RACE REPORT

JBCF西日本ロードクラシック広島

Jプロツアー第11戦(レイティングAAAA)

伝統的なレース、コースも競技者であれば誰もが馴染みある広島、そしてレースのきつさも定番。今年は9周回という過去にない距離の設定、通常は昨年の12周、きついレースとなるだけにこの微妙な周回数変化の影響は考えられる。
この大会は最高設定のAAAA、翌日のクリテリウムはポイントが低い。マトリックスは僅差の3位までつけたアイランを何とかここでリーダーの位置に届かせたい。

当日は80%以上の雨予報だがスタート前には小康状態となり、回復の希望を持たせながらもスタートの号砲とともに音を立てて雨が降り出した。スタートから1~2周はふるいかけのハイペースがいつものパターン。雨が激しくなり前も見づらいほどの状況の中をラップ17分で1周を終えると集団は既に幾つかに分断されている。

ⓒSatoru Kato

先頭38名のグループにはホセ、アイラン、佐野、土井がしっかり入るが、宇都宮ブリツェンは全員が入り強豪チームもしっかりと人数を入れている。早い段階からジャージの色が揃ってくることが予想される中、後ろから向川、大貴、田窪も追いつきマトリックスも全員が先頭位置。

ⓒShizu Furusaka

この時点で乗れないメンバーはこの後置いていかれることとなる。

2周目に入るとシマノレーシングの入部正太朗がアタックし、同じくシマノの湊 諒、そして宇都宮ブリッツェンから雨澤毅明、マトリックスからは佐野淳哉が入り4名で先行を始める。

ⓒSatoru Kato

メインは50名ほどでコントロールが入り沈静、4名を先行させたまま3周目へ。このまま落ち着く状況の中、なんと佐野が体調不良で離脱。マトリックスはメインをコントロールする側になり、先頭とは1分以上の差に開いてくる。

ⓒSatoru Kato

やがて4周目に入りメインはマトリックスと那須ブラーゼン。先頭との差を1分20秒以内に抑えコントロールを続け、この状況を終盤まで重ねていく。

雨はより一層激しくなり、ペースを一定しつつも消耗していく。メインは後尾から少しずつ減っていき、7周目には40名をきってくる。

ⓒSatoru Kato

8周目残り2周、終盤へ向けて前後一斉に動き始めた。
先頭では雨澤に対し2名と優勢のシマノの波状攻撃が始まる。雨澤も応戦、その激しい動きでメインの差はまた1分ほどに開きながらメインも8周目へ。

ⓒSatoru Kato

コントロールし続けるマトリックスも疲れが出始め、残るのはホセ、アイラン、土井、大貴。チームブリヂズトンサイクリング、KINAN Cycling Teamもコントロールに加わるも終盤へ向けての備え、宇都宮ブリッツェン、シマノレーシングも前方に固まってくる。

ⓒShizu Furusaka

徐々に先頭に迫るメイン、先頭3名もペースが上がっていくが湊が落車で離脱。ここで先頭の形成は崩れ入部と雨澤の2名でラストラップへ。メインも30秒ほどまで差を詰めてラストラップへ入るが既にその人数は19名。マトリックスは土井を中心に隊列を組んで備えている。残り3km地点辺りでメインは先頭2名を吸収、カウンターを狙って激しいアタック戦が始まる。

ⓒShizu Furusaka

上り区間でアタックした中西健児(KINAN Cycling Team)に同じくKINANの山本元喜、リーダーの窪木一茂(チームブリヂストンサイクリング)が反応し先行、そこへ木村圭祐(シマノレーシング)が合流、最後のホームストレートで追いついた小野寺 玲(宇都宮ブリッツェン)、そしてアイラン・フェルナンデス(マトリックスパワータグ)。
6名でのゴールスプリントを先駆けていた窪木一茂がその横線を全く許すことなくゴール。一列となって、木村、小野寺、アイラン。アイランは4位となり残念ながら表彰台を逃した。

この結果、アイランはランキング2位へ上昇。高ポイントを得たリーダーの窪木が2位以下を突き放すこととなる。そのスプリントの強さから翌日のクリテリウムもかなり手強い存在となるであろう。チーム力で勝ちを狙う。

