RACE REPORT

ツール・ド・とちぎ

日付:
2017年03月31日
開催地:
栃木県
距離:
全3ステージ 317km
天候:
出走:
アイラン フェルナンデス, ホセ ビセンテ トリビオ, 佐野 淳哉, 土井 雪広, 吉田 隼人, 安原 大貴

ツール・ド・とちぎ2017 UCI Asia Tour 2-2
3月30日(金)~4月2日(日)全3ステージ 317km
出走6名:ホセ・ビセンテ・トリビオ、アイラン・フェルナンデス、佐野淳哉、土井雪広、吉田隼人、安原大貴


国内のUCIレースが新たに誕生した。記念すべき第1回のツール・ド・とちぎへ参戦する。
距離は短いが全てのステージがラインレースとなる設定は国内では希少。次回との2開催で栃木県全域を疾走する設定とのこと。
各地春の訪れを感じる時節ではあるが、コースを見下ろす山々はまだ白く時折冷たい息を吹きかけてくる。

コースは山間ではあるが全体には緩やかな勾配で平坦基調。距離も短く集団でのゴール勝負が予想される。
海外チームも多くなくチャンスは多い。マトリックスは好調の隼人を主軸として戦う。

チームプレゼン


【第1ステージ】
日光市~足利市の113km KOMが2回、HSが1回
天候:曇り 気温12℃

スタートからパレードを含みながら下る基調のコースで、レースがリアルに動き出したのは20km地点辺り。
距離もステージも短いため秒の争いを意識してアタックがかかり始める。
なかなか決まらないまま1回目のKOMへ向かう集団だが、KOMへ向けて激しく活性。
チーム右京のサルバドール・グアルディオラ、キナンサイクリングチームのジャイ・クロフォード、トマ・ルバら外国人を中心に激しくアタックがかかりKOMを抜けるとそのまま下りへ。
縦長になった集団はそのまま先頭14名が抜け、マトリックスからはホセと土井が入る。この14名はかなり有力なメンバーで有力チームはそれぞれ乗せている。

ホセ・ビセンテ、土井雪広(マトリックスパワータグ)
鈴木譲、岡篤(宇都宮ブリッツェン)
西薗良太、鈴木龍(ブリヂストンアンカーサイクリングチーム)
ジャイ・クロフォード、トマ・ルバ(キナンサイクリングチーム)
畑中勇介、サルバドール・グアルディオラ、エゴイツ・フェルナンデス(チーム右京)
ベンジャミン・ヒル、マリオ・ヴォクト(アタッキ・チーム・グスト)
ショーン・ホワイトフィールド(オリヴァーズ・リアル・フード・レーシング)

メインとのタイム差は1分前後、まだ射程圏内でいずれ捕まえ一気に集団ゴールへの展開か・・・と予測する。
ストロングなメンバーの先頭グループは快調ペースで進み、やがて80km地点を超えて2回目のKOMが近づいてくる。
予想よりメインの思惑が協調しない、殆どのチームはゴール勝負も狙えるメンバーを先頭に送り込んでいる。
乗せてないのは那須ブラーゼン、懸命にメインを牽引し追う姿勢を見せる。
マトリックスは隼人勝負としたいため捕らえたい。BSアンカーとともに協調するが他のチームは協調せず思うようにペースが上がらない。

やがて2回目のKOMへ向け、先頭はアタックがかかり活性、更にタイム差を広げていくことになる。
残り10kmほどでタイム差は1分45秒。逃げ切りが濃厚になってきた。
メインの動きは徐々に先頭へ委ねる姿勢が強くなり追う動きが緩んでくる。引き続けているのは那須ブラーゼン。

HSを超え残り5km、先頭グループではアタックがかかり始める。マトリックスはホセと土井へ勝負を委ねる。
仕掛け合いながらゴール手前で抜け出たサルバドールが4秒抜けでゴール。反応した後続のスプリントからホセが4位でゴールした。
メインはなんと2分以上も開いてゴール。予想を覆す大差がつき総合争いは既に絞り込まれたような第1ステージとなった。
マトリックスはホセ、土井が先頭で高順位となり、チーム総合は2位につけ先ず先ずの初日となる。


