RACE REPORT

群馬CSCロードレース9月Day-3

日付:
2024年04月30日
開催地:
群馬サイクルスポーツセンター(6㎞コース/正回り) 群⾺県利根郡みなかみ町新巻3853
距離:
120km(6km×20周回) 中間スプリント10%×3回(3、6、15周回)
天候:
雨、霧 15℃
出走:
アイラン フェルナンデス, ホセ ビセンテ トリビオ, フランシスコ マンセボ, 吉田 隼人, 安原 大貴, 小森 亮平, 狩野 智也, 小林 海

Jプロツアー第17戦
レースレイティング:ブロンズ

” 秋雨の霧中に見え隠れする戦略戦は主動獲れず敗退、ホセのリーダーは死守”

これまで2位以下を大きく突き放してトップを走っていたチームだったがこの後半5戦で僅差に詰め寄られホセと2位の岡本の差は1戦逆転の脅威に陥っている。何度も綿密に作戦を立てて臨むも思うように運ばず苦しい状況。今後の開催不安もあり絶対に落とせない3日目、前晩よく話し合い引き締めてスタートに立つ。

今季最後の群馬CSCは朝から冷たい雨、気温も低く更に霧も出てくる悪天候、そして馴染みある正回りへ変更してのレース。こんな日の勝利も多いチームとしては“恵の荒天”として捉え落ち着いて臨む。

スタートから雨足が強くなり集団の様子も重い、スタートはハイペースで愛三工業レーシングチーム、やシマノレーシングが積極的に動くがさほど上がらず、1回目のスプリントへ向けて13名が出た。メンバーは揃っておらず集団は反応しない。スプリントは入部正太朗(弱虫べダルサイクリングチーム)が獲り、そのまま11名が先行、マトリックスは入っていない。

伊藤雅和、中川 拳(愛三工業レーシングチーム)
天野壮悠、床井亮太(シマノレーシング)
河野翔輝(TEAM BRDGSTONE Cyclimg)
入部正太朗、香山飛龍(弱虫べダルサイクリングチーム)
中村龍吉(群馬グリフィンレーシングチーム)
湯浅博貴(EQADS)
織田 聖(JCF強化選抜チーム オープン)
佐野淳哉(セレクションチーム オープン)

上位チームはきっりち入れている中、マトリックスのみが入っていない状況、しかしメインは完全に容認の構えでタイム差はどんどん開いていく。ここでマリノが追走に動き3名で先頭を追う、その差40秒。

小林 海(マトリックスパワータグ)
橋本英也(TEAM BRDGSTONE Cyclimg)
白川幸希(CIEL BLUE KANOYA)

橋本を含み好いメンバー、順調に回していけばまだ追いつける。ところが、マリノは初日の落車の影響でペースが上がらない、そして白川もついて行けず5周目には追走崩壊、バラバラとなってしまい先頭との差は更に広がってしまう。やがて後続からの数名が入り追走は再び6名のグループになったが、先頭とは2分近くに開いていた。更にメインまでは3分以上、集団前方はマトリックスや愛三が固めまったりとしている。

小林 海(マトリックスパワータグ)
橋本英也(TEAM BRDGSTONE Cyclimg)
白川幸希(CIEL BLUE KANOYA
佐野千尋(イナーメ信濃山形)
内田宇海、柴田雅之(セレクションチーム オープン)

2回目の中間スプリントは香山が獲り先頭は7周目へ。激しい雨にペースは少しずつ落ちてきているが後続との差は更に広がり4分近く。追走も1分ほどで差は詰まらず、橋本とマリノは集団に戻りチームの動きはリセット。残る追走5名にも勢いがない。霧が出始め視界も悪くなってきた。

9周目に入るとメインとの差は4分10秒を超え、このまま進むとラップアウトの可能性さえ出てくる。10周目、激しい雨と深い霧とに先頭のラップタイムも大きく落ちて9分30秒。メインでは追走をかけていた橋本を先頭にBSトレインが牽き始めペースアップしていく。

12周目にはその差3分ほどまで縮め、尚も集団先頭は譲らずBSトレイン。このペースアップで後尾から人数は減り始めている。マトリックスもトレインを組みBSの後ろに隊列、再び、愛三、シマノと隊列が揃い始める。
BSは少しずつその人数を減らしながらもトレイン牽引を貫く、14周目には先頭まで3分をきってくる。先頭も協調体制は崩れず順調、最後のスプリントを天野が獲り16周目へ。メインとは2分近くまで縮まってきた。

BSは牽引人数を4名ほどまでに減らしながら先頭との差は1分20秒まで縮める。残り3周、マトリックス、シマノ、愛三が隊列してBSトレインに続き、ついに1分をきって残り2周、まだまだその差を詰めていく中で、先頭から入部がアタックしてラストラップへ。いよいよ捕える動きで更にペースアップしたメインは人数激減、前方にはパコとホセのみが残った状態で後続もラストラップへ。

先頭も入部を中心にまだ粘る、捕えられる間際のバックストレートは縦長の11名、そこへメインからの先頭が繋がり、集団でのゴールスプリントへ。
先頭が前方に残りつつも後続から上がってした数名から伸び上がってきたのはまたもやBSの今村駿介、ホセとパコも前方に追いつきホセ5位、表彰台は逃したが何とかリーダー死守した。

結果、今季ラストの群馬CSCでの3連戦は群馬マスターとも言われるTEAM BRDGSTONE Cyclimggが全勝。昨シーズン、今シーズンともに6戦設定されているこのコース、攻略なければツアー総合は難しいとも言える。Jプロツアーは残り3戦予定、ホセの総合は僅差で厳しい緊張感が続く。チーム一丸でリーダーを守り抜きます。

また、このレースでアイラン・フェルナンデス選手が引退を発表し、日本で過ごした8年間で最も多く走ったこの群馬CSCへ別れを告げました。
出走データ上で若干のDNF減を含みますが、彼はこの8年間で通算6㎞×455周回=2730㎞を競技したことになります。献身的なアシストでチームを勝利へ誘導する素晴らしい走り、そしてスペイン国とチームとを親密にしてくれた彼に心から感謝し、今後の幸せを願います。そしてアイラン選手を応援いただきありがとうございました。

Photo by Satoru Kato

【結果】
1位 今村駿介(TEAM BRDGSTONE Cyclimg) 3時間03分09秒
2位 天野壮悠(シマノレーシング) +0’00”
3位 岡本 隼(愛三工業レーシングチーム)
4位 香山飛龍(弱虫べダルサイクリングチーム)
5位 ホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ)
6位 沢田 時(TEAM BRDGSTONE Cyclimg)
9位 フランシスコ・マンセボ(マトリックスパワータグ)
34位 小森亮平(マトリックスパワータグ)
39位 安原大貴(マトリックスパワータグ)
43位 吉田隼人(マトリックスパワータグ)
50位 アイラン・フェルナンデス(マトリックスパワータグ)
DNF 狩野智也(マトリックスパワータグ)
DNF 小林 海(マトリックスパワータグ)

【個人総合】
1位 ホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ) 2995p
2位 岡本 隼(愛三工業レーシングチーム)    2735p
3位 今村駿介(TEAM BRDGSTONE Cyclimg) 2445p

【チーム総合】
1位 マトリックスパワータグ       8560p
2位 TEAM BRDGSTONE Cyclimg 7311p
3位 愛三工業レーシングチーム    6397p