【結果】
1位 窪木一茂(チームブリヂストンサイクリング) 2時間46分39秒
2位 横山航太(シマノレーシング) +0秒
3位 小野寺玲(宇都宮ブリッツェン)
4位 アイラン・フェルナンデス(マトリックスパワータグ)
5位 中西健児(KINAN Cycling Team)
6位 山本元喜(KINAN Cycling Team) +4秒
7位 ホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ)
28位 土井雪広(マトリックスパワータグ)
34位 安原大貴(マトリックスパワータグ)
38位 田窪賢次(マトリックスパワータグ)
39位 向川尚樹(マトリックスパワータグ)
DNF 佐野淳哉(マトリックスパワータグ)

【個人総合】
1位 窪木 一茂 1716p
2位 アイラン・フェルナンデス 1500p
3位 岡 篤志 1379p

photo by Satoru Kato、Shizu Furusaka

全日本選手権ロード・レース

“佐野淳哉が2位!”

photo by team

いよいよ日本一を決める頂上決戦、全日本選手権ロードレース。選ばれた者たちが凛とした決意を持って聖なるスタートラインに立つ。

コースはこれまでに学生のレースなどでも開催されてきた島根県益田市での公道14.2km。アップダウンを繰り返しながらも大きく左回りをとる大周回、きつい勾配区間や道幅狭い下り区間なども含むが全体には流れに乗りやすく、スピードマン向きのコースとも言われている。スタートから上り区間、勾配のきつい部分は前半に多く含み高度を上げていき、後半は下り基調で少しずつ高度を下げていく。このアップダウンの繰り返しが長丁場レースでは堪えてくるとの予想。

マトリックスは栄光のタイトルを手にしてきたベテランの佐野、土井を中心としつつも、状況に応じ各々チャンスに備えよという捉え。ツアー戦などと違い、この捉え方や戦略は各チームそれぞれであろう。そして、チーム戦というシチュエーションでもないのが全日本選手権。不揃いであり一貫性もなく流動的、何が起こるか分からない“魔物が潜む”と言われている。この魔物とも戦い、だから難しい。
ここ最近は序盤の動きがそのまま決まることが多いため、監督は「始めの動きに注意」とミーティングで促す。

梅雨の最中、この決戦日だけはカラリと晴れた。朝から気温が上昇し9:00のスタート頃には既に汗ばむ気温。予想では30℃近くまで上がると言う、6時間もの長丁場レースは暑さも伴う過酷なレースとなりそうである。
スタートラインに漂う独特のピリピリ感、触れる空気に電流が流れているようなこの感触はチャンピオンシップならでは。
その空気を裂くように号砲が鳴り、選手たちが一斉にスタートした。

スタート直後の上り区間からアタックがかかる。このふるいにかけるパターンはいつものお約束、いきなり数名が抜け始め、最初にできたのは12名のグループ。マトリックスはそこに田窪が入る。

田窪賢次(マトリックスパワータグ)
徳田優、横塚浩平(チーム右京)
岡篤志(宇都宮ブリッツェン)
秋田拓磨、黒枝咲哉(シマノレーシング)
早川朋宏、阿曽圭佑(愛三工業レーシングチーム)
山本元喜(キナンサイクリングチーム)
堀孝明、石橋学(チームブリヂストンサイクリング)、
吉田悠人(那須ブラーゼン)

集団からは次々と前を追って抜ける選手が続く。「行った方がいいと思った」と言う佐野も加わり、17名がグループとなりながら合流、先頭は29名とかなりの人数。尚も後ろから加わろうとする動きが続きながらも1周回を21分ほどで完了。29名の先頭グループから30秒ほどで大貴を含む4名のグループ、やがてここまでがひとつになり35名の大集団。ここで全ての明暗が分かれることとなる。振り返ってみればこれが今回の魔物かもしれない。

田窪賢次、佐野淳哉、安原大貴(マトリックスパワータグ 3名)
徳田優、横塚浩平、平塚吉光、小石祐馬(チーム右京 4名)
岡篤志、小野寺玲、阿部嵩之、鈴木龍(宇都宮ブリッツェン 4名)
秋田拓磨、黒枝咲哉(シマノレーシング 2名)
早川朋宏、阿曽圭佑、岡本隼(愛三工業レーシングチーム 3名)
山本元喜、新城雄大(キナンサイクリングチーム 2名)
堀孝明、石橋学、大久保陣、原田裕成(チームブリヂストンサイクリング 4名)
吉田悠人、下島将輝、樋口峻明(那須ブラーゼン 3名)
中村龍太郎、大東泰弘(イナーメ信濃山形 2名)
中川智、杉山文崇(ヴィクトワール広島 2名)
吉田隼人(NIPPPO-VINIFANTINI-EUROPAOVINI)
高岡亮寛(Roppongi Express)
金子大介(7ELEVEN CLIQQ RBP)
豊田勝徳(WAKO’S RACING TEAM)
井上亮(Magellan System Japan)
清宮洋幸(竹芝サイクルレーシング)