〔ステージ結果〕
1位 サルバドール・グアルディオラ(チーム右京) 2時間16分4秒
2位 岡 篤志(宇都宮ブリッツェン) +4秒
3位 ベンジャミン・ヒル(アタッキ・チーム・グスト)
4位 ホセ・ビセンテ(マトリックスパワータグ)
5位 畑中勇介(チーム右京)
6位 エゴイツ・フェルナンデス(チーム右京)
7位 ジャイ・クロフォード(キナンサイクリングチーム)
8位 鈴木龍(ブリヂストンアンカーサイクリングチーム)
9位 土井雪広(マトリックスパワータグ)
10位 トマ・ルバ(キナンサイクリングチーム)
19位 アイラン・フェルナンデス(マトリックスパワータグ)
49位 佐野淳哉(マトリックスパワータグ)
61位 吉田隼人(マトリックスパワータグ)
62位 安原大貴(マトリックスパワータグ)


〔個人総合〕
1位 サルバドール・グアルディオラ(チーム右京) 2時間16分4秒
2位 岡 篤志(宇都宮ブリッツェン) +6秒
3位 ベンジャミン・ヒル(アタッキ・チーム・グスト)+7秒
4位 ジャイ・クロフォード(キナンサイクリングチーム)+13秒
5位 ホセ・ビセンテ(マトリックスパワータグ)+14秒
6位 畑中勇介(チーム右京)
7位 エゴイツ・フェルナンデス(チーム右京)
8位 鈴木龍(ブリヂストンアンカーサイクリングチーム)
9位 土井雪広(マトリックスパワータグ)
10位 トマ・ルバ(キナンサイクリングチーム)


〔チーム総合〕
チーム総合成績
1位 チーム右京 6時間48分20秒
2位 マトリックスパワータグ +2分5秒
3位 アタッキ・チーム・グスト


【第2ステージ】
茂木市~那須町の101Km KOM1回、HS2回
天候:曇り時々雨 気温7℃

山間のコースでアップダウンは一番多いステージ。しかしそれほど極端でもなく、やはり最後は集団ゴールスプリントを予測する。
マトリックスは隼人の主軸は変わらず、そして総合5位ホセは総合上位を狙いポジションアップを目指す。チャンスは幾つもある。
天候は極端に変化し気温がかなり低くなる予想、そして雨。。。厳しい一日となりそうだ。
夜半降り続いていた雨は上がりほっとする小康状態。しかし雲は重く低くかなり寒い。ゴール地点の那須高原は更に気温は低いだろう。

スタートから激しくアタックがかかり、キナンサイクリングチームの積極的な動きが目立ち集団を引き倒している。
この動きで早々から20名強の逃げが出来る。マトリックスはここにホセ、土井、アイランが入る。
まだ人数を絞りたい動きが止まらない。キナンやBSを中心に緩めることなく集団を引き倒し、幾度も分断しながら人数が減っていく。
30km地点あたりで集団は大きく分断し、マトリックスはホセとアイランが残り人数13名。

ホセ・ビセンテ、アイラン・フェルナンデス(マトリックスパワータグ)
ジャイ・クロフォード、マルコス・ガルシア、山本元喜(キナンサイクリングチーム)
増田成幸、鈴木譲(宇都宮ブリッツェン)
鈴木龍、石橋学(ブリヂストンアンカーサイクリングチーム)
ベンジャミン・ヒル、ティモシー・ガイ(アタッキ・チーム・グスト)
マラルエデヌネ・バトムンフ(トレンガヌ・サイクリングチーム)
野本空(明治大学)

ここにチーム右京が入っていない、しかし昨日の逃げメンバーが多数含まれ総合争う意図は一致。協調してペースを上げながらHSへ。
アドバンテージを持つメンバーでのボーナスタイム争い、ベンジャミン・ヒル、鈴木譲、ジャイ・クロフォードの順で通過し、バーチャルリーダーはベンジャミン・ヒルへ。
マトリックスも同じ圏内に立つホセが入り、タイム差を持って逃げたいところ。アイランがつき力強くローテーションに加わる。

KOMを超えメインとのタイム差は2分近く、2回目のHSも激しく争い、ヒル、バトムンフ、ジャイの順で通過。
残り10kmほどでタイム差は1分45秒。メインでは右京を中心に懸命に引いているが差が縮まらない。
本日も逃げ切り濃厚となってきた。マトリックスはホセに好調のアイランがついている。

