RACE REPORT

石川サイクルロードレース

日付:
2024年04月20日
開催地:
福島県石川町・浅川町周回コース(13.6kmコース)福島県石川郡石川町大字南山形字中野沢95­5
距離:
108.8km(13.6km×8回) 中間スプリント3回(1、2、6周回完了時 10%upボーナスポイント)
天候:
晴天 曇りのち雨26℃
出走:
アイラン フェルナンデス, ホセ ビセンテ トリビオ, 吉田 隼人, 安原 大貴, 小森 亮平

Jプロツアー第11戦
レースレイティング:シルバー

“ホセ・ビセンテ・トリビオが3位、リーダーキープ!逃げ続けた安原大貴が敢闘賞!”

長く継続している貴重な公道レース石川ロード、実業団レース活動をする選手で知らない者はいないほどお馴染み、そして「強い者が勝つ」レース。


前日のクリテリウムを勝利したマトリックスはこの好調な流れから続くロードレースでの勝利を狙う。


天候は再び梅雨空へ戻り雨が降ったり止んだりを繰り返す。毎年この時季で開催しているが、気温はさほど高くなくでも高湿度でかなり蒸し暑く、暑さとの闘いも厳しいレース。雨に救われる選手も多い。

小雨は一旦止み、路面が乾き始めた状態でロードレースがスタートした。今回はパレードが無くリアルに一斉スタート。

コース幅の狭い区間もあるため、スタートから前列に並んでいるマトリックスも含めペースアップをかけていく。

ハイペースなラップタイムは19分18秒、1周目からスプリントポイントもあるため散発的なアタックが続き、1回目のポイントは石橋 学(CIEL BLEU KANOYA)が獲った。直ぐに次の周回ポイントへ向けての活性が続く、2回目はホセが獲りリーダーキープへのポイントを稼ぐ。

3周目に入ると雨が降り出した。その中、大貴を含むよく見る逃げメンバーが揃い、5名の逃げが決まる。メインは直ぐにコントロールが始まり先行を行かせ、2分50秒もの差をつけて先行5名が4周目に入った。

安原大貴(マトリックスパワータグ)
入部正太朗(弱虫ペダルサイクリングチーム)
草場啓吾(愛三工業レーシングチーム)
木村圭祐(シマノレーシング)
沢田 時(TEAM BRIDGESTONE Cycling)

逃げメンバーに居ないと心配になるくらい逃げ馴染みの入部を筆頭にトップチームのベテラン揃い、好い逃げにマトリックスは大貴を仕立てるため後続をしっかりと抑える。この逃げは終盤まで続くことになる。

メインはマトリックスが昨日に続き隊列で抑えてコントロールする。逃げには各強豪チームが入っているため、その後ろにそれぞれ隊列しながら一旦落ち着いた様子。

しかしタイム差は2分40秒前後を保ちながら進行、今度は愛三工業レーシングチームが先頭を固めコントロールをし始めた。その後ろにマトリックスの隊列も続き、TEAM BRIDGESTONE Cycling、シマノレーシングと彩り揃えた色鮮やかな集団が疾走していく。

大貴らの先頭も協調して回しながら6周目へ。路面はすっかりウェット、遠くから雷鳴も聞こえ始め天候に不安も出てくる。

そしてメインは愛三工業レーシングチーム固定でタイム差は少し縮めての2分19秒。追う姿勢でもないが終盤に向けての次展開が可能な範囲へ縮めるのか、その意図は掴みづらい。

マトリックスは変わらずそのすぐ後ろ、できれば大貴を行かせ、また別のメンバーを祝える展開を期待する。


そんなチームの思いを乗せている大貴は最終3回目のポイントを獲りながら7周目へ、いよいよ終盤、雨足が強くなってきた。

メインも愛三工業レーシングチームがコントロールのまま残り2周回へ、先頭へは2分差まで詰めている。やはり勝負をリーダー争いしている岡本 隼でのスプリント勝負へ持っていく狙いか、それとも草場を休ませる狙いか…いずれにしても徐々にタイム差を詰めるコントロールは消耗を伴う、その献身的戦略的な動きが不気味とも言える。

徐々に縮まるタイム差に反応してか、先頭からは入部がアタックをしかける。始まった入部の激しい揺らしに大貴らも反応、アタック⇔吸収が始まるが残り2周はやや早いか、ペースは上がらずメインとの差を縮めていくことになる。

メインは1分30秒をきってきた、尚もコントロールし続ける愛三工業レーシングチームに、それまで落ち着いていたTEAM BRIDGESTONE Cyclingがコントロールに加勢、一気に差を詰めにかかる。

各チーム集団スプリントへの展開へ切り替えたこの動き、それならばマトリックスも再び隼人で勝負。

大貴ら先頭は5名ひとつで遂にラストラップへ。そしてペースアップかかったメインは最終20名ほどが抜けて48秒差まで迫りながらラストラップへ。

マトリックスは前日の疲労も隠せずこの追い上げについていけず、ホセのみとなってしまう。

そしてコントロールし続けた愛三工業レーシングチームもその人数を減らし、上手く脚を溜めたTEAM BRIDGESTONE Cyclingとシマノレーシングを多く含む。大貴らの逃げ切りは難しいか、逃げ切って欲しい。

先頭は逃げながらも最終の激戦中、大貴も粘り戦い続けているが、その間に後続は残り4㎞で25秒差まで迫る。牽制も入るためタイム差は縮まるばかり、そして残り2㎞をきり、ついに後続に吸収されてしまった。集団ひとつ、最終コーナーから最後の丘を駆け上がるのは11名、激しいゴールスプリントから力強く伸びきったのは今村駿介(TEAM BRIDGESTONE Cycling)、そしてリーダーを争う岡本 隼(愛三工業レーシングチーム)、それを追うホセ3位!

皆が大貴の表彰台を願っての一戦だったが叶わず残念、しかし大貴の走りが称えられ敢闘賞を受賞!

そしてポイント差迫る岡本に対し最後まで戦ったホセはリーダーをキープしてシーズン前半戦を終えることができた。

今年もこの石川サイクルロードレースで勝利できず悔しさが残るが、2日間チーム一丸でやり切った清々しさはある。来年こそこのレースでの勝利を目標に、そして来年も開催していただけることを願います。

Jプロツアーはしばし夏休みとなりますが、リーダー争いが激しくなっていく後半へ向けてしっかりと整えていきます。支え見守りいただく皆様のおかげで前半戦を無事に終えることができました。心より御礼申し上げます。
続く後半戦もどうぞよろしくお願いいたします。

Photo by Satoru Kato, Shizu Furusaka

【結果】
1位 今村駿介(TEAM BRIDGESTONE Cycling)  2時間47分34秒
2位 岡本 隼(愛三工業レーシングチーム)
3位 ホセ・ビセンテ・トリビオ    +0‘01”
4位 井上文成(弱虫ペダルサイクリングチーム)
5位 湊 諒(シマノレーシング)  +0’02”
6位 草場啓吾(愛三工業レーシングチーム)
16位 安原大貴(マトリックスパワータグ)
38位 小森亮平(マトリックスパワータグ)
40位 アイラン・フェルナンデス)
41位 吉田隼人(マトリックスパワータグ)
DNF 狩野智也

【個人総合】
1位 ホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ) 2420p
2位 岡本 隼(愛三工業レーシングチーム)       1715p
3位 井上文成(弱虫ペダルサイクリングチーム)    1416p

【チーム総合】
1位 マトリックスパワータグ    6310p
2位 TEAM BRIDGESTONE Cycling 4091p
3位 シマノレーシング        3681p