残るメインは80名ほどでタイム差は1分40秒。3周目に入り、前後グループとも沈静していく。
メインには土井を含み、他強豪チームもエース格は全てメインに残る。まだ15周のうちの3周目で序盤。しばらくはこの状態が続くと思われるが、先頭の人数がかなり多く各チーム人数も入れている。この先頭グループがレース中に持つ役割がいまひとつ掴みどころない状況であることには違いない。そして、その差は徐々に開いていき、5周目には3分まで開く。

5周目にはメインから5名、6名と抜ける選手が出るが、チームで動くところは全くの無反応。先頭はペースを落としておりラップタイムは23分。メインは更にまったりとし、翌6周目では6分以上に離れ、7周目に入る頃には9分を過ぎていく。動こうとする様子のチームもなく、長丁場でもこのタイム差はもう諦めの姿勢としか言いようがない。

9周目、レースは折り返し。前後ともグループの様子に変わりなく淡々と周回を重ねている。しかし気温は昼の上昇ピークとなり30℃ほど、かなり暑い。周回を重ねるだけでもかなり消耗する様子、脚攣りなどで脱落する者が出始め、佐野も攣りを訴え疲労の色は隠せない。先頭も疲れが出たかペースが落ち、メインはシマノレーシングやチームブリヂストンサイクリングがコントロールを開始し徐々にペースを上げ始める。10周目に入る頃には先頭からのタイム差は6分強まで縮まる。

10周目、先頭からは樋口がアタックをかけて抜け出す。樋口は単独先行、この動きで先頭グループは活性し始め続くアタックの動き。追い上げるメインとは5分をきった11周目、今度は徳田と石橋がアタックし樋口をパスして先行。グループはより一層動きが激しくなり分断崩壊。ここから17名が抜ける。

佐野(マトリックスパワータグ)
小石、平塚、横塚(チーム右京)
石橋、大久保(チームブリヂストンサイクリング)
岡、小野寺、鈴木(宇都宮ブリッツェン)
早川、阿曽(愛三工業レーシングチーム)
山本、新城(キナンサイクリングチーム)
下島(那須ブラーゼン)、吉田(NIPPPO-VINIFANTINI-EUROPAOVINI)、高岡(Roppongi Express)
井上(Magellan System Japan)

チーム右京と宇都宮ブリッツェンは3名も残しており、マトリックスは佐野1名となってしまう。一方でペースアアップを始めたメインも崩壊し、脱落者が続出。人数は一気に半減し40名ほどとなる。

絞られた先頭17名は尚もアタックが続く。小石が積極的にアタックをかけており、12周目には山本と2名で抜ける。それを追う動きで17名も崩壊、追うのは佐野を含む4名で50秒。その1分後ろに7名、13周目へ残り3周。

先頭2名 小石、石橋
4名 00:50 佐野、石橋、小野寺、新城
7名 01:50 吉田、平塚、阿曽、早川、鈴木、下島、高岡、井上
39名 06:00 残る39名

佐野ら4名が懸命に追うが、先頭のキナン山本のチーム新城を含んでいるため上手く協調がとれない。その中、小野寺がドロップしてしまう、佐野は非常に厳しくなるが石橋と共同して尚も先頭を追う。
14周目に入った、佐野と石橋の表情がかなり険しい。先頭とは35秒、佐野は渾身引き上り区間をクリアしていく。
やがて石橋も力尽き、佐野と新城が先頭にジョイン。そこで更に佐野がアタックをかけると反応したのは山本、小石と新城は遅れるが、新城が粘り追いついてきたところでラストラップへ。キナン2名に対しマトリックス佐野1名で分が悪い。ここで今度は山本がアタックをした。

