RACE REPORT
ツール・ド・とちぎ2019
- 日付:
- 2024年11月23日
- 開催地:
- 栃木県内全3ステージ
- 距離:
- 栃木県内全3ステージ 272.7km
- 天候:
- 出走:
- アイラン フェルナンデス, ホセ ビセンテ トリビオ, フランシスコ マンセボ, オールイス アルベルト アウラール, 小森 亮平, 安原 大貴
UCI Asia Tour 2-2
3月22日(金)~3月24日(日) 栃木県内全3ステージ 272.7km
ステージ1: 真岡市(3 km – タイムトライアル)
ステージ2: 矢板市(14.9km×8周,119.2km)
ステージ3: 那須烏山市~足利市(150.5km)
“オールイス・アルベルト・アウラールが個人総合2位! チーム総合優勝!!”
2019年国内でのUCIレースはこのとちぎから始まる。昨年同様、極端な三寒四温となり白い山々に囲まれながら初日は20℃を超える初夏の陽気、2日目からは一変して真冬日と激しい寒暖差の中でのレースとなった。個人TT、周回ロードレース、ラインロードレースの3本立てでの開催、シーズン始めから勝利が続いているマトリックスは続く快進撃で勝利を掴みたい。
【第1ステージ】
真岡市井頭公園 個人タイムトライアル(TT) 3.0km
天候:晴れのち曇り 気温20℃
コースはフラット1周3.0km。道狭いコーナーと池周りの風がタイムへの影響となる。翌第2ステージも平坦基調の周回レースとなるため、この1秒2秒のタイム差が大きい。中南米でのTTジュニアチャンピオンという履歴を持つオールイスと、TT得意なホセ、大ベテランのパコを軸に狙っていきたい。
ライダー87名が30秒毎にスタート、タイムは4分をボーダーとしてスタートした。序盤に中田拓也(シマノレーシング)が4分をきり3分59秒でトップタイムをしばらく保持、41番目スタートのアンガス・ライオンズ(オリヴァーズ・リアル・フード・レーシング)が3分48秒で更新すると、3分40秒台の争いに入っていく。
67番目スタートのオールイスがスタート。これまでのトップタイムを見ながら「問題ない」と言ったとおり、3分46秒と大きく更新して帰ってきた。オールイスは暫定トップのまま、最終走者のベンジャミン・ダイボール(チーム・サプラ・サイクリング)がスタート。やはり実力者だけにベンジャミンは強かった、3分45秒とまた1秒近くの差で逆転勝利、しかしオールイスと3秒内差は3名、翌ステージへ優位な2位につける。パコ、ホセも上位タイムを出しチームは3位につけての初日となり、持ちタイムを活かしてロードレースを勝負していく。
〔ステージ結果〕
1位 ベンジャミン・ダイボール(チーム・サプラ・サイクリング) 3分45秒77
2位 オールイス・アルベルト・アウラール(マトリックスパワータグ) +0秒88
3位 マリオ・ヴォクト(チーム・サプラ・サイクリング) +0秒97
4位 アンガス・ライオンズ(オリヴァーズ・リアル・フード・レーシング) +2秒36
5位 パク・サンフン(LXサイクリングチーム) +3秒91
6位 ライアン・シュルト(オリヴァーズ・リアル・フード・レーシング) +4秒15
7位 近谷涼(チームブリヂストンサイクリング) +7秒18
9位 アレクセイス・サラモティンス(インタープロサイクリングアカデミー) +7秒95
10位 アメフット・オルケン(サルカノ・サカリヤ・BBチーム) +9秒00
12位 フランシスコ・マンセボ(マトリックスパワータグ) +10秒47
14位 ホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ) +11秒20
33位 アイラン・フェルナンデス(マトリックスパワータグ) +16秒66
56位 安原大貴(マトリックスパワータグ) +23秒20
77位 小森亮平(マトリックスパワータグ) +23秒11
〔個人総合〕
1位 ベンジャミン・ダイボール(チーム・サプラ・サイクリング)
2位 オールイス・アルベルト・アウラール(マトリックスパワータグ)
3位 マリオ・ヴォクト(チーム・サプラ・サイクリング)
4位 アンガス・ライオンズ(オリヴァーズ・リアル・フード・レーシング)
5位 パク・サンフン(LXサイクリングチーム)
6位 ライアン・シュルト(オリヴァーズ・リアル・フード・レーシング)
7位 近谷涼(チームブリヂストンサイクリング)
9位 アレクセイス・サラモティンス(インタープロサイクリングアカデミー)
10位 アメフット・オルケン(サルカノ・サカリヤ・BBチーム)
〔チーム総合〕
1位 チーム・サプラ・サイクリング 11分28秒
2位 オリヴァーズ・リアル・フード・レーシング +5秒
3位 マトリックスパワータグ +10秒
【第2ステージ】
矢板市 道の駅やいた周回コース 14.8km×8周回=119,2km KOM3回、SP3回
天候:晴れのち曇り 気温3℃
