RACE REPORT
2015 ジャパンカップサイクルロードレース
- 日付:
- 2024年10月14日
- 開催地:
- ジャパンカップ・クリテリウム: 宇都宮市中心部(1周1.55km)、ジャパンカップサイクルロードレース: 宇都宮市森林公園周回コース(1 周10.3 km)
- 距離:
- クリテリウム:1.55km×20周=31.0km スプリントポイント3回(5,10,15周目)、ロードレース:10.3km×14周=144.2 km KOM4回(3,6,9,12)
- 天候:
- クリテリウム:晴れ 気温18℃ ロードレース:晴れ 気温24℃
- 出走:
- アイラン フェルナンデス, ホセ ビセンテ トリビオ, 吉田 隼人, 安原 大貴, 向川 尚樹, ベンジャミ プラデス
2015 ジャパンカップサイクルロードレース
10月17日(土)ジャパンカップ・クリテリウム: 宇都宮市中心部(1周1.55km)
10月18日(日)ジャパンカップサイクルロードレース(UCI Asia tour Hors class): 宇都宮市森林公園周回コース(1 周10.3 km)
参加6名:ホセ・ヴィセンテ・トリビオ、ベンジャミ・プラデス、アイラン・フェルナンデス、吉田隼人、安原大貴、向川尚樹
国内最大クラスのロードレース、マトリックスは今シーズンの参加権利を取得し、4年ぶりの参戦となる。
元々人気があり多くの観客で賑わうレースだが年々人気上昇中とのこと、4年前の数倍も規模も観客も増大、今年は8万人もの観客で賑わった。
レースは前日にお披露目的なクリテリウムがあり、翌日の本戦を迎える。今年もワールドツアーのトップチーム及び選手が参加し、華やかだがハイレベルなのは間違いない。
チームとして好成績を、そして見せ場を作りたい。皆テンション高くレースに臨む。
天候は前日より降水確率が高く不安定、ところが不思議と言えるほどレース時には雫が落ちなかった。
【2015ジャパンカップ・クリテリウム】
宇都宮市中心部(1周1.55km) 1.55km×20周=31.0km スプリントポイント3回(5,10,15周目)
天候:晴れ 気温18℃
出走5名:ホセ・ヴィセンテ・トリビオ、ベンジャミ・プラデス、アイラン・フェルナンデス、吉田隼人、向川尚樹
前日から雨が降ったり止んだり、当日も非常に降水確率が高く心配されていた天候だが、午後から奇跡のように晴れた。
気温は低いが路面も乾き、不安ないレースコンディションでレースを迎える。
宇都宮市の中心部街中をパレードでコース入り。ものすごい多くの観客に出迎えられテンションは最高潮。
マトリックスも多くの声援を浴びながらスタートラインにつく。
およそ1km直線のUターン折り返し、バック側は下り基調、ゴールへのホームストレートは緩やかに上り基調。
スタートからアタックがかかり見せ場作りも含め各チームが飛び出しをはかる。
しかしなかなか決め手がなく先頭は入れ替わりながらスプリントポイントへ向けて活性していく。
宇都宮ブリッツェン隊列から1回目は鈴木譲(宇都宮ブリッツェン)が獲る。
再びひとつになった集団でアタックが始まる。その中からホセを含む7名のエスケープが決まり先行する。
ホセ・ヴィセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ)
ニコラ・ルフランソワ(チーム・ノボ ノルディスク)
エリック・シェパード(アタック・チーム・ガストアタックチームガスト)
オスカル・プジョル(チーム右京)
初山翔(ブリヂストン・アンカー・サイクリングチーム)
城田大和(宇都宮ブリッツェン)
入部正太朗(日本ナショナルチーム)
このエスケープに歓声が上がり、ホセら7名に注目が集中する。メイングループは一旦落ち着き先頭グループは徐々にタイム差をつけ20秒まで開く。
10周目2回目のスプリントポイントへ向け、先頭は活性。ホセも果敢に攻め姿勢でアタックを繰り返す。
2回目はまたお膝元の宇都宮ブリッツェン城田が獲り、観客のボルテージは更に上がっていく。
レースは折り返し、15周目3回目のスプリントポイントへ向けて先頭が活性する一方でメインはトレック・ファクトリー・レーシングが固め始める。
3回目のスプリントポイントへのアタック戦、ホセも加わるが惜しいところで獲ったのはブリヂストン初山。
メインはペースアップし徐々にタイム差が縮まってきた。