上り区間でアタックした山本に佐野は反応が遅れ直ぐに10秒も離れてしまう。懸命に追う佐野は新城を引き離してひたすら前を追う。しかし、それ以上に山本の走りは快調、前半の上り区間でその差は40秒にまで広がってしまう。残る下り区間で更に猛追するも追いつくことはできず、佐野に32秒の差をつけて山本元喜が単独でゴール。全日本チャンピオンのタイトルを手にした瞬間を待ち受けたチームと共に歓喜に涙する。

そして、多くの歓声と拍手を浴びながら佐野が帰ってきた。普段の穏やかさからは想像もできない、悔しさを全身で表し何度も叫ぶ。「悔しい、行けると思った、行きたかった」
2014年チャンピオンに輝いた時のレースも最終残った3名で勝負した相手は山本選手だったと語る佐野。時を経て、また同じような勝負に遭遇する不思議を話す。山本選手も同じような気持ちで受けているかもしれない。
年齢的にも大ベテランとなったいぶし銀のその走りに、2度目のタイトルを思わせたのは本人だけではなく、観る人々も胸熱に興奮させ、釘付けにさせたのは間違いない。

しかしレースは続く。切り替え次週はJプロツアー、ルビーレッドジャージを掴みにチーム一丸で戦います。

シーズンの山頂を越え、これより後半へ入ります。前半を無事終了できましたこと、支えていただいた皆様へ心より感謝申し上げます。
まだまだレースが続きますが、残る後半もどうぞよろしくお願いいたします。

【結果】
1位 山本元喜(キナンサイクリングチーム) 5時間46分53秒
2位 佐野淳哉(マトリックス・パワータグ) +32秒
3位 新城雄大(キナンサイクリングチーム) +2分43秒
4位 入部正太朗(シマノレーシング) +4分26秒
5位 平塚吉光(チーム右京) +4分32秒
6位 小石祐馬(チーム右京) +4分39秒
7位 中島康晴(キナンサイクリングチーム) +4分44秒
8位 井上亮(Megellan Cycling Team) +5分20秒
9位 阿曹圭佑(愛三工業レーシングチーム) +5分37秒
10位 小森亮平(愛三工業レーシングチーム)
11位 高岡亮寛(Roppongi Express) +5分39秒
12位 寺崎武郎(バルバレーシングクラブ) +5分55秒
13位 窪木一茂(チームブリヂストンサイクリング)
14位 吉田隼人(NIPPO・ヴィーニファンティーニ・エウロパオヴィーニ)
15位 早川朋宏(愛三工業レーシングチーム)
16位 石橋学(チームブリヂストンサイクリング) +7分49秒
17位 鈴木龍(宇都宮ブリッツェン) +7分52秒
18位小野寺玲(宇都宮ブリッツェン) +8分34秒
19位 下島将輝(那須ブラーゼン) +10分10秒
20位 近谷涼(チームブリヂストンサイクリング) +10分35秒

photo by Satoru Kato

全日本選手権タイム・トライアル・ロード・レース

いよいよ今期のシーズン頂点、全日本選手権が始まる。今年はタイムトライアルとロードレースは日程も開催地も別でそれぞれの開催となる。先ずはタイムトライアルから、TTスペシャリストの佐野淳哉がチームからひとり参戦となる。
機会の少ないタイムトラアル競技、他大会では表彰台トップに立つことはあったが、この全日本選手権では幾度も表彰台に立つことはあったが優勝には届かず、悔しい思いをしてきた。昨年はライバル視してきた西薗良太の快走が上回り2位。今年こそ表彰台のトップを!と万全の準備で臨む。

男子エリートでのスタートリストは最終28名、3つのWAVEに分けられ2分毎にスタートしていく。今年の注目選手はそれぞれ分散しており、前半からチェックが必要。佐野は今年の最有力候補者として注目を浴びながら、WAVE3の最終走者でのスタート。

WAVE1では54分台、WAVE2に入ると53分台へと突入していく。コースは前半がアップダウンを多く含み、後半は平坦基調でのゴール。6番手でスタートした小石祐馬(チーム右京)が51分54秒01とそれまでのタイムを大きく更新すると、その2人後にスタートした近谷 涼(チームブリヂストンサイクリング)が51分26秒60を出し、WAVE2終了時点で暫定トップに立つ。ラップのトップタイムは近谷の17分01秒6、最終WAVEは注目の強豪選手が並び、このタイムを目安としてスタートしていく。

