RACE REPORT

全日本選手権タイム・トライアル・ロード・レース

日付:
2024年04月20日
開催地:
石川県羽咋郡志賀町宿女周辺特設ロードレースコース(13.1 km/周)
距離:
39.3 km (13.1 km× 3 周)
天候:
晴れ 気温24℃
出走:
佐野 淳哉

いよいよ今期のシーズン頂点、全日本選手権が始まる。今年はタイムトライアルとロードレースは日程も開催地も別でそれぞれの開催となる。先ずはタイムトライアルから、TTスペシャリストの佐野淳哉がチームからひとり参戦となる。
機会の少ないタイムトラアル競技、他大会では表彰台トップに立つことはあったが、この全日本選手権では幾度も表彰台に立つことはあったが優勝には届かず、悔しい思いをしてきた。昨年はライバル視してきた西薗良太の快走が上回り2位。今年こそ表彰台のトップを!と万全の準備で臨む。

男子エリートでのスタートリストは最終28名、3つのWAVEに分けられ2分毎にスタートしていく。今年の注目選手はそれぞれ分散しており、前半からチェックが必要。佐野は今年の最有力候補者として注目を浴びながら、WAVE3の最終走者でのスタート。

WAVE1では54分台、WAVE2に入ると53分台へと突入していく。コースは前半がアップダウンを多く含み、後半は平坦基調でのゴール。6番手でスタートした小石祐馬(チーム右京)が51分54秒01とそれまでのタイムを大きく更新すると、その2人後にスタートした近谷 涼(チームブリヂストンサイクリング)が51分26秒60を出し、WAVE2終了時点で暫定トップに立つ。ラップのトップタイムは近谷の17分01秒6、最終WAVEは注目の強豪選手が並び、このタイムを目安としてスタートしていく。

残る6名、2番目スタートの窪木一茂(チームブリヂストンサイクリング)が、ラップタイム16分45秒7と驚くタイムで1周回を完了、そのタイムを聞きながら佐野がスタートした。佐野は「人生で最大のギア」と本人が語る、出力重視の機材設定で挑む。1周目を落ち着いて走行し、3番手タイムで完了。スピードを乗せて更に上げて行く勝負の2周目に入って間もなく、チェーンが落ちる機材トラブル発生。
機材交換をして走るがこの停止ロスは致命的、この周回は12位まで順位を落とすこととなってしまう。

それでも諦めず再度機材を交換してのラストラップ。渾身追い込む佐野の気迫は凄まじく、一気に6位まで順位を上げ残り半周へ。その走りは上位に届く奇跡を思わせるほどのもので最終ラップは16分53秒7と窪木に続く2番手のタイムで走行したが、2度の機材交換ロスの影響はやはり大きく、結果6位で終えることとなった。

一方、最速タイムで先行していた窪木は乱れることなくタイムを落とさず素晴らしい走りを見せ、2位に1分以上の差をつけての勝利。2位は同じブリヂストンの近谷、トラック競技でも一目置かれているチームブリヂストンサイクリングのワン・ツー表彰台となり、3位には小石が入った。

リスクを伴いながらも最大の出力へ懸けた佐野自身の勝負でもあったチャンピオンシップ。しかし人馬一体の自転車競技ならではの結果、悔しく残念ではあるがこれも含めて競技。「これからもまだ走る」とコメントする佐野、これからもチャレンジし続けていくであろう。

続いて今週末は全日本選手権ロードレース。今度はチームでチャンピオンシップへ臨みます。

【結果】
1位 窪木一茂(チームブリヂストンサイクリング ) 50分23秒92
2位 近谷 涼(チームブリヂストンサイクリング ) +1分2秒
3位 小石祐馬(チーム右京) +1分30秒
4位 小野寺玲(宇都宮ブリッツェン) +1分36秒
5位 渡辺翔太郎(愛三工業レーシングチーム) +1分39秒
6位 佐野淳哉(マトリックスパワータグ) +1分42秒
7位 阿部嵩之(宇都宮ブリッツェン) +2分8秒
8位 石橋 学(チームブリヂストンサイクリング ) +2分22秒
9位 鈴木 譲(宇都宮ブリッツェン) +2分40秒
10位 岡本 隼(愛三工業レーシングチーム) +2分43秒


photo by Satoru Kato