メインはトレックを先頭に、ランプレ・メリダやチーム・スカイなどワールドツアーのチームが見事なトレインを組み始める。
マトリックスは集団後部から中部へ徐々に上がってきた。
17周目でホセら先頭グループはメインに吸収、集団はひとつ、更にスピードが上がり終焉へ向けての動きが始まる。
先頭は注目のファビアン・カンチェラーラが自ら引き、トレック固め。続く後ろもワールドツアーのチームが一切譲らずカラーが固定化されている。
いよいよラストラップ、マトリックスも少しずつ前方へ上がってきているが・・・最終コーナーで大きな落車、集団が分断され隼人も足止めを食らってしまった。
残る上り基調の直線、アイランとベンジャがするすると上がっていく。
先頭ではベン・スウィフト(チーム・スカイ)に別府史之(トレック・ファクトリー・レーシング)が先駆けで激しいスプリント。
そこへ後ろから追い上げ入り込みベンジャ4位!優勝は別府で日本人初の勝利。
アイランも16位でゴールし、マトリックスひとケタ順位で好調ぶりを見せた。
[順位]
1位 別府史之(トレック・ファクトリー・レーシング) 42’29”
2位 ベン・スウィフト(チーム・スカイ)
3位 スティール・ヴォンホフ(クリテリウム・スペシャルチーム)
4位 ベンジャミン・プラデス(マトリックスパワータグ)
5位 アルベルト・ベッティオール(チーム・キャノンデール・ガーミン)
6位 フローリス・ゲルツ(BMCレーシング・チーム)
7位 小野寺玲(那須ブラーゼン)
8位 大久保陣(宇都宮ブリッツェン)
9位 畑中勇介(チーム右京)
10位 アンドレア・ペロン(チーム・ノボ ノルディスク)
11位 マテイ・モホリッチ(チーム・キャノンデール・ガーミン)
12位 フェン・チュンカイ(ランプレ・メリダ)
13位 鈴木龍(那須ブラーゼン)
14位 中根英登(愛三工業レーシング)
15位 マルティン・フェルスホール(チーム・ノボ ノルディスク)
16位 アイラン・フェルナンデスカサソラ(マトリックスパワータグ)
17位 窪木一茂(チーム右京)
18位 小坂光(クリテリウム・スペシャルチーム)
19位 吉岡直哉(那須ブラーゼン)
20位 シャルル・プラネ(チーム・ノボ ノルディスク)
25位 ホセ・ヴィセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ)
48位 向川尚樹(マトリックスパワータグ)
56位 吉田隼人(マトリックスパワータグ)
【2015ジャパンカップサイクルロードレース】UCI Asia tour Hors class
宇都宮市森林公園周回コース(1周10.3km)10.3km×14周=144.2 km KOM4回(3,6,9,12)
天候:晴れ 気温24℃
出走5名:ホセ・ヴィセンテ・トリビオ、ベンジャミ・プラデス、アイラン・フェルナンデス、吉田隼人、安原大貴
いよいよ本戦、今年は災害の影響でコースが短縮され、例年よりアップダウンの繰り返しとなるより厳しいコースレイアウトとなった。
しかしショートコースだけに古賀志林道~KOMのアタックも下りで捕まりやすい予想もされるが、唯一のアタックポイントとなる可能性が高い。
上りに強いホセとベンジャを中心に、好成績を目指しチーム一丸で戦う。
天気予報とは異なり朝から汗ばむほどの晴天。しかし前日晩にも雨が降っているため、路面は湿った箇所も多い。
観客数は8万人超えで驚くほどの人人人、そしてその熱気は選手たちを熱く奮い立たせる。
華やかにステージサインで声援を浴び、本戦がスタート。スタートからアタックがかかり、集団はハイペースで上りへ向かっていく。
上り区間のアタック戦からKOMをきっかけに7名の逃げ、ここに大貴が入った。
安原大貴(マトリックスパワータグ)
マルティン・フェルスホール(チーム・ノボノルディスク)
エリック・シェパード、ルー・シァオシュアン(アタック・チーム・ガスト)
青柳憲輝(宇都宮ブリッツェン)
土井雪広(チーム右京)
鈴木龍(那須ブラーゼン)
メインは容認し、先頭グループは徐々にタイム差を広げていく。
3周目1回目のKOMは青柳、メインとのタイム差は3分に達し、しばらくこの状況が続く。マトリックスは集団中ほどで落ち着いた様子。
6周目にはタイム差3分20秒、メインの前面はトレックが固め先頭は2回目のKOM争いへ。大貴も狙うが届かずエリック・シェパードが獲り、そのまま単独逃げていく。