先行13名はゴール勝負へペースアップ、キナンやグストが揺さぶりをかけながらも集団のままスプリントへ。
獲ったのはトレンガヌのバトムンフ。マトリックスはアイラン4位、ホセ6位でゴールした。
普段とは異なるアイランの熱い走りに監督は高揚、明日へ向けての手応えを感じている。
そしてホセは総合4位、3位の鈴木譲とは1秒差。秒差争いはトップ4名に絞られ表彰台が近づいてきた。

〔ステージ結果〕
1位 マラルエルデネ・バトムンフ(トレンガヌサイクリングチーム) 2時間23分43秒
2位 ベンジャミン・ヒル(アタッキ・チーム・グスト) +0秒
3位 ジャイ・クロフォード(キナンサイクリングチーム)
4位 アイラン・フェルナンデス(マトリックスパワータグ)
5位 大久保陣(ブリヂストンアンカーサイクリングチーム)
6位 ホセ・ビセンテ(マトリックスパワータグ)
7位 鈴木譲(宇都宮ブリッツェン) +1秒
8位 増田成幸(宇都宮ブリッツェン)
9位 マルコス・ガルシア(キナンサイクリングチーム) 
10位 山本元喜(キナンサイクリングチーム)
16位 吉田隼人(マトリックスパワータグ)
24位 土井雪広(マトリックスパワータグ)
29位 安原大貴(マトリックスパワータグ)
59位 佐野淳哉(マトリックスパワータグ)

〔個人総合〕
1位 ベンジャミン・ヒル(アタッキ・チーム・グスト) 4時間39分32秒
2位 ジャイ・クロフォード(キナンサイクリングチーム) +12秒
3位 鈴木譲(宇都宮ブリッツェン) +18秒
4位 ホセ・ビセンテ(マトリックスパワータグ) +19秒
5位 サルバドール・グアルディオラ(チーム右京) +1分10秒
6位 岡篤志(宇都宮ブリッツェン) +1分16秒
7位 鈴木龍(ブリヂストンアンカーサイクリングチーム) +1分24秒
8位 マリオ・ヴォクト(アタッキ・チーム・グスト)
9位 トマ・ルバ(キナンサイクリングチーム)
10位 土井雪広(マトリックスパワータグ)


〔チーム総合〕
1位 キナンサイクリングチーム14:11’19”
2位 マトリックスパワータグ +0’55”
3位 宇都宮ブリッツェン +0’57”


【第3ステージ】
矢板市~宇都宮市の103km KOM1回、HS2回
天候:快晴 気温14℃

チーム面々は皆好調、まだ決め手はないがよい十分狙える位置づけである。
そして最終ステージは明らかな平坦でゴールは先日勝った宇都宮クリテ会場。今度こそ集団ゴールだろう。
ここを狙ってくるのはトラック選手中心という平坦強いオリヴァーズ・リアル・フード・レーシングだと予想しマークを決める。
もちろん隼人で勝負、そしてホセの総合、チームの総合、とにかくポディウムを目指そうと皆で固く誓い合う。

最終日にしてやっと天候回復し気温も上昇、気持ちの良い快晴でスタートを迎える。

スタートからアタック戦、BSアンカーが激しく責め、キナンも加わり集団を揺らす。
しかし集団もどの動きにもシビアに反応し逃がさない。常に一列棒状で落ち着く間もないハイペースが続く。
序盤にある1回目のHSも争奪戦、激しくスプリントがかかりホセも狙いに行くが3位通過。
鈴木譲が1位、ジャイ・クロフォードが2位、総合3位の鈴木とタイム差が開いてしまう。

集団はアタックの度に分裂するがすぐにまたひとつ。アタック⇔吸収が止まらないまま進行する。
動きの中心は変わらずBSアンカー、50km辺りレース折り返し地点でBSアンカーの石橋学が単独で逃げ始める。
メインはこの逃げを容認し、集団の動きはやっと沈静してくる。
リーダーのグストが集団コントロールし、先頭との差は1分を超えていく。

石橋との差は一時2分近くまで開くが、メインは冷静に見据えて淡々と進んでいく。
残り20km辺りから、ステージ狙いのオリヴァーズがコントロールに加わり、集団のペースを上げていく。
マトリックスもこの動きはチェックしながらも動き始めるタイミングを見計らう。
ところが下り区間で大貴が落車に巻き込まれてしまい痛い離脱。集団はペースを上げていく。