残る6名、2番目スタートの窪木一茂(チームブリヂストンサイクリング)が、ラップタイム16分45秒7と驚くタイムで1周回を完了、そのタイムを聞きながら佐野がスタートした。佐野は「人生で最大のギア」と本人が語る、出力重視の機材設定で挑む。1周目を落ち着いて走行し、3番手タイムで完了。スピードを乗せて更に上げて行く勝負の2周目に入って間もなく、チェーンが落ちる機材トラブル発生。
機材交換をして走るがこの停止ロスは致命的、この周回は12位まで順位を落とすこととなってしまう。

それでも諦めず再度機材を交換してのラストラップ。渾身追い込む佐野の気迫は凄まじく、一気に6位まで順位を上げ残り半周へ。その走りは上位に届く奇跡を思わせるほどのもので最終ラップは16分53秒7と窪木に続く2番手のタイムで走行したが、2度の機材交換ロスの影響はやはり大きく、結果6位で終えることとなった。

一方、最速タイムで先行していた窪木は乱れることなくタイムを落とさず素晴らしい走りを見せ、2位に1分以上の差をつけての勝利。2位は同じブリヂストンの近谷、トラック競技でも一目置かれているチームブリヂストンサイクリングのワン・ツー表彰台となり、3位には小石が入った。

リスクを伴いながらも最大の出力へ懸けた佐野自身の勝負でもあったチャンピオンシップ。しかし人馬一体の自転車競技ならではの結果、悔しく残念ではあるがこれも含めて競技。「これからもまだ走る」とコメントする佐野、これからもチャレンジし続けていくであろう。

続いて今週末は全日本選手権ロードレース。今度はチームでチャンピオンシップへ臨みます。

【結果】
1位 窪木一茂(チームブリヂストンサイクリング ) 50分23秒92
2位 近谷 涼(チームブリヂストンサイクリング ) +1分2秒
3位 小石祐馬(チーム右京) +1分30秒
4位 小野寺玲(宇都宮ブリッツェン) +1分36秒
5位 渡辺翔太郎(愛三工業レーシングチーム) +1分39秒
6位 佐野淳哉(マトリックスパワータグ) +1分42秒
7位 阿部嵩之(宇都宮ブリッツェン) +2分8秒
8位 石橋 学(チームブリヂストンサイクリング ) +2分22秒
9位 鈴木 譲(宇都宮ブリッツェン) +2分40秒
10位 岡本 隼(愛三工業レーシングチーム) +2分43秒


photo by Satoru Kato

JBCF那須ロードレース

Jプロツアー第10戦(レイティングAAA)

昨日の猛暑から一変、朝からしっかり雨。。気温も10℃以上下がり17℃と非常に肌寒く、終日100%の重たい雨中でのロードレースとなる。国体でも一部使用していたコースはアップダウンを含みながらも緩やかでスピードが乗るコース。集団ゴールを嫌うチーム等、戦略的な流れを作ろうと前半から動きが出る可能性が高い。マトリックスはどのような展開であってもここはアイランで勝負をしたい。

前日のクリテリウムが予想以上に激しいサバイバル戦となったため残る疲労は隠せないが、スタートからやはり激しくアタックがかかる。攻めのシマノレーシンやチームブリヂズトンサイクリング(BS)など。集団は許さず、アタック⇔吸収の繰り返しで落ち着くことなくレースは進行するが、無駄な動きを控えようとする冷静さも窺える。

なかなか動きが決まらないままの7周目、佐野がパンク。ニュートラル対応で機材交換をするも時間を要したか復帰できない。今回7名出走のチームにとって、このダメージはかなり大きい。そんな中での8周目、集団は再び活性し始めアタックが始まる。前半から幾度もアタックをし続ける入部正太朗(シマノレーシング)をはじめに、アイランや大貴を含む9名。このメンバーの抜けには一気に集団が活性し動きが激しくなった。

アイラン・フェルナンデス、安原大貴(マトリックスパワータグ)
入部正太朗(シマノレーシング)
飯野智行(宇都宮ブリッツェン)
近谷 涼(チームブリヂストンサイクリング)
佐藤信哉(VC FUKUOKA)
織田 聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)
松田祥位(EQADS)