一変して冬へ逆戻り、最高気温が3℃までしか上がらずとても寒い。コースは平坦基調の周回で田んぼのあぜ道を含み道幅狭く荒れた路面箇所もある。集団ゴールとなる可能性が高いため中間スプリントのボーナスタイムが重要、どのチームも狙ってくるであろう。2位につけているオールイスへ獲らせリーダーを手にしたい。チームは念入りにライダーチェックをしてミーティングをする。オールイスはネクストリーダーとしてポイントリーダージャージをまとって前列に並ぶ。震えるほどの寒さの中、ロードレースがスタートした。
スタートからアタックがかかり集団は激しく動く、直ぐにKOM、SPの周回が来るため一旦は落ち着くも2周毎のため落ち着く間もない。集団はリーダーを擁するチーム・サプラ・サイクリングが前を固めコントロール、その後ろはマトリックスパワータグが隊列している。2回目のKOM、SPへ向けて各チームが隊列し始める。2回目のSPへ向けて4名が抜けると追走でオールイスら数名が追走し先頭13名でSPラインを通過、オールイス2着で通過しボーナスタイム2秒を獲得、バーチャルリーダーに立つ。先頭13名はそのまま先行を続け、メインは沈静し2分以上に開いていく。
残り3周をきるとメインが再び活性、チーム右京を中心に猛追をかけてオールイスら先頭を吸収、集団ひとつでラストラップへ。激しいチーム間の位置取り争いの中、マトリックスもパコの誘導で位置取っていく。集団ひとつのまま最終コーナーへ、オールイス前方に入りスプリントに入るところでメカトラ発生、炸裂できないままなんとか集団10位でゴール。
しかし獲得したボーナスタイムが活き僅か1秒差だがリーダーに立った。翌日の最終ステージは勾配区間も含むラインレース、僅差の総合争いは混沌と激しいものとなるであろう。チーム一丸でリーダーを守る。
〔ステージ結果〕
1位 マリオ・ボグダノヴィッチ(インタープロサイクリングアカデミー) 2時間38秒31
2位 レイモンド・クレダー(チーム右京) +00
3位 黒枝士気(チームブリヂストンサイクリング)
4位 アメフット・オルケン(サルカノ・サカリヤ・BBチーム)
5位 パク・サンホン(LXサイクリングチーム)
6位 山本大喜(キナンサイクリングチーム)
7位 鈴木龍(宇都宮ブリッツェン)
8位 アレクセイス・サラモティンス(インタープロサイクリングアカデミー)
9位 ロビー・ハッカー(チーム右京)
10位 オールイス・アルベルト・アウラール(マトリックスパワータグ)
22位 ホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ)
25位 アイラン・フェルナンデス(マトリックスパワータグ)
29位 フランシスコ・マンセボ(マトリックスパワータグ)
64位 安原大貴(マトリックスパワータグ) +13秒
68位 小森亮平(マトリックスパワータグ) +23秒
〔個人総合〕
1位 オールイス・アルベルト・アウラール(マトリックスパワータグ) 2時間42分15秒
2位 マリス・ボグダノヴィッチ(インタープロサイクリングアカデミー) +1秒
3位 ベンジャミン・ダイボール(チーム・サプラ・サイクリング) +1秒
4位 マリオ・ヴォクト(チーム・サプラ・サイクリング) +2秒
5位 アンガス・ライオンズ(オリヴァーズ・リアル・フード・レーシング) +4秒
6位 パク・サンフン(LXサイクリングチーム) +5秒
7位 アレクセイス・サラモティンス(インタープロサイクリングアカデミー) +5秒
8位 レイモンド・クレダー(チーム右京) +5秒
9位 ライアン・シュルト(オリヴァーズ・リアル・フード・レーシング)) +5秒
10位 岡篤志(宇都宮ブリッツェン) +8秒
13位 フランシスコ・マンセボ(マトリックスパワータグ) +12秒
15位 ホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ) +12秒
31位 アイラン・フェルナンデス(マトリックスパワータグ) +18秒
61位 安原大貴(マトリックスパワータグ) +37秒
70位 小森亮平(マトリックスパワータグ) +56秒
〔チーム総合〕
1位 チーム・サプラ・サイクリング 7時間55分33秒
2位 オリヴァーズ・リアル・フード・レーシング +5秒
3位 マトリックスパワータグ +10秒
【第3ステージ】
那須烏山市~足利市 150.5km KOM2回、SP2回
天候:快晴 気温5℃
総合争いは10秒差以内が11名、守るのは容易ではない僅差接戦で最終ステージを迎える。コースは後半のKOMから道幅狭く、またゴール手前10km辺りの激坂は18%ほどあるとの情報。後半勝負の可能性が高く前半のボーナスタイムは欲しいところ。晩も念入りにミーティングを重ね決戦へ臨む。
