・ズルロ(ジョッディ・ヴィクトリア)

メインとの差は徐々に開いていき2分を超えていく・・・チームは最後までボディナンバーが通告されなかったジョッディ・ヴィクトリアの選手がチェックできておらず、やっとチェックできたのは6周目。TOJでも活躍しているフェデリコ・ズルロだ、タイム差も危険範囲の2分47秒。メインをコントロールするパコに“ペースアップ”のサインを送る。

サインに気づいたパコ、メインを引き上げにかかる。6周目に2分強だったタイム差を翌7周目には1分30秒まで縮め恐ろしい牽きをするパコ。尚も脚を緩めずまだまだ牽く。8周目にはその差1分になった。

このペースアップでメインはその人数を減らしていく。9周目、残り2周になるとメイン内では総合上位勢が自ら動き始める。

チーム右京のベンジャミ・プラデスが登り区間で執拗に揺らし誘導をかけ、その隙に同チームのサム・クロームが抜ける。オールイスも自ら反応し応戦、パコは後ろを抑えながらその動きを吸収していく。

先頭からは中井と鈴木がドロップし5名で先行、タイム差は1分ほどでついにラストラップへ。ここでメインから横山航太(シマノレーシング)がアタック、直ぐにホセがチェックにつき2名で抜ける。
横山は1分08秒、ついたホセは34秒、先頭5名は逃げ切ってもオールイスとのタイム差は逆転できないが、横山には逆転される可能性がある。しかしその場合にはホセのタイム差がトップとなり、このまま捕まらなければ総合はホセになる。
マトリックスは最高に優位な状態でラストへ向かう。

残るメインを固定されたかのようにパコが牽く。たった一人で抑えていると思えないその雄姿には同チームでもただただ感動と尊敬しかない。残り3km、激しいアタック戦をリーダーのオールイスが動き応じ、パコはひらすらメイン頭を譲らない。

残り1km、先頭は1分弱、もう追いつくことない逃げ切りにチームカーでガッツをする監督!そして先頭のゴールスプリントはやはり危険だった、フェデリコ・ズルコが獲った。

続いて後続2名はホセが横山を抑えてゴール、そしてメインはパコが頭を抑えたまま最後の直線で開放。

少数を最大限に活かす作戦は成功し、総合上位勢は全員が51秒差での同タイムゴールとなり、見事リーダーを守りきったマトリックスパワータグ。オールイス・アウラールが総合優勝!!そしてチーム総力で獲ったチーム総合優勝!!

このツール・ド・くまのでは3度目の総合優勝、この地ではいつも湧力を得る。
今はまさにトップシーズン、山頂の全日本選手権まであと少し、直ぐに整え前進します。

【第3ステージ結果】
1位  フェデリコ・ズルロ(ジョッディ・ヴィクトリア)  2時間38分28秒
2位  孫崎大樹(チームブリヂストンサイクリング)
3位  入部正太朗(シマノレーシング)
4位  ロビー・ハッカー(チーム右京)
5位  トマ・ルバ(キナンサイクリングチーム)
6位  ホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ)  +44秒
7位  横山航太(シマノレーシング)
8位  リカルド・スタッキオッティ(ジョッディ・ヴィクトリア)+51秒
9位  オールイス・アウラール(マトリックスパワータグ)
10位  中井唯晶(シマノレーシング)

20位  フランシスコ・マンセボ・ペレス(マトリックスパワータグ)

【個人総合】
1位  オールイス・アウラール(マトリックスパワータグ)  7時間32分49秒
2位  岡 篤志(宇都宮ブリッツェン)  +09秒
3位  ユーセフ・レグイグイ(トレンガヌ・INC・TSG・サイクリング・チーム)  +13秒
4位  コービン・ストロング(セントジョージコンチネンタルサイクリングチーム)  +15秒
5位  サム・クローム(チーム右京)
6位  平塚吉光(チームブリヂストンサイクリング)  +16秒
7位  ベンジャミ・プラデス(チーム右京)  
8位  マイケル・ヴィンク(トレンガヌ・INC・TSG・サイクリング・チーム)  +18秒
9位  フランシスコ・マンセボ・ペレス(マトリックスパワータグ)
10位  ホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ)  +27秒

【ポイント賞総合】
1位  オールイス・アウラール(マトリックスパワータグ)  55p
2位  フェデリコ・ズルロ(ジョッディ・ヴィクトリア)  42p
3位  トマ・ルバ(キナンサイクリングリーム)  37p

【山岳賞総合】
1位  マルコス・ガルシア(キナンサイクリングチーム)  21p
2位  トマ・ルバ(キナンサイクリングチーム)  7p
3位  ベンジャミ・プラデス(チーム右京)  7p

【チーム総合】
1位  マトリックスパワータグ  22時間39分26秒
2位  ジョッディ・ヴィクトリア  +1分54秒
3位  チーム右京  +5分03秒

photo by Satoru Kato. Itaru Mitsui