集団は翌9周目には先頭を吸収、しかしここでまたもシマノレーシングから横山航太、そして再び入部がアタック。反応したのは石橋学(チームブリヂストンサイクリング)、3名は協調してペースアップ。ここで集団は一旦落ち着き徐々に差が開いていく。ここで田窪が落車に巻き込まれ離脱、マトリックスは前半で5名となり厳しい状態となる。

先頭3名とは1分ほどの差を保ち射程圏内に納めた状態で周回を重ねていくが、主導するチームの動きがはっきりせず残り周回が少なくなってくる。残り3周、メインは宇都宮ブリッツェンが固め先頭を追い始める。続いてブリヂストン、シマノが固め終盤に備える。マトリックスはホセ、アイラン、土井、大貴が残っている。

残り2周回、徐々に詰めるメインはその差40秒をきろうとしており、キャッチするタイミングを計る動き。先頭からは木村がドロップするが、粘る入部と石橋の2名は踏み続けている。マトリックスはアイランへの最終体制を整えながらラストラップへ。先頭2名とは30秒をきっている。

ラストラップ、残り2kmで先頭2名は吸収され、集団でのゴール勝負へ。しかし若干長い残り2km、マトリックスはチームでの隊列が整えきれていない。上手く繋いだのはシマノレーシングとチームブリヂストンサイクリング。残り1km、ここでブリヂストンの橋本英也がアタック、反応したシマノの木村圭祐と2名が先行。メインからも各スプリンター達が一斉に自力反応を始めるが間に合わず、ロングスプリントを決めた2名が先行したままゴールラインへ、僅差を差し獲ったのは木村、橋本2位。そして抜けたアイラン、那須ブラーゼンの吉田悠人との勝負に後方から鋭く差し込んできたブリヂストンの窪木一茂が3位、アイランは5位でゴールした。常に積極的に攻め続けるシマノレーシング、心から賞賛できる見事な勝利だった。

結果、幾度も入れ替わっていたリーダーは再び宇都宮ブリッツェンの岡 篤志から窪木一茂へ。アイランはランキング3位へ後退したがポイントは更に近づき、、1~3位は非常に僅差接戦で次戦の広島大会へ持ち込むこととなる。
そしていよいよ次週からシーズン頂点の全日本選手権。整え頂点へ、そしてJプロツアーの順位UPへ備えます。

【結果】
1位 木村圭佑(シマノレーシング) 1時間25分18秒
2位 橋本英也(チームブリヂストンサイクリング ) +0秒
3位 窪木一茂(チームブリヂストンサイクリング )
4位 吉田悠人(那須ブラーゼン)
5位 アイラン・フェルナンデス・カサソラ(マトリックスパワータグ)
6位 織田 聖(弱虫ペダルサイクリングチーム) +1秒
13位 ホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ)
40位 土井雪広(マトリックスパワータグ)
47位 安原大貴(マトリックスパワータグ)
DNF 佐野淳哉(マトリックスパワータグ)
DNF 向川尚樹(マトリックスパワータグ)
DNF 田窪賢次(マトリックスパワータグ)

【個人総合】
1位 窪木 一茂 1366p
2位 岡 篤志 1329p
3位 アイラン・フェルナンデス 1320p


photo by Satoru Kato

JBCF那須塩原クリテリウム

”ホセ・ビセンテ・トリビオが優勝!アイラン・フェルナンデスが2位でワン・ツー勝利!!”

ⓒShizu Furusaka

 

Jプロツアー第9戦(レイティングAc)

UCIシリーズを経ての久しぶりのJプロツアーな那須での2連戦。今季3度目の栃木県でのレースとなる。
自転車レースを受け入れ歓迎してくれる地域の方々の盛り上がりは日本一と言っても過言ではない、今回も華やかな会場を用意いただき参加選手達を出迎えてくれた。

昨年まで恒例となっていたクリテリウムの予選→決勝方式を今年は一発決勝方式へ変更しつつある。今回も宇都宮と同様、出走を6名に絞り一発決勝、そしてコースは昨年の逆走となった。昨年ホセが逃げ切りで優勝した雨のレース、今年は真夏日の晴天での62.1km。クリテリウムとしては長く、逆走コースはTの字で完全Uターン3箇所を含むコーナー5箇所、選手曰く“100回以上もがく”レース。かなり激しいレースとなるだろう。