残り10kmを切り、石橋との差は1分を切る。マトリックスも前方へ移動しコントロールへ。
そして先頭固めるオリヴァーズ隊列に佐野が加わり、先頭で更にペースを引き上げながら捕えるタイミングを見計らう。
落車した大貴も集団に合流しチーム全員が揃った。
残り4kmで石橋は吸収、佐野がいる辺りにマトリックスは集まりオリヴァーズの番手へ、戦略どおりの態勢へ進めていく。

集団の位置取り争いも激しい。しかしオリヴァーズの壁は鉄壁で先頭を固めたまま。
マトリックスは狙いどおりその後ろ右側に位置し、土井から発射台アイランを用意しながら隼人を誘導する。
しかし、これが勝敗を分ける大きなトラップ(罠)となってしまう。

最終コーナー手前で車両誘導の右ルートへ先頭数名が流されてしまい、番手のマトリックスは遮断された状態。
混乱した集団から抜けた者でのゴールスプリントへ。
チーム右京のエゴイツ・フェルナンデスと畑中勇介がワンツー、マトリックスはアイラン7位が最高位となった。

様々な思いが残る最終ステージとなってしまったが戦略どおりに運べていたたことは確か。ホセ、土井がUCIポイントを獲得した。
次戦へ向けて進みます。


〔ステージ結果〕
1位 エゴイツ・フェルナンデス(チーム右京)           2h19’34”
2位 畑中勇介(チーム右京)
3位 ベンジャミン・ヒル(アタッキ・チーム・グスト)
4位 徳田匠(鹿屋体育大学)
5位 鈴木龍(ブリヂストンアンカーサイクリングチーム)
6位 モハマドシャルウ・マットアミン(トレンガヌサイクリングチーム)
7位 アイラン・フェルナンデス(マトリックスパワータグ)
8位 マリオ・ヴォクト(アタッキ・チーム・グスト)
9位 土井雪広(マトリックスパワータグ)
10位 柴田雅之(那須ブラーゼン)
12位 吉田隼人(マトリックスパワータグ)
15位 ホセ・ビセンテ(マトリックスパワータグ)
27位 安原大貴(マトリックスパワータグ)
50位 佐野淳哉(マトリックスパワータグ)


〔個人総合〕
1位 ベンジャミン・ヒル(アタッキ・チーム・グスト)      6h59’02”
2位 ジャイ・クロフォード(キナンサイクリングチーム)    +14”
3位 鈴木譲(宇都宮ブリッツェン)              +19”
4位 ホセ・ビセンテ(マトリックスパワータグ)        +22”
5位 サルバドール・グアルディオラ(チーム右京)       +1’14”
6位 岡篤志(宇都宮ブリッツェン)              +1’20”
7位 畑中勇介(チーム右京)                 +1’22”
8位 マリオ・ヴォクト(アタッキ・チーム・グスト)       +1’27”
9位 鈴木龍(ブリヂストンアンカーサイクリングチーム)   +1’28”
10位 土井雪広(マトリックスパワータグ)
15位 アイラン・フェルナンデス(マトリックスパワータグ)
34位 吉田隼人(マトリックスパワータグ)
36位 安原大貴(マトリックスパワータグ)
52位 佐野淳哉(マトリックスパワータグ)

 
〔チーム総合〕
1位 キナンサイクリングチーム  6h58’42”
2位 マトリックスパワータグ +0’55”
3位 宇都宮ブリッツェン +0’57”


photo by Hideaki TAKAGI

Jプロツアー2020 チームランキング
(2020年8月30日時点)
1位 宇都宮ブリッツェン 5,716p
2位 KINAN Cycling Team 4,381p
3位 マトリックスパワータグ 3,711p
4位 愛三工業レーシングチーム 3,332p
5位 TeamUKYO 2,729p
6位 弱虫ペダル サイクリングチーム 2,527p
Jプロツアー2020 個人ランキング
(2020年8月30日時点)
1位 小野寺 玲 1,587p
2位 ルバ トマ 1,498p
3位 ホセ トリビオ 1,497p
4位 増田 成幸 1,480p
5位 山本 元喜 1,462p
8位 レオネル キンテロ 1,289p