RACE REPORT

JBCF 宇都宮クリテリウム

日付:
2024年04月26日
開催地:
栃木県宇都宮市清原工業団地内コース(1周3.0km)
距離:
3.0km×20周(1+19周)=60km
天候:
曇り 気温10℃
出走:
永良 大誠, ベンジャミ プラデス, ホセ ヴィセンテ トリビオ, 吉田 隼人, アイラン フェルナンデス, 安原 大貴, 近谷 涼, 田窪 賢次

Jプロツアー開幕戦、吉田隼人が2位!

2015年度Jプロツアー開幕!新たな春の始まりである。昨年と同様、第1戦は宇都宮クリテリウム。
さすが自転車の街宇都宮。昨年よりも更に賑わう会場が選手たちを出迎えてくれる。

マトリックスは1週間前に大切なチーム員の和田力を失った。
突然の悲報に皆深い悲しみに包まれ沈んでいたが、この初戦へ向けてテンションを上げていた和田の為にも乗り越え戦うと決めた。
和田を連れて開催地の宇都宮入り。和田と共に勝利しようと強く誓い合う。

毎年チームの力量が読みきれないシーズン初めだが、今年は新規チームが増えてよりパワーバランスは分散している。
コースレイアウトが少し変わり、バックストレートにヘアピンコーナーが設けられて周長は3.0km。
しかし、昨年より距離は短縮されており、より早い展開が予想される。
また、4周回ごと賞金対象のスプリント賞にもレースが揺れるであろう。

心配されていた天候は回復し曇り。しかし陽の光にはほど遠い、肌寒い一日となった。

和田の為に、主催運営側のご配慮で時間を割いていただいた。

皆で黙祷し祈りを捧げる。
皆で黙祷し祈りを捧げる。

監督からご挨拶をさせていただき、チームを先頭に1周パレード~2周目からのリアルスタートとなった。

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スタートから早いペース、散発的にアタックがかかるがまだ様子見程度。
マトリックス永良やロイック・デリアック(KINAN Cycling Team)が積極的に前に出ている。
4周回目、最初のスプリント賞を北野普識(イナーメ信濃山形)が獲る。
大きな動きは出ず、淡々と周回を重ねていくが短いレース。スプリント周回が何らかのきっかけとなるであろう。

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2回目のスプリントへ向けて阿部嵩之(宇都宮ブリッツェン)ら数名が動きだし、スプリント賞は阿部が獲る。
その流れで永良を含む数名が先行、更に2名が抜け出す。

サルバドール グアルディオラ(Team UKYO)
雨澤毅明(那須ブラーゼン)

続いて集団からは追走の動き、マトリックスも前方で追う姿勢。
ペースが上がり始め不安定な集団では、11周回目の1コーナー過ぎ辺りで大規模な落車が発生。ここで強豪チーム数名がリタイアとなる。
マトリックスは大貴が巻き込まれたが、無事ニュートラル復帰。
この間に3回目のスプリント賞をサルバドールが獲り、逃げ2名との差は10秒以上に開いた。

あっという間にレース後半。一度落ち着いた集団は、いよいよ本気で追走を開始する。
14周目前には2名は吸収、代わってのアタックが激しくなる。集団はTeam UKYO、宇都宮ブリッツェンが前を固める。
マトリックスも前に出てコントロールの様子を窺う。KINAN Cycling Team も出てきた。

16周目、最後のスプリントポイントからレース終盤へ。集団のペースは更に上がってきた。
ポイント賞はロイック・デリアック(KINAN Cycling Team)そのまま逃げ体制へ。
佐野淳也(那須ブラーゼン)、サルバドールと逃げを謀るが、宇都宮ブリッツェンの猛追に吸収。
最終ゴールは集団スプリントになる可能性が高いであろうと、各チーム体制争いが激しくなってきた。

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残り3周回となったホームストレートで、過去例が無いのではないかと思うほどの大落車。
集団前方を含む殆どが巻き込まれ現場は大混乱。マトリックスも数名巻き込まれている。
ここで、勝負の明暗がはっきりと分かれてくる。先頭を固めていたTeam UKYO勢はしっかり残っている。
まだニュートラル復帰から再度体制をとれる・・・望みを託しニュートラル復帰へ。

ところが落車の混乱が収まりきっていない。もうメインは最終局面へ向けて益々ペースが上がっている。
落ち着いてないニュートラルゾーンへメイン集団が到達してしまい、更に大落車。完全に崩壊してしまった。

レースは止まらない、それでも抜けた集団で最終ゴールスプリントへ。
やはりTeam UKYOががっちり前を固め体制を作っている。マトリックスはアイラン、ベンジャと吉田が前方にいる、これはいけるか・・・!

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ベンジャが吉田を引き最終コーナーからホームストレート、吉田ゴールへ。

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吉田やや発射早いか、先に出る。

そこへ見事な固めの中から飛び出す窪木一茂(Team UKYO)、吉田を交わしゴール。
吉田悔しい2着となった。

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この大混乱の中、掻い潜って獲った表彰台は強さの象徴。
Team UKYOは強かった。マトリックスもシーズン初戦ながらもよく連携できていた証だと思う。
今回はいつも以上に勝ちたかったが、優勝した窪木選手も後輩和田への想いは同じ。それぞれが和田への想いを抱いて戦った。

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ゴール後、いつものようにレースを振り返りながらチームで1周クールダウン。
和田のバイクを連れ、勝者への祝いで賑わっているコースを走る。
静かに、静かに、和田はラストランを終えた。

これからいよいよ本格的シーズンへ入る。今回のレースで次への手応えは感じた。
続くレースへ、チーム一丸となって戦い続けます!

《監督のコメント》
やっぱ、あいつ(和田)がおったら勝てたなぁ

【順位】
1位 窪木一茂(TeamUKYO)
2位 吉田隼人(マトリックスパワータグ)
3位 パブロ・ウルタスン(スペイン、TeamUKYO)
4位 野中竜馬(KINAN Cycling Team)
5位 畑中勇介(TeamUKYO)
6位 中里仁(レモネードベルマーレ)
20位 ホセ・ビセンテ(マトリックスパワータグ)
21位 ベンジャミン・プラデス(マトリックスパワータグ)
33位 アイラン・フェルナンデス(マトリックスパワータグ)
66位 近谷 涼(マトリックスパワータグ)
68位 安原大貴(マトリックスパワータグ)
69位 田窪賢次(マトリックスパワータグ)
69位 永良大誠(マトリックスパワータグ)

※69位以下、残り2周回での落車対象者のため全員最降着の同着扱い

和田の為にレース進行を変更し、時間を割いていただきました主催運営皆さまのご温情に、心より感謝し御礼申し上げます。
また、ご協力いただいた出場チームの皆様、会場でお声をかけてくださった皆様、応援いただいた皆様、本当にありがとうございました。

photo by Hideaki TAKAGI