RACE REPORT

JBCF タイムトライアルチャンピオンシップ

日付:
2024年04月18日
開催地:
栃木県栃木市藤岡町内野(河川区域内)渡良瀬遊水地内谷中湖北ブロック(5.3km/1周)
距離:
15.9km(5.3km × 3周回)
天候:
秋晴れ 気温30℃
出走:
ホセ ビセンテ トリビオ, 佐野 淳哉, 中川 智

“佐野淳哉が優勝!!”

photo by Satoru Kato

Jプロツアー第14戦

Jプロツアー再開、後半戦のスタートは唯一の個人タイムトライアル(略称TT)戦、チャンピオンシップ。
黙々と己と戦う姿はロードレースとは一種異なるこの競技、これを得意とする選手は少ないが、ツアーランキング上位に位置する選手が多い。
先に行われた日本一の頂上決戦、全日本TTでもお馴染みのTTスペシャリスト達が名を連ね競い合う。
Jプロツアーは日本人のみならず外国人選手も参戦するところが更に競技層を厚くする。一見静かな競技に見えてもその内は己とそして互いの心理を探り合う非常に熱い冷戦。

昨年は、ダミアン・モニエ(ブリヂストンアンカーサイクリングチーム) 19分43秒48 がトップタイム。
続く、西薗良太(ブリヂストンアンカーサイクリングチーム)19分50秒47、佐野淳哉(マトリックスパワータグ)19分55秒70
と、20分をきった辺りで秒差のバトルとなった。この20分が今年もボーダーラインとなるか、あとは風などのコンディションによる。

マトリックスはメンバーを絞り込み、全日本TTで悔しい2位となった佐野、過去この大会で勝利しているホセ、他大会での実績ある中川の3名で参戦。
自転車で盛り上がる栃木県での開催、地元の宇都宮ブリッツェンから長く療養中だった増田成幸、鈴木真理の両ベテランも参戦。
元気そうな姿を見せてくれたここと、何より同じスタートラインに立てたことがマトリックスチームとしてもとても嬉しい。会場は更に盛り上がる。

前日まで台風が影響し荒れていた天候だったが、無事過ぎ去り晴天。台風一過のような爽やかな秋空が広がり風もさほどではない。
しかしこのコースは午後から徐々に風が出てくるため、後半は風の影響も出てくる。
出走は1分30秒ごと、全60名ほどを4ウェーブに区切り、マトリックスは中川、佐野、ホセの順に各ウェーブに区分されてスタートとなる。

6番目に出走した鈴木真理(宇都宮ブリッツェン)が大きくタイム更新でトップに立ち会場が沸くが、直ぐ後に出走の阿部嵩之(宇都宮ブリッツェン)が更に上回り20分11秒。
早々のこのタイムはしばらく更新されず、阿部が暫定トップのまま後半まで持ち込まれることとなる。
第2ウェーブで出走した増田成幸(宇都宮ブリッツェン)も20分13秒を出し暫定2位へ、完調ではないであろうがこのタイムには彼の強さを感じられずにはいられない。
勝負は早くも20分台に入るが、後続はなかなか20分台へ届かないまま第3ウェーブへ。

第2ウェーブで出走した中川   photo by Satoru Kato

1番スタートから1時間を過ぎ時刻は15:00近く。いよいよ佐野が14:51にスタート。
夕刻に近づくにつれ風が出てくるが、佐野は落ち着いた様子でスタートした。

先のトップタイムを上回るためにはラップタイム6分40秒台をキープ。しかしこの後に続々と上位勢が控えているため6分45秒以下を意識か。
1周目は6分48秒、後半型の佐野は徐々にペースを上げていき2周目を6分40秒、ここで暫定トップ、後はどれだけリードできるか・・・

第3ウェーブ出走の佐野。徐々に風が出てくる。 photo by gg_kasai


ラストラップ3周目、佐野の追い上げ凄まじくなんと6分31秒3!最高ラップタイムを大きく更新しゴール。
20分00秒8で大きくリードし暫定トップへ。しかし、最終第4ウェープにはブリヂストンアンカー勢、全日本TTチャンピオンの西薗良太、昨年の覇者ダミアン・モニエがいる。

注目の西薗が15:12にスタート。淡々と落ち着いた様子で走行し1周目を6分42秒、1周目のラップタイムはトップ。
2周目も乱れず6分41秒でペースキープ、ここまでは佐野を上回るがラストラップでペース上がらず、20分09秒9でゴールし佐野に届かず暫定2位。
続くダミアンやホセなどの外国人選手を含む上位陣も届かず、佐野の優勝!!念願のTTレースでの初優勝。

最終走者のホセ 
photo by Satoru Kato

「久しぶりに勝てたのでとても嬉しいです。2014年の全日本選手権ロード以来の勝利、そしてTTで勝てたことが嬉しい」とコメントする佐野。
ライバル達も佐野のもとへ来て「やっと勝てましたね」と祝福の声をかける。

「今度こそは・・・!と毎回思ってるけど、今までなかなかやった。今回も思いは半々やったけど今度こそやった!」と監督。

photo by Satoru Kato
photo by Satoru Kato

ツアーリーダーのホセも総合をキープ。この後直ぐに始まるツール・ド・北海道へ勢いつくよい繋ぎとなった。
この勢いで乗り込んでいきます。

 

【順位】
1位 佐野淳哉(マトリックスパワータグ) 20分00秒8
2位 西薗良太(ブリヂストンアンカーサイクリングチーム) 20分9秒9
3位 阿部嵩之(宇都宮ブリッツェン) 20分11秒0
4位 増田成幸(宇都宮ブリッツェン) 20分13秒6
5位 ダミアン・モニエ(ブリヂストンアンカーサイクリングチーム) 20分17秒8
6位 鈴木 譲(宇都宮ブリッツェン) 20分29秒8
7位 中村龍太郎(イナーメ信濃山形) 20分51秒6
8位 ホセ・ビセンテ(マトリックスパワータグ) 20分59秒9
9位 豊田 勉(エルドラード東北) 21分12秒6
10位 近藤正紀(なるしまフレンドレーシングチーム) 21分13秒0
18位 中川 智(マトリックスパワータグ) 21分33秒1

 

photo by Satoru Kato、gg_kasai