RACE REPORT

JBCF那須塩原クリテリウム

日付:
2024年03月29日
開催地:
栃木県那須塩原市那須塩原駅前片側2車線道路を利用した1周2.3㎞の周回コース
距離:
62.1km(2.3km × 27周回)
天候:
晴天 気温30℃
出走:
アイラン フェルナンデス, ホセ ビセンテ トリビオ, 佐野 淳哉, 土井 雪広, 安原 大貴, 向川 尚樹

”ホセ・ビセンテ・トリビオが優勝!アイラン・フェルナンデスが2位でワン・ツー勝利!!”

ⓒShizu Furusaka

 

Jプロツアー第9戦(レイティングAc)

UCIシリーズを経ての久しぶりのJプロツアーな那須での2連戦。今季3度目の栃木県でのレースとなる。
自転車レースを受け入れ歓迎してくれる地域の方々の盛り上がりは日本一と言っても過言ではない、今回も華やかな会場を用意いただき参加選手達を出迎えてくれた。

昨年まで恒例となっていたクリテリウムの予選→決勝方式を今年は一発決勝方式へ変更しつつある。今回も宇都宮と同様、出走を6名に絞り一発決勝、そしてコースは昨年の逆走となった。昨年ホセが逃げ切りで優勝した雨のレース、今年は真夏日の晴天での62.1km。クリテリウムとしては長く、逆走コースはTの字で完全Uターン3箇所を含むコーナー5箇所、選手曰く“100回以上もがく”レース。かなり激しいレースとなるだろう。

スタートから止むことないアタック連発戦。宇都宮ブリッツェン、チームブリヂストンサイクリングが積極的にアタックをかける。特にトラック中心のブリヂストンサイクリングは今回メンバーが揃い、競輪プロの橋本英也も加わりJプロツアーデビュー戦。クリテリウムでは最も危険視すべきチームとなる。マトリックスも応戦しながら前方へ、このコースは後方に位置するだけでかなり不利となる。

ラップ4分ほどでハイペースは緩まず集団は常に一列棒状。先頭はブリヂストン、ブリッツェン、マトリックスにシマノレーシング、那須ブラーゼン。5周毎に賞金かかったスプリント賞もあり、レースを更に活性させる。油断ならないのはスプリント賞後のカウンターアタック、先頭に出るメンバーを見てマトリックスも佐野、大貴、向川が都度チェックに入る。

1回目のスプリント賞を地元那須ブラーゼンの樋口峻明が獲り、6周目へ。ここでブリッツェンから鈴木譲が飛び出し先行、それをシマノから入部正太朗が追走に出る。これは油断ならずマトリックスが佐野を先頭に隊列を組んで追う。入部を吸収すると今度は横山航太が出る、そして先頭の鈴木を吸収すると今度は阿部嵩之が・・・シマノレーシングと宇都宮ブリッツェンの波状攻撃が始まり、集団の緩急が激しくなる。後尾からバラバラと脱落者が出始め、集団はみるみるうちに人数が減りだした。

やがて10周目、2回目のスプリント賞へ。阿部へのチェックで出たホセ、ブリッツェンの雨澤と3名で先行しホセがスプリント賞獲得。この3名は意思が一致したか3名で逃げ始める。ホセはチェックの姿勢だが大きな動きは許さない。時として3名は激しく仕掛けあいながらも先行する。メインではブリヂストンが先頭を固め追走開始。シマノレーシングも加わり15周目にはホセらを吸収、ひとつになった集団からのスプリントでブリヂストンの窪木一茂がスプリント賞を獲る。

メインはシマノレーシングが固めるが、ここで佐野が先頭に立ち、更にペースアップをはかる。集団は切れ切れになり、更に人数が減る。強豪チームからも脱落者が出始め、灼熱の止まない激しいアタック戦で疲れが出てきたかメインでは落車が散発している。19周目、メインから鈴木譲が飛び出し、ここへ土井がチェックにつき2名で先行、スプリント賞は鈴木が獲るも翌周には2名も吸収、代わるアタックは止まずメインには20名ほどしか残っていない。マトリックス、宇都宮ブリッツェン、シマノレーシングは人数を残しているが、チームブリヂストンサイクリング、那須ブラーゼンは人数が減っている。

22周目、疲れが見えてきているメインから再び佐野がアタックしてペースを上げると集団崩壊、分断された先頭は8名で24周目。いよいよ終盤、ここでホセがアタックし単独抜ける。追走はアイランと土井がしっかりと押さえ、ホセは安定の独走態勢へ。ホセはそのまま30秒ほどの差をつけて悠々のガッツポース!昨年に続き大逃げ2連覇達成となった。

残るセカンドグループは、アイラン、ブリッツェンの雨澤毅明、シマノの木村圭祐、EQADSの松田祥位。
このスプリント勝負をアイランが制し2位!マトリックスがワン・ツーを決めた。
完走はたった16名の中、残るメンバーは全力尽くしてゴールし、チーム揃っての好成績で終えることができた。そして、この結果、アイランはランキング2位に上がり、ルビーレッドジャージ(リーダー)へ手が届くところまで近づいた。上位3名はかなりの接戦状態。チームの士気は上がっている、翌日のロードレースはポイントも高く総合争いも激化してくるであろう。心してチーム一丸で戦う。

【結果】
1位 ホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ) 1時間25分18秒
2位 アイラン・フェルナンデス(マトリックスパワータグ) +26秒
3位 松田祥位(EQADS)
4位 木村圭佑(シマノレーシング)
5位 雨澤毅明(宇都宮ブリッツェン) +31秒
6位 小野寺玲(宇都宮ブリッツェン) +57秒
7位 土井雪広
9位 安原大貴
12位 佐野淳哉
DNF 向川尚樹

【個人総合】
1位 岡 篤志(宇都宮ブリッツェン)
2位 アイラン・フェルナンデス(マトリックスパワータグ)
3位 窪木一茂(チームブリヂストンサイクリング)

photo by Satoru Kato、Shizu Furusaka