スタートから止むことないアタック連発戦。宇都宮ブリッツェン、チームブリヂストンサイクリングが積極的にアタックをかける。特にトラック中心のブリヂストンサイクリングは今回メンバーが揃い、競輪プロの橋本英也も加わりJプロツアーデビュー戦。クリテリウムでは最も危険視すべきチームとなる。マトリックスも応戦しながら前方へ、このコースは後方に位置するだけでかなり不利となる。

ラップ4分ほどでハイペースは緩まず集団は常に一列棒状。先頭はブリヂストン、ブリッツェン、マトリックスにシマノレーシング、那須ブラーゼン。5周毎に賞金かかったスプリント賞もあり、レースを更に活性させる。油断ならないのはスプリント賞後のカウンターアタック、先頭に出るメンバーを見てマトリックスも佐野、大貴、向川が都度チェックに入る。

1回目のスプリント賞を地元那須ブラーゼンの樋口峻明が獲り、6周目へ。ここでブリッツェンから鈴木譲が飛び出し先行、それをシマノから入部正太朗が追走に出る。これは油断ならずマトリックスが佐野を先頭に隊列を組んで追う。入部を吸収すると今度は横山航太が出る、そして先頭の鈴木を吸収すると今度は阿部嵩之が・・・シマノレーシングと宇都宮ブリッツェンの波状攻撃が始まり、集団の緩急が激しくなる。後尾からバラバラと脱落者が出始め、集団はみるみるうちに人数が減りだした。

やがて10周目、2回目のスプリント賞へ。阿部へのチェックで出たホセ、ブリッツェンの雨澤と3名で先行しホセがスプリント賞獲得。この3名は意思が一致したか3名で逃げ始める。ホセはチェックの姿勢だが大きな動きは許さない。時として3名は激しく仕掛けあいながらも先行する。メインではブリヂストンが先頭を固め追走開始。シマノレーシングも加わり15周目にはホセらを吸収、ひとつになった集団からのスプリントでブリヂストンの窪木一茂がスプリント賞を獲る。

メインはシマノレーシングが固めるが、ここで佐野が先頭に立ち、更にペースアップをはかる。集団は切れ切れになり、更に人数が減る。強豪チームからも脱落者が出始め、灼熱の止まない激しいアタック戦で疲れが出てきたかメインでは落車が散発している。19周目、メインから鈴木譲が飛び出し、ここへ土井がチェックにつき2名で先行、スプリント賞は鈴木が獲るも翌周には2名も吸収、代わるアタックは止まずメインには20名ほどしか残っていない。マトリックス、宇都宮ブリッツェン、シマノレーシングは人数を残しているが、チームブリヂストンサイクリング、那須ブラーゼンは人数が減っている。

22周目、疲れが見えてきているメインから再び佐野がアタックしてペースを上げると集団崩壊、分断された先頭は8名で24周目。いよいよ終盤、ここでホセがアタックし単独抜ける。追走はアイランと土井がしっかりと押さえ、ホセは安定の独走態勢へ。ホセはそのまま30秒ほどの差をつけて悠々のガッツポース!昨年に続き大逃げ2連覇達成となった。

残るセカンドグループは、アイラン、ブリッツェンの雨澤毅明、シマノの木村圭祐、EQADSの松田祥位。
このスプリント勝負をアイランが制し2位!マトリックスがワン・ツーを決めた。
完走はたった16名の中、残るメンバーは全力尽くしてゴールし、チーム揃っての好成績で終えることができた。そして、この結果、アイランはランキング2位に上がり、ルビーレッドジャージ(リーダー)へ手が届くところまで近づいた。上位3名はかなりの接戦状態。チームの士気は上がっている、翌日のロードレースはポイントも高く総合争いも激化してくるであろう。心してチーム一丸で戦う。

【結果】
1位 ホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ) 1時間25分18秒
2位 アイラン・フェルナンデス(マトリックスパワータグ) +26秒
3位 松田祥位(EQADS)
4位 木村圭佑(シマノレーシング)
5位 雨澤毅明(宇都宮ブリッツェン) +31秒
6位 小野寺玲(宇都宮ブリッツェン) +57秒
7位 土井雪広
9位 安原大貴
12位 佐野淳哉
DNF 向川尚樹

【個人総合】
1位 岡 篤志(宇都宮ブリッツェン)
2位 アイラン・フェルナンデス(マトリックスパワータグ)
3位 窪木一茂(チームブリヂストンサイクリング)

photo by Satoru Kato、Shizu Furusaka