大貴ら後続とは30秒ほど、8周目に入るとメインも徐々にペースを上げ始め、タイム差を2分台へ縮めていく。
9周目、粘っていた大貴がドロップしメインへ戻る。メインとセカンドグループは2分を切り1分30秒。先頭エリックは逃げ続け9周目3回目のKOMも獲る。
メインはどんどんペースが上がって行き、脱落者が出始めてきた。やがて11周目にメインから宇都宮ブリッツェンが隊列を作り飛び出していく。
この動きでセカンドグループは再編、増田成幸、鈴木譲(宇都宮ブリッツェン)、初山翔(ブリヂストン・アンカー・サイクリングチーム)の3名がエリックを捕らえKOMへ。
メインは大きく分かれ人数が絞られている。マトリックスはホセ、ベンジャ、アイランが残っているがどんどんペースが上がっている。
12周目最後のKOMは初山。しかしペースアップしたメインはその後先頭を吸収し、集団ひとつに。
活性し続けるメインから今度は2名が抜け出し先行する。マティ・モホリッチ(チーム・キャノンデール・ガーミン)と山本元喜(NIPPO・ヴィーニ・ファンティーニ)
13周目の古賀志上りで激しいアタックがかかり、数名が抜け先頭を捕らえながらKOMを超え先行、そこへ下りで追いついたベンジャも入る。
ベンジャミン・プラデス(マトリックスパワータグ)
マテイ・モホリッチ(チーム・キャノンデール・ガーミン)
デディエゴ・ウリッシ、ヤン・ポランク(ランプレ・メリダ)
ベン・スウィフト、セバスティアン・エナオゴメス(チーム・スカイ)
バウク・モレマ(トレックファクトリーレーシング)
新城幸也(日本ナショナルチーム)
抜けたグループは8名、コントロールラインへ入る辺りで1名、フローリス・ゲルツ(BMCレーシング・チーム)が追いつき、いよいよ9名でラストラップへ。
最後のアタックポイント古賀志林道の上り、ウリッシのアタックをきっかけに激しいアタックから4名が抜ける。ベンジャも反応したが脚が攣ってしまい離れてしまう。
抜けた4名は、ウリッシ、ゲルツ、モレマ、新城。4名のままゴールスプリントへ、制したのはモレマ、続いてウリッシ、新城。
離れたベンジャは単独でゴールを目指し8位ゴール。マトリックスは過去の監督以来、そしてチーム創立初のひとケタ順位となった!
[監督のコメント]
前半、大貴が逃げてくれて、そのあと他4名も頑張ってくれて、特にベンジャが最後で前に追いついて(これ、イケるかな)と思ったら脚攣って離れてしまったけど、
ひとりで頑張ってくれてひとケタ順位に入ってくれたし、まあまあやったな。
まぁ、しかし、今日は大貴が調子悪くて前に出られへんかったから、アフターパーティで土井にだいぶシメられとったな、ウチの可愛い王子を。
しかし、チーム右京のスタートリストのメンツを見て、(あ、土井、やったな)と思った。
[順位]
1位 バウク・モレマ(トレック・ファクトリー・レーシング) 3h53’40”
2位 ディエゴ・ウリッシ(ランプレ・メリダ)
3位 新城幸也(日本ナショナルチーム)
4位 フローリス・ゲルツ(BMCレーシング・チーム) +1″
5位 ヤン・ポランク(ランプレ・メリダ) +11″
6位 マティ・モホリッチ(チーム・キャノンデール・ガーミン) +16″
7位 セバスティアン・エナオゴメス(チーム・スカイ) +22″
8位 ベンジャミ・プラデス(マトリックスパワータグ) +44″
9位 ベン・スウィフト(チーム・スカイ) +1’22”
10位 畑中勇介(チーム右京) +1’54”
11位 ミヒャエル・シェアー(BMCレーシング・チーム)
12位 マヌエーレ・モーリ(ランプレ・メリダ)
13位 ピエルパオロ・デネグリ(NIPPO・ヴィーニ・ファンティーニ)
14位 初山翔(ブリヂストン・アンカー・サイクリングチーム)
15位 ハビエル・メヒヤス(チーム・ノボ ノルディスク)
16位 ホセ・ヴィセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ)
17位 増田成幸(宇都宮ブリッツェン)
18位 伊藤雅和(愛三工業レーシング)
19位 リュウ・シュウミン(アタック・チーム・ガスト)
20位 早川朋宏(愛三工業レーシング)
37位 アイラン・フェルナンデス(マトリックスパワータグ)
DNF 吉田隼人(マトリックスパワータグ)
DNF 安原大貴(マトリックスパワータグ)
photo by Hideaki TAKAGI