総合リーダーとして堂々並ぶオールイス、しかし2位以下との差は僅か1秒、総合争いは激しいタイムの争奪戦からのスタートとなる。2回設定されている中間SPはスタート序盤と終盤、1秒でもボーナスタイムを稼ぎたい各チームの動きで混沌とする中、マトリックスはリーダーを擁するチームとして集団をコントロールし続ける。序盤1回目のSPではマトリックスもオールイスに獲らせるため動くが獲ることができず、ここで5秒差のレイモンド・クレダー(チーム右京)が2秒獲得しタイム差を詰めてくる。
マトリックスがコントロールをし続けたままレースは後半のKOMへ、この後に重要なSPがある。KOM争いでメインが活性しながらもコントロール圏内、ところがこの下り区間でアイランが大落車に巻き込まれ離脱。チームは最終局面の重要な牽引役を欠き厳しい状況へとなっていく。
2回目のSPで1秒差のベンジャミン・ダイボール(チーム・サプラ・サイクリング)が3秒獲得しリーダー逆転、更に5秒差の強力なスプリンター、レイモンド・クレダー(チーム右京)がボーナスタイムを重ねオールイスへ1秒差に迫る。2回目のSP争いからレースはそのままゴールへの最終局面へ、総合争いの11名が抜け、マトリックスもオールイス、パコ、ホセの3名が入り有利な展開へ持ち込むも、チーム右京はクレダーの他にスプリント強いロビー・ハッカーが入り強力。
オールイス・アルベルト・アウラール、フランシスコ・マンセボ、ホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ)
レイモンド・クレダー、ロビー・ハッカー(チーム右京)
ベンジャミン・ダイボール(チーム・サプラ・サイクリング)
パク・サンフン(LXサイクリングチーム)
アレクセイス・サラモティンス(インタープロサイクリングアカデミー)
オヌル・バルカン(サルカノ・サカリヤ・BBチーム)
岡篤志(宇都宮ブリッツェン)
横山航太(シマノレーシング)
総合争うメンバーが入り、後続は追いつかずこのグループに絞られてのゴール勝負となる。マトリックスは3名連携でスプリント体制へ。最後のスプリントはオールイス自ら仕掛け最終コーナーを獲るがWスプリンターの発射台は更に上手、スピードに乗ったクレダーがオールイスをかわしゴール、オールイス悔しい2着。
結果、個人総合は着位のボーナスタイムでクレダーが8位からジャンプアップの逆転勝利、オールイスはダイボールを抜き2位。そしてチーム総合は最終グループに3名が入ったことでマトリックスパワータグの優勝!UCIポイント圏内に3名が入りました。
3回目の開催となるツール・ド・とちぎでの表彰台はチーム初、激しいレースをここまで戦えたことに今後のビッグレースTOJへも大きな手応えを感じています。次回のJプロツアーまで少し開きますが整えて臨みます。
〔ステージ結果〕
1位 レイモンド・クレダー(チーム右京) 3時間35秒27
2位 オールイス・アルベルト・アウラール +0秒
3位 岡篤志(宇都宮ブリッツェン)
4位 パク・サンフン(LXサイクリングチーム)
5位 アレクセイス・サラモティンス(インタープロサイクリングアカデミー)
6位 オヌル・バルカン(サルカノ・サカリヤ・BBチーム)
7位 横山航太(シマノレーシング)
8位 ホセ・ボセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ)
9位 フランシスコ・マンセボ(マトリックスパワータグ)
10位 ベンジャミン・ダイボール(チーム・サプラ・サイクリング)
11位 ロビー・ハッカー(チーム右京)
65位 小森亮平(マトリックスパワータグ) +6分16秒
66位 安原大貴(マトリックスパワータグ)
〔個人総合〕
1位 レイモンド・クレダー(チーム右京) 6時間17分33秒
2位 オールイス・アルベルト・アウラール(マトリックスパワータグ) +2秒
3位 ベンジャミン・ダイボール(チーム・サプラ・サイクリング) +7秒
4位 岡篤志(宇都宮ブリッツェン) +13秒
5位 アレクセイス・サラモティンス(インタープロサイクリングアカデミー) +14秒
6位 フランシスコ・マンセボ(マトリックスパワータグ) +21秒
7位 ホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ) +21秒
8位 パク・サンフン(LXサイクリングチーム) +22秒
9位 オヌル・バルカン(サルカノ・サカリや・BBチーム) +25秒
10位 横山航太(シマノレーシング) +27秒
64位 安原大貴(マトリックスパワータグ) +7分2秒
66位 小森亮平(マトリックスパワータグ) +7分21秒
〔ポイント総合〕
レイモンド・クレダー(チーム右京)
〔山岳賞総合〕
アンガス・ライオンズ(オリヴァーズ・リアル・フード・レーシング)
〔チーム総合〕
1位 マトリックスパワータグ 18時間53分32秒
2位 チーム右京 +1分30秒
3位 チーム・サプラ・サイクリング +2分10秒
Photo by Satoru Kato